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20 武器と年上の奥さん

前書き



 第二章の前半部分があまりにもつまらなかったので、本日は五話分(一時間ごとに一話)更新します。(三話目)

 開拓者装備を一新した俺は、その後街にあるNPC経営の武器屋に行って、使い潰しの効く武器をいくつか購入しておくことにした。


 今のところ俺には確認できないが、このゲームの武器や防具には耐久値が存在しているとのこと。

 武器や防具は使い続けているうちに耐久値が減っていき、最終的にゼロになると破壊されてなくなってしまう。

 このことは、先輩から別れる前に教わっていた。


 課金で手に入れた片手剣のファブリニードの白夜剣は、序盤では性能がいいのだろうが、簡単に倒せるモンスター相手にわざわざ使い続けるのは耐久値がもったいない。


 序盤なら、他の武器を振るった方がいいだろう。




 ということで、やってきたのは街にある大きな武器屋。

 店構えはデカいものの、扱っている武器は全て大量生産の数打ち品で、性能はよくないが、安くて使い潰しがきくのが特徴だ。


 このゲームではNPCでも露店で様々なアイテムを販売していて、中には武器や防具も売っている。

 ただし、同じ種類の武器・防具を大量に売っていることはないので、予備の武器を複数所持したい場合は、大型の武器屋に行けばいいとのことだった。


 これも先輩から教えてもらえた豆知識だ。




 俺がこの武器屋で購入したのは、普通の短剣と投擲用の短剣を数本。

 全て鉄製の量産短剣だ。


 チュートリアルでは短剣を持っていなかったので、短剣スキルはまだ獲得できていないが、どうせスキルをボロボロと気前よく出してくれるゲームだ。戦闘で適当に短剣を使っていれば、すぐにスキルを獲得できるだろう。



 あとは、ファブリニードの白夜剣のかわりになる片手剣を購入しよう。

 そう思ったところで、俺は店の中に刀が置かれているのを見つけた。


 刀と言えば両手で握って使う武器だ。

 日本人なら誰でも知っている武器であり、現在ではサムライ・ニンジャなどの影響で世界的に広く知られている武器でもある。

 俺は刀を販売しているコーナーを、しばらく見て回る。


 詳しい人間なら刀の種類が、ああだこうだと詳しいのだろうが、俺はゲーマーであってもそこまで突っ込んだことは知らない。

 せいぜい刀と脇差があることくらいしか知らない。


 そんな刀コーナーの中には、刀にしては小柄で、脇差にしては大きい、片手で振るうことが出来る刀が置かれているのを見つけた。

 分類は片手刀と言ったところか。



「メイン武器確保」

 昔プレーしていたアーク・アース・オンラインで幼女天使ミカちゃんでプレーしていた時の俺の武器は、片手刀だった。

 天使のくせに日本刀を持つなよとか突っ込まれそうだが、あの時は師匠からの強制だったのでしかたなかった。



「これ、いいでしょう~」

 あの時の師匠は無邪気な笑顔をして、俺に片手刀を進めてきた。

 ただし師匠に対して俺に選択の自由などない。

 師匠が勧めてくるということは、俺にとっては拒否不可能の命令と同じこと。


 あの人が言うことは絶対だ。

 逆らったら怖い。逆らわなくても、ヤヴァイ!


(うっ。師匠の事を思い出したら、頭痛がしてきた……)




 師匠語りはこれくらいにしておこう。


 俺は武器屋で鉄製の量産片手剣を予備を含めて数本分買った。

 課金した際に得た(ゴールド)のおかげで、(ゲーム内の)資金に余裕があったので、値段で困ることはなかった。




 そうして店を後にした。


 さて、この後は街の外に行って、適当に戦闘でもしてみるか。

 とりあえず、オンラインRPGだと定番だしな。


 そうして俺は通りに視線を移し……


 戦闘?

 ハハハ、何を言っているのかわからないな。

 それよりももっと大事な事態に、遭遇してしまった!



 なんと武器屋の前の通りを、たわわな胸をしたご婦人が歩いていく。


 非常に豊満な胸をしているが、俺が作成したファーストキャラのボインボインお姉さんや、教導隊の巨乳隊長とも、形が違う。


 俺が見つけたご婦人は顔はたいしたことないが、体がぽっちゃり体系……つまり太っていて、物凄く肉付きがいい。

 肝っ玉母さんという言葉を、そのまま形にしたような顔体つきだ。


 美人で胸だけでかい巨乳美女もいいが、だがあのご婦人はそれとは違う、肉厚なボンレスハム。

 年齢は30を超えているけど、女性の魅力は若ければいいというものではない。時に年上というのは、若い小娘に出せない包容力があるのだよ。


(ああいう母性溢れる女性に抱きしめられたら、俺どうしたらいいんだろう)


 体の肉付きがいい女性っていうのは、見た目がいいだけの女性はまた違って、暖かな温もりと、痩せた体形では表すことが出来ない肉の質感がある。

 おまけに胸が巨大だから、抱きしめられたら、あのお胸の中で窒息死すら覚悟しないといけないかも。



「ああ、いい。そのまま死んでしまっても、後悔なんて微塵もない」


 それにだね、諸君。

 人間と言うものは……いや哺乳類と言う生き物は、生まれた後に母の偉大なる乳に吸い付き、母乳をいただくことで初めて生きていくことができるのだ。

 俺は昔見た動画で、生まれたばかりの小鹿が地面を踏みしめて立ち上がり、その後母のパンパンに膨らんだ乳からミルクを飲む姿に、大宇宙の神秘を見た。

 あれこそが全ての生命が通る道。大自然の摂理!


 何が言いたいかと言えば、

「赤ん坊って、最高じゃねえか!」



 てなわけで、俺は巨大な胸を持つご婦人の後をフラフラとついていってしまった。


 RPG流に言うと、異常状態魅了だ。




 フラフラとした足取りでご婦人の後ろ姿を追いかけていくうち、気付けば全く知らない場所にいた。

 街の大通りとは違って、露店や商店がなく、代わりにあるのは一般人の住んでいる民家ばかり。


 たまに定食屋を街角に見つけるが、人の入りはそれほどでなかった。



 そんな一般人の住む住宅地をしばらく進むと、周辺が広場になっている中に、一軒だけ大きな建物があるのを見つけた。



「い、いかん。今までは人ごみや建物の陰に隠れて追いかけていたけど、周りに建物がないと、追跡しているのがばれてしまう」


 決してストーカーじゃないぞ。

 ストーカーじゃない。

 イケメン(ただし外見だけ)は、女に困らないのでストーカーなんてしない。


 ただ、俺は奥さんの住んでいる家がどこなのか気になっただけだ。

 後日お近づきになるために、家の場所を知っておかないと困るだろう?




 俺がそんなことを思っているうちに、奥さんは大きな建物にあるドアをノックし始めた。


「クッ、遠すぎてここからではよく見えん」

 見つからないように遠くにある建物の陰から、遠目で奥さんの姿を見ていることしかできない。





 その後建物の中から誰か出てきて、奥さんは建物の中へ入って行ってしまった。

「あそこが奥さんの家かな?よし、それでは後日お近づきになるために……ん?」


 と、そこで俺の視覚の端に、ピコピコと点滅するマークが現れた。

 俺は視覚に映ったマークを指先で叩いてみる。


「ジロー」

 すると俺の目の前の空中に、画面(ウインドウ)が表示された。

 ウインドウの中では絶が頬を膨らませて、不機嫌に俺を睨んでいる。

 明らかに絶が起こっている。


 VRMMOでは、ゲームのプレー中でも、家庭にある量子サーバーにアクセスして、ローカルフォルダを開いたり、ネットでゲーム以外の外部のホームページを閲覧したり出来る。

 他にはSky○eで、動画付きの会話をすることも可能。


 今表示されている絶は、ゲーム外からS○ypeで俺に連絡を入れてきたわけだ。



 そして絶が怒っている理由が、俺には一つしか思いつかない。


 俺はその場で、ザ・土下座を行った。


「すまない、絶。だがどうしても必要で課金してだな……」

「ジロー」

 土下座する俺に、絶の鋭い視線が突き刺さる。


「昼飯を数日食べないくらいで、何とかなるはずだ。だ、だから許して……」

「あのね、今月どれだけピンチだと思ってるの。それなのにまたお金を使って。お昼ごはん食べなくていいって言っても、仕事の間フラフラして力が入らないから大変じゃない!

 それにジローには経済感覚ってものがないの?そんなのだから、いつまでたっても独身から抜け出せないで……」


 その後俺は、絶に滅茶苦茶お説教された。


 というか絶。まるでダメな子供を叱る母親か、でなければダメ亭主をしかりつける奥さんみたいな説教は勘弁してください。

 俺の豆腐メンタルの心が折れちゃう。


後書き



Q.スレイ(の中の人)はダメ人間ですか?


A.ダメ人間です。

 スレイの外見がイケメンなので、作者が親切心(やっかみ)で、内面のダメさぶりを日々強化してあげてます。

 次郎という人が、そのせいで被害を受けているようですが、これは軍事的に致し方ない被害。コラテラルダメージという奴です。

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