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希望と絶望の果てに

この世に希望なんてない2ndSTAGE-2ndDAYS


『はぁ、なんでこうなった』

俺は心の中でうんざりしながらそう思った。

俺の隣には男子にチヤホヤされている凛花がいる。

ここまでなら容姿(胸以外)が完璧な奴と一緒に入れるから最高な訳だが...

後方からの葉月達の視線が痛い‼︎

あいつらはどうにかしてペアの人と別れ、俺と凛花の行動を観察してきたらしい。

『はぁ...』と俺は思わずため息をついてしまった。そしたら凛花が

『どうしたの?清吾君?

やっぱり私じゃ嫌だった?』

凛花が俺を上目遣いで見てきた

『そんなことないさ、そんなことないんだけど...』


『もしかして、他の女の人見てるの〜⁇

ダメだよ‼︎今日は私達だけで行動してるんだから他の人に目移りしちゃ‼︎』

凛花が俺のほっぺたをつつきながら不機嫌そうに言ってきた。


『それは断じてないから‼︎

てかさ、折角お互い水着に着替えたんだし泳ぎに行こうぜ⁉︎』

俺は誤魔化すように焦りながら言った。


『ふ〜ん⁇まぁ、いっか!

それじゃ泳ぎに行こう?』

俺は手を惹かれながら凛花に着いて行くと

『あの〜、凛花さん⁇』

『なんでしょうか、清吾君⁇』

『今俺らが並んでる所って...

このものすごく高いウォータースライダーだよな?』

『うん、そうだよ‼︎

園内のジェットコースターの次に高いウォータースライダー

《デビル•マウンテン》です‼︎』


凛花が目をキラキラさせて楽しそうに言ってるが実は俺は極度の高所恐怖症なのだ‼︎

だがここは男として、女の子にかっこいい所を見せてやる‼︎

...とは粋がってみたもののやっぱムリ‼︎

どんどん、階段を上がっていく内に心臓がバクバクして止まなかった

凛花はやはり期待で胸を高鳴せているようだった

そして‼︎ついに俺達の番が来てしまった‼︎


『いよいよ私達の番だね‼︎

清吾君‼︎』

『うん、そうだな...』

この時点で俺はもう死にそうだった

『もしかして...

清吾君って高所恐怖症⁉︎』

『そんなことは断じて無い‼︎』

やっべ、何言ってんだよ俺ー‼︎

『そう?なら良かった!

それじゃあ、一緒に楽しもう?』

そうこうしてる間にスタンバイは完了した

凛花が前で俺が後ろという

最高なポジションだが、今の俺には

電気椅子にしか思えなくなってた。

そして、運命のカウントダウンが

プールのスタッフによって今言い離れた‼︎

『3、2、1、いってらっしゃー

い!』



最初はなだらかな坂で下ってたが、

徐々に急になった、

最終的には60度ぐらいの坂を猛スピードで駆け抜けて行った。

凛花はもちろん

『きゃぁぁぁぁ‼︎』

と黄色い悲鳴を上げていたが

俺は

『ぎゃぁぁぁぁ、落ちるぅぅぅ⁉︎』

と本当の悲鳴を上げながら半ば放心状態だった。

ほとんど俺は死んでたがもう終わりの時、

唐突に両手に柔らかい感触がし、

凛花から

『ひゃい⁉︎』

という声がしたので手元を見てみると俺は凛花のあの小さい物を両手で鷲掴みしていた。

そしてそのまま、ウォータースライダーのゴールに到着‼︎

到着したら速様凛花は俺に向かって来て

『清吾君のバカァァァァ‼︎』

と俺は凛花に半泣きでビンタされながら言われた。



『痛ってぇ、まだヒリヒリしやがる』

『清吾君がエッチなことするからでしょ‼︎』

『いやいや、あれは不可抗力だ‼︎

悪気があってやった訳じゃない‼︎』

『でも、これで清吾君の弱点一つ見つけちゃた‼︎

清吾君って高所恐怖症なんだね‼︎』

『えっと、まぁはい、そうです』

『それじゃ、次に向こうの遊園地行こうよ?

そして、色んな高い乗り物乗りに行くよ!』

『あの〜、凛花さん⁇

俺って高所恐怖症だって今言ったばっかだよな⁉︎』

『だって、清吾君。

私にあんなことしたんだから、

当然責任はとってもらわなきゃ‼︎』

俺は自分自身が砂になっていくのをそこで確信した。



まず、遊園地に行く前に水着から着替え、

そして、その後は走馬灯のように駆け抜けて行った。

乗った物はジェットコースター、空中ブランコ、フリーフォールetc...

どれもこれも高所恐怖症の俺をビビらせる代物だったがそんなかでも一番ビビったのが観覧車だ‼︎

普通の奴からみたら『は?あんなんでビビんないよ⁉︎』と思うだろうが

俺は極度の高所恐怖症だ‼︎

あんなのは箱に閉じ込められてどんどん上に上がって行く悪魔の箱だ‼︎

凛花はそんな俺を見てクソ笑ってた

『やべぇ、本当に死にそうだ..』

『も〜、しっかりしてよ‼︎

男なんだから‼︎』

『そうは言われてもさ...

あ、そうだ‼︎

あそこに

オバケ屋敷《パンドラ•ハウス》があるみたいだから行って見ようぜ!』

『え⁉︎あそこに行くの...?』

『あれ〜?凛花ってジェットコースターとかは平気なのにオバケ屋敷はダメなのか⁇』

『そ、そんなことないよ

も〜、そんなに疑うなら早く入ろうよ‼︎』

と上目遣いで半泣きしながら言ってきた

俺はここで不覚にも

『やばい、凛花ってこんなに可愛いかったけ⁉︎』

と思った。



そして、オバケ屋敷に入るといきなり凛花が俺の腕を握り締めてきた。

少し、凛花の小さい胸から俺と同じ不安の鼓動が腕を伝って感じとれた

歩いて行くとゾンビ(中身は人間)が俺達に向かって走ってきた

俺は極度の高所恐怖症なだけで怖がりではない

対して、凛花はオカルトじみた事が苦手らしく、ゾンビが向かってきた瞬間俺の腕をもっと強く握り締めてきて、

『きゃぁぁ‼︎あっちに行ってぇぇ‼︎』

とても女の子らしい悲鳴を聞かせてくれた

やっとの思いでゴールについたが、

凛花はまだ俺の腕を握り締めていて子犬みたいにブルブル震えてた

『こ、怖かったね清吾く、君』

『凛花ってオカルトじみた奴は苦手なんだな

でも、これでおあいこだ

俺は極度の高所恐怖症がバレて、

凛花はオカルトが苦手だということがわかったな!』

『も〜う、清吾君のバカ!』



そういや、親衛隊はどうなったのかと俺は後ろを振り向くと、

そこには凶器を振りがざそうとしてる親衛隊の姿があった‼︎

俺はまた自分が砂になっていくのをそこで確信した‼︎



当然の事に俺は葉月達親衛隊に呼び出されて

めちゃくちゃボコボコにされたw

『てか、もう良いだろうがよ‼︎

さっさと自分達のパートナーの所に戻りやがれー‼︎』

『よし、わかった。

だがな次あんな事やったら殺すからなw』

親友が恐れる存在になった瞬間だった‼︎

『わかった‼︎わかったから‼︎

それじゃあな‼︎凛花を待たせてんだ』

『リア充爆ぜろ‼︎』

葉月達(親衛隊達)が口揃えて俺に怒鳴ってきた

『別に俺はリア充じゃねぇよ‼︎』

非リア充宣言をし凛花の所へ戻った。



『あっちで葉月君達と何話してたの清吾君?

なんか葉月君達怒ってたけど?』

『なんでもないさ』

ともっともらしい大嘘をついた

『ふーん、ねぇ聞いていい?

清吾君って好きな人いるの?』

凛花が俺に聞いた瞬間


『きゃぁぁぁぁぁぁ‼︎』

と女の人の悲鳴が俺達の後方から聞こえたので振り返ると、

そこにはナイフで胸を数箇所刺された男の人の姿と黒服の1人の男がいた。



そしてその後俺と凛花と20名ぐらいの通行人の周りを10人ぐらいの黒服パーカー達が囲んだ。

その中の黒服のリーダー格みたいな

1人をAとしよう

そのAが俺達に向かって

『あー、聞こえるか?

この平和ぼけしたクソ野郎どもが。

このアミューズメントパークは

我ら『サーカス』が占拠した。

良いか、てめえらが妙なことをしたらこの女の身の前だ。

死にたくなかったら女と子どもは近くの男らの携帯を持って俺らの所へこい、以上だ。』

俺の楽しく思えた日常がそこでバラバラに崩れる音がした。



現在俺とクラスメイトとその他の客、従業員、計1000人ぐらいは屋内にある大きいホールに集めさせられている。

もちろん全員ロープで手を縛られていて、携帯を奪われた、

そして俺らの周りを例の『サーカス』という輩が100人ぐらいの体制で囲んでいる。

周囲から不安の声がチラホラ聞こえるようになった。

すると隣の凛花が震えながら

『ねぇ、清吾君。

これってドッキリか何かだよね?』

『だと良いんだがな。

だけどあいつらの目付きを見る限りそうじゃないと思う。』

『清吾君、本当に私達無事に帰れるかな?』

その問に俺は答えることは出来なかった。

確かに俺はあの夜の惨劇で『X因子による能力』を手に入れた。

それを使えばこの状況を抜け出せる

と思う。

だが、あの日以来俺はいくら記憶をたどっても発動条件を思いださせずにいた。

あの能力は今の俺では使えることは出来ない。

だから答えることが出来なかった。



テロリストの目的がわからず拘束された、数分後

そのAは携帯を取り出しどこかへと電話を掛けスピーカーモードにした。

その電話を掛けた相手はAによってすぐにわかった。

『もしもし?木沼創一さんよぉ?

現総理大臣兼どっかの校長さんかな?』


あの残虐な校長だった。

「君は誰だ?なぜ私が校長というのを知ってるのかな?」


『校長ということはビンゴか。

なぜ知ってるか?

テメェの内閣の議員にワイロを渡したら即教えてくれたよ‼︎

いや〜あんたの内閣は団結力がないね〜』


「それがどうした?

私にとってそんなことはデメリットにはならんぞ?」


『だろうな。

そんじゃ要件は一つだ。

X因子のことを何もかも教えろ。』


急に校長の声色がまるで獲物を捕食するようなに変わった。

「どこまで知ってる?

私が研究者だった時からか?

はたまた私が能力を発現させる方法を見つけた時からかな?」


『いや〜、

今あんたの口からそんなことを聴けるなんてね〜

んじゃ、まぁ本題の一つである能力の発現はどうやって出来る?』


「なんだ、そんなことか。

それじゃあ、スピーカーモードをやめてくれないかな?

気が散るのでね。」


『わかった。』

Aと校長の話はそれ以来聞こえなかった。

そして通話が終了するとAは笑みを浮かべながら部下達に向かって

『テメェら俺達の読みはどうやら当たってようだ』といった。

部下達はその一言で発狂した。

中には

『俺らサーカスの苦労がやっと果たせるぞ‼︎』

と叫ぶ者もいた。



その後Aは俺らに対してあざ笑いながらいった。

『ありがとうなぁぁ‼︎

テメェらの犠牲により俺達はこの腐った世界を変えることが出来る‼︎

と、いうわけでー

殺させていただくよ?』


反発するかのように大柄な男が

『どういうことだ‼︎

なぜ俺達がお前らに殺されなきゃいけないんだ⁉︎

教えろぉぉぉ...⁉︎』


突如として銃声が鳴り響きその男の腹は撃ち抜かれていた。

『無慈悲なサーカスの開演です。』

とAが銃を持ち不気味な笑みを浮かべながら言うと部下達が

一斉にライフル銃をセットし、俺達に向かって一斉射撃を開始した。


たった10秒間だった。

それで3分の1は死んだだろう。

『清吾君‼︎大丈夫だった⁉︎』

凛花と俺はかろうじて壁際にいたので銃弾は当たらなかった。

『あぁ、無事だ。

だから俺から離れるなよ‼︎』

さっきの銃撃で銃弾がちょうど縄に当たってほどけたのが不幸中の幸いだった。

『清吾君聞いても良いかな?

葉月君達は生きてると思う?』

『さぁ、どうだろう?

生きてては欲しいけどこの状況を見ると生きてるのは奇跡的だな。

だが今は2人で助かるのが先だ‼︎』

と言い凛花の手を離さないように強く握った。

それはこのどこもかしこも血しかないのを見たからこそ言えたセリフだった。


やはり神様は俺達を嫌っているようだ。

俺と凛花は背後からAと部下2人組に拘束された。

『2名様地獄へごあんな〜い』

『くそっ‼︎離せ‼︎』

と俺は振り払おうとしたが2人組の力が強過ぎて出来なかった。

『なぁ?お前らどちらから殺りたい?』

Aが部下達に聞くと2人揃って

『どっちでも良いっすよ。

どちらにせよ殺ることには変わりないんですから。』

『そうか、んじゃ俺が勝手に決めさせてもらうよ〜』

まるでショッピングしている様に

俺ら2人どちらを殺すか選んでいた。


俺はこの時零次のことを思い出していた。

それはもう後悔だけだった。

だから俺は決めた。

もう友達は失うわけにはいかない。


『俺から殺れ。』そう俺は呟いた。

『ああん?お前今なんて言った?』

『だから...

俺を殺せって言ってんだよォォォォォォォォォォォォォォ‼︎‼︎‼︎』

それを聞いて一番驚いていたのは凛花だった。

そして凛花は涙を流しながら

『清吾君ダメだよ‼︎

希望を捨てないで‼︎それにあの返事を聞いて無いよ‼︎』

俺は笑って

『ごめんな。

もちろんあの時の答えはお前が一番大好きだ。』


『良い物を見せてもらいました。

ではお返しにあなた方に最高の絶望を与えましょう‼︎』

Aは笑みを浮かべ俺ではなく凛花の額に銃口を突きつけた。

『ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎

なぜ俺じゃない‼︎

凛花を殺すなぁぁぁぁぁぁ‼︎』

『だーかーらー

これこそ最高の絶望ですよ‼︎

愛する人を守れない絶望その後に自分が殺されるという絶望‼︎

なんて最高なんだ‼︎

これで私は能力を手に入れたも同然‼︎

さぁ、show time‼︎』

とAは引き金に手を掛けた。

『凛花ぁぁぁぁぁ‼︎』

また俺は守れないのか?

零次の時の様にまた大事なものを失うのか?

そんなのはダメだ‼︎

だが俺には力はあるがそれを使うことが出来ない。

俺は雑魚だ、何も守れない奴だ。

カミサマお願いだ、俺はどうなっても良い。

だから、だから‼︎

凛花を、大切な人を守る力を俺にくれぇぇぇ‼︎

《その願いは本当か?》

唐突にあの時能力を初めて使った時の声が聞こえた。

『本当だ‼︎』

《受け入れるのか?

あの校長の力を?》

『この際、そんな事はどうでも良い‼︎

俺はただ大切な人を守る力が欲しいだけだ‼︎』

《自分の体を犠牲にしてもか?》

『守れるならいくらでも‼︎』

《良かろう、

本当の意味で私を使え東条清吾‼︎》

『flame、殺るぞ。』


Aが引き金を引こうとした瞬間、

俺はあの時の能力解除コードを叫んだ。

『コードflameインストォォォール‼︎

継承モデルを両腕へ‼︎』

すると俺の両腕から炎が爆発するように吹き出し俺を拘束していた2人組を殺った。

とっさにAが銃を持っている右腕を右手から炎を噴射し、切り落とした。

そのまま拘束されていた凛花を抱えた。

『もう、大切な人は失わない。

だからもう離さない。』

凛花が今度は泣きながら満面の笑みを浮かべて

『私ももう離さないよ。清吾君』


彼が見つけたのは一筋の希望の光だった。


どうもYONAです‼︎

今回はいつもより長く書いた結果

更新速度が遅くなりました。

まぁ、一言で言うと疲れました。

今回はこの辺で

では次回も楽しみにしてて下さい

では‼︎

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