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え?何で自分は良くて、私はダメなの?

作者: 井上さん
掲載日:2026/08/07

名前を借りました


フィクションです

 私メティスとの約束をキャンセルして、病弱な幼馴染アマルテアの見舞いに行く婚約者アドラステア。




 なら、私も、病弱な幼馴染のお見舞いに行こっと♪




 きらびやかな王宮の夜会。

大広間で、婚約者アドラステアが叫んだ。

隣にはちゃっかりとアマルテアがいる。


「この浮気者め!」


 自己紹介かな?


「自分の事を、理解しているようでなによりです」


 私は言った。


「は?」


「幼馴染の見舞いに行ったら、浮気なのでしょう?ご自分の事では?」


「私は純粋に見舞いに行っているのだ。お前とは違う!」


 純粋じゃない見舞いとは?


「私は、貴方との約束を破ってまで見舞いに行ってはいませんよ。貴方が見舞いに行ったから、私も見舞いに行ったまで。どこが悪いんですか?」


「アマルテアは大切な幼馴染なんだ!」


「私の幼馴染も大切な人です。それに従兄弟ですので、何も問題はありません」


「はぁ?」


「そもそも、見舞いに行った私に文句を言うなら、貴方も見舞いには行かないでくださいね」


「うるさい!」


 都合が悪くなると怒鳴るんだから。


「婚約者より、赤の他人の幼馴染の方が大切なのでしょう?それなら婚約解消して、大切な幼馴染を存分に見舞えば良いのです」


「はぁ?大事な契約があるんだぞ!」


 おまいう。


「大事な契約をしている我が家と私を蔑ろにし、幼馴染を大切にしている貴方が言うのですか?」


「生意気な!」


 言い返せないんだね。正論だから。


「そもそも、幼馴染は何の病気なのですか?」


「し…心臓の病だ」


 ほうほう。心臓の病ですか。

気不味そうにするアマルテア。


「夜会で元気に踊れるのに?」


「は?」


「昨日の夜会で踊ってましたよね貴方達」


 私、黙って見てました。

そして、今、周りにいる貴族達も見ていました。

同じ招待客なので。

挙句の果てに、今日もです。


「先程も踊っていましたよね」


「…っ!」


「私の従兄弟も心臓を患っているのですが、ダンスなんて踊ったら、発作で死んでしまいますよ」


 なのに、普通に踊ってましたよね。アマルテアは。


「3回も踊ったのでしょう?」


「…」


 目が泳いでいますよ2人共。


「しかも、婚約者同伴で招待された夜会で」


 おかしいなぁ…婚約者って誰だったかなぁ?


「一体どんな教育を受けたのですか?」


「わ、私は良いのだ!お前が男の見舞いに行くのが悪いのだ!」


 何ですと?


「え?何で自分は良くて、私はダメなのですか?」


「は?」


「貴方が赤の他人の女の見舞いに行って許されるなら、私が従兄弟の見舞いに行っても許されるでしょう」


「お前は私の婚約者なのだぞ!婚約者らしくしろ!」


 おまいう再び。


「婚約者の私との約束を、幼馴染の見舞いに行くからとキャンセルした人が、婚約者らしいのですか?」


「私は良いんだ!」


「どうして私は病人の見舞いに行ってはいけないんですか?」


「お前は私の婚約者だからだ!」


「何故貴方は良いのですか?」


「病人の見舞いだからだ!」


 めちゃくちゃだなぁ…


「夜会でダンスを踊れる病人ですか」


 私は肩を竦めた。


「うるさい!私の言う事を聞け!聞けないなら婚約破棄だ!」


 あ、言い負けた人のセリフだ。

そして、待ちに待った婚約破棄がキター!!


「ありがとうございます!婚約破棄しましょう!貴方が言い出したんです!すぐにしましょう!」


 私は、さっさと邸に帰り、両親に婚約破棄と言われたと報告した。


両親は、すぐにアドラステアの邸に行き、婚約破棄の手続きをした。まだ、アドラステアは帰っていないらしい。


 浮気相手の病弱な幼馴染とお幸せに。






「テーベ兄様と結婚して、イオ兄様の領地経営を手伝うわ!」


 テーベ兄様は、私が見舞いに行った幼馴染で従兄弟。イオ兄様は、テーベ兄様の兄。


「良いのか?俺は何もできないぞ」


 テーベ兄様が困ったように言った。


「テーベ兄様と一緒にいたいの。私じゃダメ?」


 可愛く見えるように、首を傾げた。


「お前が望むことは、何もできないぞ」


 抵抗するテーベ兄様。


「テーベ兄様のそばにいたいの。それが私の望みよ」


「でも…子どもだって望めないぞ」


 ごちゃごちゃ言うテーベ兄様に、ハッキリと言った。


「兄様!私と一緒にいたいの?いたくないの?どっち!?」


「…一緒にいたい…」


 テーベ兄様は、俯きながら言った。

はい!言質取りました!


「じゃあ、結婚しましょう!」


「…何か…格好つかないな…」


 それもそうか。


「じゃあ、兄様から言って」


 私は、期待の眼差しで、テーベ兄様を見た。


「…結婚してください」


「はい!」


 私とテーベ兄様は結婚して、領地に住み、跡継ぎのイオ兄様と領地の経営を手伝った。



 王都より空気が良いのか、テーベ兄様は発作もなく過ごした。


元より、ベッドの上で書類仕事を手伝っていたから、今までと変わらない。

 

 それが、私と一緒にいる事で、相談したり、気分転換したり、良い方に向かっていた。


私は、小さい頃から遊んでもらって、大好きなテーベ兄様に大切にしてもらい、幸せに過ごした。




 ちなみに、元婚約者アドラステアと浮気相手アマルテアは、病弱だと嘘の理由で何度も会い、婚約者を蔑ろにした事で、社交界から冷たい目で見られ、社交界から消えていったらしい。


知らんけど。


読んでいただきありがとうございます

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― 新着の感想 ―
そもそもなんで婚約させたのよ、こんなアレと
( 」゜Д゜)」<知らんけどーー!
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