表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱き剣聖と銀星の守護者  作者: 忘れな草
第1章 邂逅編
15/19

第14話 格の違い

■ ギルド訓練場


 朝の空気は澄んでいた。


 だが。


 訓練場の中は違う。


 金属音。


 掛け声。


 足音。


 すべてが混ざる。


「ここか」


 カゲトが周囲を見る。


 広い。


 そして。


(強いな)


 いるだけで分かる。


 見習いとは違う。


■ リオの視点


「……多いな」


 リオが小さく言う。


「見てるだけでも分かる」


「何が」


「動き」


 視線は訓練中の冒険者。


「無駄少ないやつ、強い」


 その言葉に。


 カゲトは少しだけ頷く。


■ カゲトの試合


「次」


 呼ばれる。


 相手は大柄な戦士。


 明らかに格上。


「見習いか」


 軽く笑う。


「潰すなよ」


 周囲の声。


 だが。


 カゲトは構える。


(削る)


 それだけ。


「来い」


 踏み込み。


 重い。


 速い。


 だが。


 直線。


 半歩ずれる。


 受ける。


 流す。


 弾かない。


 力を使わない。


「ちっ……!」


 崩れる。


 一瞬。


 踏み込む。


 最短。


 止める。


 喉元。


■ 静止


 沈黙。


「……なんだそれ」


 相手が呟く。


 勝利。


 だが。


(まだ遅い)


 カゲトは剣を下ろす。


 満足はない。


■ 評価


「面白いな」


 周囲の声。


「力使ってねぇぞ」


「全部流してる」


 ざわめき。


 初めて。


 “評価”が混じる。


■ ステラの番


「次、私」


 軽い声。


 ステラが前に出る。


 相手は中堅。


 余裕の構え。


「いくよ」


 一瞬。


 空気が変わる。


 踏み込み。


 速い。


 重い。


 魔力が乗る。


 受けきれない。


 剣が弾かれる。


 そのまま――


 止まる。


 喉元。


■ ざわめき


「……は?」


「今の見えたか?」


 明らかに違う。


 見習いではない動き。


「……経験不足だな」


 指導役が言う。


 だが。


 評価は変わっていた。


■ リナの番


「……やる」


 リナが出る。


 相手は同格。


「速いだけじゃ無理だぞ」


 軽く言われる。


 リナは何も言わない。


 消える。


 一瞬で距離を詰める。


 速い。


 完全に速い。


 だが。


 浅い。


 当てきれない。


 決めきれない。


「軽いな」


 相手が言う。


 反撃。


 ギリギリで避ける。


 だが。


 崩せない。


■ 介入


「そこ」


 リオが小さく言う。


 位置。


 わずかな死角。


 リナが動く。


 角度を変える。


 一瞬、崩れる。


 そこに――


 カゲトが入る。


 止め。


■ 連携成立


「……なるほど」


 指導役が呟く。


「崩して、決めるか」


 シンプルな構造。


 だが。


 機能していた。


■ 終了後


「……遅い」


 リナが言う。


「……軽い」


 カゲトが返す。


 短い応酬。


 だが。


 否定ではない。


■ ステラのまとめ


「いいじゃん」


 ステラが笑う。


「形できてるよ」


「……形?」


 リオが聞く。


「うん」


 指を折る。


「リナが崩す」


「カゲトが決める」


「私は削る」


「リオが読む」


 シンプルな整理。


■ 気づき


 全員が少しだけ黙る。


 言語化された。


 自分たちの役割が。


■ 終わり


 訓練場を出る。


 空気は軽い。


 だが。


 確実に変わっていた。


(……戦えるな)


 カゲトは思う。


 まだ未完成。


 それでも。


 形はできた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ