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弱き剣聖と銀星の守護者  作者: 忘れな草
第1章 邂逅編
14/19

第13話 街の中の距離

■ ミザール中央通り


 人の流れは止まらない。


 声。


 匂い。


 音。


 すべてが混ざる。


「……多いな」


 カゲトが呟く。


「慣れれば平気だよ」


 ステラは軽い。


 対照的だった。


■ リオの仕事


「止まって」


 リオが言う。


「……どうした」


「前、詰まる」


 視線は先。


 人の流れが不自然に止まっている。


「右から行こう」


 即断。


 カゲトは従う。


 数秒後。


 後ろで騒ぎが起きる。


「……盗みか」


 カゲトが振り返る。


「巻き込まれてた」


 リオは淡々と言う。


■ 評価


「助かるね」


 ステラが笑う。


「……まあな」


 リオは少しだけ目を逸らす。


「見てるだけだし」


「それが大事」


 即答。


 否定しない。


 それだけで、十分だった。


■ リナの距離


 少し後ろ。


 リナは一歩離れて歩いている。


 壁際。


 視線は常に周囲。


(……警戒強いな)


 カゲトは気づく。


■ 接触


「ねえ」


 ステラが声をかける。


 リナが少しだけ反応する。


「なに」


「疲れない?」


「別に」


 短い返答。


 だが。


 完全拒絶ではない。


■ 観察


「さっきの動き」


 ステラが続ける。


「速いね」


「……普通」


「いや、かなり」


 ステラは素直に言う。


「でも」


 一拍置く。


「軽いよね」


■ 指摘


 リナの目がわずかに細くなる。


「軽い?」


「うん」


「当てきれてない」


「削りきれてない」


 その言葉。


 リナは黙る。


 図星だった。


■ リナの本音(薄く)


「……分かってる」


 小さく呟く。


 初めてだった。


 否定しなかったのは。


■ カゲト視点


(似てるな)


 カゲトは思う。


 自分と。


 方向は違う。


 だが。


 足りないものを理解している。


■ 小さな事件


 その時。


「きゃっ!」


 声。


 少女が倒れる。


 荷物が散らばる。


「……行く」


 カゲトが動く。


 リナも同時に動く。


■ 役割の差


 カゲトは荷物を拾う。


 リナは周囲を見る。


 視線。


 逃げる影。


「……あっち」


 短く言う。


 リオが反応する。


「行ける」


 追う。


■ 連携(未完成)


 リナが先行。


 速い。


 だが。


 単独。


「待て」


 カゲトが声をかける。


 届かない。


■ 回収


 結果。


 リナが盗人を追い詰める。


 だが決めきれない。


 そこに。


 カゲトが追いつく。


 最短で制圧。


■ 終了


「……遅い」


 リナが言う。


「……単独で突っ込むな」


 カゲトが返す。


 空気が少しだけ張る。


■ 緩和


「まあまあ」


 ステラが割って入る。


「今のいい連携だったじゃん」


「……どこが」


 二人同時に言う。


「最後」


 ステラは笑う。


「崩して、決めた」


 シンプルな説明。


 だが本質だった。


■ 気づき


 リナは少しだけ考える。


「……あんたが決めるのか」


 カゲトを見る。


「状況次第だ」


「……ふーん」


 完全な納得ではない。


 だが。


 理解はした。


■ 戻る


 少女に荷物を返す。


「ありがとうございます!」


 笑顔。


 感謝。


 それを見て。


 四人は少しだけ空気が緩む。


■ 終わり


 再び歩き出す。


 距離が、少しだけ近い。


 まだ噛み合っていない。


 だが。


 方向は揃ってきている。


(悪くない)


 カゲトは思う。


 このパーティ。


 まだ未完成だが――


 形にはなり始めている。

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