第13話 街の中の距離
■ ミザール中央通り
人の流れは止まらない。
声。
匂い。
音。
すべてが混ざる。
「……多いな」
カゲトが呟く。
「慣れれば平気だよ」
ステラは軽い。
対照的だった。
■ リオの仕事
「止まって」
リオが言う。
「……どうした」
「前、詰まる」
視線は先。
人の流れが不自然に止まっている。
「右から行こう」
即断。
カゲトは従う。
数秒後。
後ろで騒ぎが起きる。
「……盗みか」
カゲトが振り返る。
「巻き込まれてた」
リオは淡々と言う。
■ 評価
「助かるね」
ステラが笑う。
「……まあな」
リオは少しだけ目を逸らす。
「見てるだけだし」
「それが大事」
即答。
否定しない。
それだけで、十分だった。
■ リナの距離
少し後ろ。
リナは一歩離れて歩いている。
壁際。
視線は常に周囲。
(……警戒強いな)
カゲトは気づく。
■ 接触
「ねえ」
ステラが声をかける。
リナが少しだけ反応する。
「なに」
「疲れない?」
「別に」
短い返答。
だが。
完全拒絶ではない。
■ 観察
「さっきの動き」
ステラが続ける。
「速いね」
「……普通」
「いや、かなり」
ステラは素直に言う。
「でも」
一拍置く。
「軽いよね」
■ 指摘
リナの目がわずかに細くなる。
「軽い?」
「うん」
「当てきれてない」
「削りきれてない」
その言葉。
リナは黙る。
図星だった。
■ リナの本音(薄く)
「……分かってる」
小さく呟く。
初めてだった。
否定しなかったのは。
■ カゲト視点
(似てるな)
カゲトは思う。
自分と。
方向は違う。
だが。
足りないものを理解している。
■ 小さな事件
その時。
「きゃっ!」
声。
少女が倒れる。
荷物が散らばる。
「……行く」
カゲトが動く。
リナも同時に動く。
■ 役割の差
カゲトは荷物を拾う。
リナは周囲を見る。
視線。
逃げる影。
「……あっち」
短く言う。
リオが反応する。
「行ける」
追う。
■ 連携(未完成)
リナが先行。
速い。
だが。
単独。
「待て」
カゲトが声をかける。
届かない。
■ 回収
結果。
リナが盗人を追い詰める。
だが決めきれない。
そこに。
カゲトが追いつく。
最短で制圧。
■ 終了
「……遅い」
リナが言う。
「……単独で突っ込むな」
カゲトが返す。
空気が少しだけ張る。
■ 緩和
「まあまあ」
ステラが割って入る。
「今のいい連携だったじゃん」
「……どこが」
二人同時に言う。
「最後」
ステラは笑う。
「崩して、決めた」
シンプルな説明。
だが本質だった。
■ 気づき
リナは少しだけ考える。
「……あんたが決めるのか」
カゲトを見る。
「状況次第だ」
「……ふーん」
完全な納得ではない。
だが。
理解はした。
■ 戻る
少女に荷物を返す。
「ありがとうございます!」
笑顔。
感謝。
それを見て。
四人は少しだけ空気が緩む。
■ 終わり
再び歩き出す。
距離が、少しだけ近い。
まだ噛み合っていない。
だが。
方向は揃ってきている。
(悪くない)
カゲトは思う。
このパーティ。
まだ未完成だが――
形にはなり始めている。




