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弱き剣聖と銀星の守護者  作者: 忘れな草
第1章 邂逅編
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第12話 影の速さ

ミザール裏路地


 日が傾き、街は少しずつ騒がしさを増していた。


「この辺、少し空気悪いね」


 ステラが周囲を見渡す。


「裏側だからな」


 カゲトは短く答える。


 建物の影が濃くなり、人通りもまばらになる。


「……来る」


 リオが小さく言った。


「今度は?」


「人」


 その直後。


「やっと見つけた」


 声が響く。


 路地の奥。


 一人の少女が立っていた。


 黒い装束。


 短剣を逆手に持っている。


「リオ」


 まっすぐに名前を呼ぶ。


「……なんだよ」


 リオの声が少し硬くなる。


「勝手に消えるな」


「関係ねぇだろ」


「ある」


 短い言葉。


 少女の視線が、カゲトたちへ移る。


「そいつら?」


「……別に」


 警戒。


 空気が張り詰める。


初動


 次の瞬間。


 少女が消えた。


「っ――!」


 速い。


 カゲトが反応する。


 金属音。


 短剣が弾かれる。


「……へぇ」


 少女がわずかに笑う。


「今の止めるんだ」


「いきなり来るな」


 カゲトは間合いを取る。


 ステラも構える。


リナの動き


 少女が再び動く。


 今度は横。


 死角。


 踏み込みが軽い。


 音がない。


「……速い」


 ステラが呟く。


 だが。


 攻撃は浅い。


 急所を外している。


「当ててない?」


「違う」


 カゲトが言う。


「当てきれてない」


交錯


 カゲトが踏み込む。


 だが、届かない。


 少女は既にいない。


 背後。


 振り返る。


 いない。


 横。


 いる。


「っ……!」


 距離を取る。


 翻弄される。


「……面白い」


 少女が呟く。


「でも」


 その動きが、わずかに鈍る。


 呼吸。


 ほんの少し乱れる。


ステラの対応


「そこ!」


 ステラが魔力を込める。


 放つ。


 少女が避ける。


 だが。


 着地の一瞬。


 止まる。


「今だ」


 カゲトが動く。


 最短距離。


 剣が止まる。


 喉元。


 あと一歩。


「……やるじゃん」


 少女は動かない。


 負けを認めるように、軽く手を上げる。


静止


 静寂。


「……終わりか」


 カゲトが剣を下ろす。


「最初から本気じゃないでしょ」


 ステラが言う。


「当然」


 少女は肩をすくめる。


「殺す気ないし」


 リオが口を開く。


「リナ」


「なに」


「やめろって言ってんだろ」


「確認しただけ」


 リナと呼ばれた少女は言う。


「使えるかどうか」


評価


「で?」


 リオが聞く。


「どうだった?」


 リナは少しだけ考える。


「前のよりマシ」


「……それ褒めてんのか?」


「一応」


関係の変化


 リナの視線がステラに向く。


「そっち」


「え?」


「重い」


「重い?」


「動きが」


 ステラは少しだけ考える。


「……確かに」


「でも火力はある」


「それも分かる」


 短いやり取り。


 だが、否定ではない。


リオとの関係


「で」


 リナがリオを見る。


「なんでそいつらといるの」


「……別に」


「弱いじゃん」


「うるせぇ」


 リオが反論する。


「でも、見るのはできる」


 リナは少しだけ目を細める。


「……知ってる」


「昔からそう」


 短い言葉。


加入の流れ


「一緒に来る?」


 ステラが自然に言う。


「え?」


 リオが驚く。


「面白そうだし」


「……どうする」


 リナは少しだけ考える。


「……しばらくなら」


 短い返答。


「いいよ」


余韻


 四人になる。


 まだ噛み合っていない。


 だが。


 バランスは取れている。


(速さか……)


 カゲトはリナを見る。


(崩す役だな)


 ステラも同じように見ていた。


(あの速さ……)


(私に足りないものだ)

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