2話 一般攻撃魔法撃つのに時間かかり過ぎた
時はかなり進み
俺は転生して5年目、年齢は5歳になった。
赤ちゃん時代のように気持ち悪く接してくることは無くなったが
今でも時々親バカさを感じる。
5年経った今俺はこの世界の仕組みを完全に理解していた。
この世界は言ったら異世界で魔法や、魔王、勇者とかそういった
ファンタジーな要素が詰め込まれた世界だった。
俺はそんなチート能力とか最強魔法とか使えるはずもなく
この世界に来ても俺は木偶の坊のままだった。
俺は父に教えられた簡単な一般攻撃魔法がまず使えなかった。
そんな俺を父は叱ることなく俺に教え続けてくれた。
齢2歳から練習を始めて早3年。
俺はそろそろ心が折れかけていた。
というか俺の心はボロボロだァ。
なんだか最近は父に教わるのも億劫になり俺はこの屋敷にいた
爆美女メイドさんと顔がいいクズな執事に教えてもらう事にした。
「アルト様。攻撃魔法が打てなくても生きていけますんでめげずに‥ね」
多分この人は優秀な人なんだろう。5歳までに魔法はいくつか使えたような優等生。
比べて俺はまだ使えないような劣等生。マジかこいつ みたいな表情が隠せてないぞ爆美女メイドさん。
「アルト君今何歳?……5歳かぁ〜なら大丈夫ですってまだまだ気長くやっていきましょう〜俺も最初はそうでしたから〜」
タバコ吸ってんじゃねーよ。こいつ女殴ってそうだな。顔はいいくせに。
こいつらは父親とは違い多分俺に才能がないことがわかったのだろう。だからああやって甘い言葉で俺を騙そうとしてるんだ。
けど父親は違った。
「もう一回やろう。さっきのは惜しかった。もっと杖に魔力を集中させるんだ。そうその調子。」
ずっと俺の身長に合わせてしゃがんで、諦めずに俺に教えてくれた。
本当に神様の化身のような優しい父だった。
しかし一週間後。
「アルト、魔法使えるようになりたい?」
学校の面談のように父は優しく俺に話しかけた。
もちろん、使えるようになりたい。
多分この世界で一般攻撃魔法が使えないのは俺だけだ。
また前世のようなクソ野郎にはなりたくなかった。
「アルト、同年代の子と一緒に練習してみるかい?学校で。話はつけておいたから。」
同年代の子?
誰だそんな奴いるのか?
まぁ、こう言う場合大体が美少女で後の俺のヒロインになったりするような
爆美女で?
何て邪な考えを持ちながら俺はご近所さんのお家に向かった。
「リーヴェルです。こっちが息子のアルト。今日はよろしくお願いします。フレディリクさん。」
俺は俺の家より少し小さなお屋敷の人に渡された。
どうやらこの後俺と同年代のやつが学校まで案内してくれるらしい。
父は別れ際、頑なに俺の手を離そうとせず俺が自力で振り解いた。
どこまで行っても親バカ野郎だった。
「かーさん、そいつが基本もできねーへっぽこ野郎?」
「こら!アルト君になんて事言うの!!!!!」
「だって事実だし。」
そう言いながら広い庭のガーデニングエリアから走って出てきて俺に近づいて来やがった。
はっきり言おう、俺こいつ嫌い。多分。
「俺はノクトお前は?」
「アルト」
「お前基礎できないんだろ?クソ雑魚やろうじゃん」
あーはいキレました。俺こいつ嫌いだわ〜。
スカして登場しやがって。クソムカつくんだよボケェ。
ノクトの母親は行ってらっしゃいと言って二人を送り出した。
まず俺らは学校に向かうために電車に乗る必要があった。
行きの料金だけで250ルピーという価格だった。高いのか安いのか俺にはわからなかったけど。
父に渡されたこの500ルピーの半分を使い電車に乗った。
電車に乗ってる間は地獄だった。
ずっとノクトは俺に悪口ばっか言ってきて
俺もそれに反論して
最終的には殴り合いの大喧嘩。
出会って速攻こんな喧嘩をするなんて俺は思いもしなかった。
車掌さんが来て俺たちを叱り、俺たちは次の駅で降ろされる事になった。
俺たちはたった一駅乗っただけで降ろされる事になった。
「テメーのせいだぞノクト!!」
「俺じゃねーし!テメーだよへっぽこやろう!」
ここから俺らは徒歩で向かうのか。後二駅は離れてるぞ。
なんて途方に暮れてたら。
「おい、今から魔法使うけどかーちゃんには言うなよ」
「言わない」
後で言お。
「《テレボーラ》」
は?テレボーラ?テレポートって事!?
一瞬で着くやん。
うおーすげー!
なんて興奮したはいいもののテレポートするのは一瞬で
瞬きの合間にすでに学校と思われるような場所についていた。
「おい、使えんなら電車なんて乗らなくてよかったじゃねーかよ。」
「はぁ?お前捕まるぞ俺ら。逮捕。なんかまだ俺たちは使っちゃいけないらしいよ。」
「その通り。使っちゃいけねーよな?」
ぶくりして振り返るとそこにはオレンジ色の髪色をしていて
魔法使いのグローブ的なものをきた
おばさんよりの美女が立っていた。
そして俺らに1発ずつ拳骨を入れて制裁を加えた。
いってーな何すんだババァなんて言おうと思ったけど
先生の威圧的な目が怖過ぎて何も言えなかった。
「で?君がアルト?よろしくね」
「よろしくお願いします。」
俺は丁寧に挨拶し、
学校に入って行った。
まず大きな畑を抜けた後すぐ目の前に見える大きな屋敷に向かって歩いた。
今まで見た屋敷は西洋風だったけど、今回は何やら和風な屋敷だった。
縁側があり、なんだかお茶を立てたくなるような屋敷だった。
「さて、靴はそこで脱いでくれ。」
俺は言われたとおり玄関で靴を脱ぎ
和室へと上がった。
ノクトは他の生徒二人とどこかに行ってしまった。
「さて、お前は一般攻撃魔法も使えないんだって?」
俺はただ悔しくて頷くだけにした。
目の前の先生はだらしなく座って話の雰囲気をぶち壊していた。
「じゃあ、スキルは?何かあんだろ?」
「スキル?」
なんだそれ。スキル?魔法とはまた違うのか?
スキルも知らない俺に驚いて先生は目を丸くした。
その後じっと俺のことを見つめた。
ニヤリと笑ったけど、なんで笑ったのかよくわからない。
多分顔にう◯こでもついていたんだろう。
「いいかい?よく聞くんだ。魔法とスキルについて教えてやる。」
先生は説明が苦手なのか知らないがすごく説明が長くてよくわからなかった。
だから言われたことをまとめる。
《スキル》はその人が生まれながらにして持つもの。固有の特殊能力だ。
スキルは言ってしまえばその人特有の特技のようなものだ。
しかし、攻撃力や危険性が高いため一般人の使用は禁止されてる。
スキルも魔法の一部だがその個人しか発動できない特殊能力のため分けたらしい。
《魔法》誰でも簡単に習得できるかつ、スキルよりかは弱いらしい。
魔法は日常生活で使われるほど一般的。
それから魔力量や、魔法知識に依存するため日常的な魔法は誰でも使えるが
もっと強力な魔法を使うには膨大な時間とセンス、それから量と知識が必要らしい。
魔法とスキルを掛け合わせることで強力な技が完成する。
とまぁこんな感じだ。
俺にはどんなスキルがあるんだ〜?とか
どんな技が使えるんだろう?とか
思ったけどそもそも俺魔法使えないしきっと、スキルも使えない。
「確かにお前は一般攻撃魔法は使えないようなへっぽこだ。けどな」
先生は俺に指を刺して言った。
「お前が生まれたその年、魔物の出現率が圧倒的に下がった。全員がおとなしくなった。
まだノクトは見極められなかったが、私にははっきりと見える。」
「その異質で膨大な魔力量が、な。」
先生の目には何が見えていたんだろう。
俺はわからなかった。
「じゃあなんで俺は基礎もできないんですか?」
「そりゃ、センスがねーからだろ。」
急に針でぐさっと刺された。
そこまで笑いながら言うことでもないでしょ。
性格悪すぎだろこいつ。
でももしも俺が転生者じゃなくて元からこの世界の人間だったら使えてたんだろうな。
なんてそんなことを考えてるけど、そもそも俺はなんで転生したのかもよくわかってない。
「でーじょぶ。お前は今日から魔法に対する知識をたくさん手に入れてもらう。そんでスキルの使い方もマスターしてもらう。いいな。」
嫌だなんて言えるわけがなかった。
先生の目は怖くて、NOと言ったら多分首折られそうな勢いだった。
それから俺は何年も魔法の基礎ができるように先生とノクトと、残りの二人の生徒と一緒に練習を始めた。
最初はまだ読み書きがあまりできていなかったため、
魔導書の文字すらも大して読めなかったが、父親が簡単にその内容を説明したり、
先生が絵で表してくれたりした。
だから俺はこれ以上人の世話になるまいと、必死に練習を始めた。
初めの1ヶ月。
まだ一般攻撃魔法の1%はできるようになったと先生に言われた。
周りの生徒(ノクト以外)も俺の練習の手伝いをしてくれた。
学校の奴らは全員優しかった。一人を除いて。
一人はなんだか革命でも起こしてやるみたいな顔をしたヤバいやつで、
名前はノア・プース。
こいつは男だ。
そしてそして
多分この物語のヒロイン枠である美少女。
多分最終回で俺と多分結婚ハッピーエンドを迎えるこのお方は、
ヴァルド・オブリヴィオン・グレイヴさん。
名前だけ聞くと死ぬほど怖い厨二病みたいに聞こえるが本名らしい。
親どうなってんねん。
それから先生の名前はアイゼン。
苗字は教えてくれなかった。
そんでクソ野郎ノクト。以上。
最初の1ヶ月はこれといった進捗はなかったけど、
その後はどんどんと成長していった。
――6ヶ月――
俺は一般攻撃魔法の効果範囲である200メートル中、5メートルは
撃てるようになってきた。
その間俺はもう一人で魔導書を読むことができるようになったし、
魔導書が面白くてずっと熱中していた。
朝も昼も夜も魔導書を読み続けた。
この6ヶ月間で読み切った分厚い魔導書の数は大体、
50冊以上は超えるんじゃないだろうか。
――1年後――
俺はようやく100m出せるようになったが、それ以上やろうとすると魔力が分散し、
まっすぐ伸びなくなる。
もうあれから一年が経とうとしていた。
ノクトやノア、ヴァルド・オブリヴィオン・グレイヴさんはもうスキルの練習や、
色々な魔法習得の練習をしていた。
やっぱり俺はまだまだ遅れている。
俺は先生に言われた。
200メートル先にあるあの岩のど真ん中を撃ち抜けば、
一般攻撃魔法は習得できたも同然だ。
俺はさらに鍛錬を続けた。
前世じゃこんな努力をするなんてあり得なかったが、
今はなんだろう、精神も子供だから全部が楽しく思えてくる。
俺は魔導書を160冊読み切り、学校にある魔導書はほとんど読み切った。
それに伴い俺はどんどんと成長していった。
――それから2年後――
「《プロトラク》」
威力が思った以上に大きく、俺は尻餅をついた。
土煙で前が見えず、結果がどうなったのかわからない。
土煙が風に流され、
目の前を見た。
俺は岩を撃ち抜くどころか粉砕していた。
木っ端微塵になり、跡形もなく消し去られていた。
「すごいじゃないか!!アル◯ォートくん」
「アルトな。」
拍手をしながら俺のことを褒め称えてくれたのは、
仏の化身みたいなノアで、
「おせーんだよ、グズが。」
そう言ったのはいつもいい匂いのするヴァルド・オブリヴィオン・グレイヴさん。
ほんとに口悪くてヤンキーみたいだけど心は優しい人だ。
先生も「よくやった」と言って、俺の頭をグシャグシャと撫でた。
家に帰って報告すると、メイドや執事も大喜びしていたけど、
何より父親がまた昇天しかけていた。
俺はこの日、初めて魔法を使った。
ただ俺は動物の近くや人の近くを通るだけで、
避けられたり、気絶するやつもいた。
その日の朝、俺はいつもどおり学校へ向かう途中、先生に止められた。
先生は俺を連れて学校へ向かい、
そのまま屋敷には入らずに俺を校舎の奥の草原に連れて行った。
「はっきり言おう、アルト。お前の魔力量は異常だ。まぁ努力の証とも言えるがな」
また魔力量の話か。
俺には見えない魔力量の話をされると困るんだって。
「アルト、私の周りを見てみろ。」
そう言われ見てみるが特に何もない。
対してデカくもないおっぺぇしか見えない。
先生はきっと魔力を見せてやりたいのだろう。
ただ俺にはまだはや……
「もう一回。見てみろ。」
目を丸くした。ちょっと俺はふらついた。
周りの動物たちが一斉に逃げ出す。
これだ。これか。
俺はどこまでも膨大に広がる先生の魔力量を目の当たりにした。
多分ものすごい大きさだ。
俺にはわかる。アレだ。
目の前に霊長類最強の女子レスリングのお方がいるような威圧感と緊張感。
これが魔力。
俺が驚いていると先生はフッと笑った。
そしてだんだん魔力量が小さくなって、最終的には目に見えないほど小さくなっていた。
「さあ、これでわかっただろ?君は今のまあ5分の1程度の魔力量を常に放出している。これを3年だ。3年かけていいから私のように魔力を制限するんだ。他の子達もやっている。」
「どうやって」
「自分の手足のように魔力を動かすんだ。もう君は一般攻撃魔法が使えるだろ?」
そう言われ、俺はその日から魔力を制限する練習を始めた。
そして同時に俺はみんなと同じスキル練習に参加することになった。




