表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

私をお花畑に連れてって

ごくごく普通の女子高生、テルミ。


このお話はそんな女子高生テルミの


ささやかな恋のお話。

 私はごく普通の公立高校に通う17歳、ピッチピチ女子高生の運池はこいけ 照美てるみ。みんなにはハコテルちゃんとか、テルちゃんって呼ばれてるよ。自分でも結構可愛いかな、って思ってる、あ、名前のことね。


 でもねぇ、小さい頃から困ってることがひとつあって…私胃腸が弱いの。冷たいものとか、アイス大好きなんだけどね…食べるとだいたいすぐにお腹痛くなっちゃうの。家の中だとまだいいんだけどね、外で急にお腹痛くなると、なかなかツライ…。これはね、お腹弱い人にしか分からない辛さだと思うんだぁ。


「お腹出して寝てるからじゃね?」


とかね、


「温かいもの飲むか、腹巻きしときな」


 とか、言われるんだけどね、そういう問題じゃないのよ。もう生まれ持った体の問題なのよ。あぁ、たとえば小学生の時とかね。お腹急に痛くなって、トイレに行こうとするんだけど、なんか小学校の時って、何故か大きい方に対しての異常な嫌悪感というか、男子とかもそうだっんだけど、女子もまぁまぁあったりしてね。


「おいっ!テルちゃんが◯んちしてるぞ〜!!みんなで見に行くぞぉ〜!」


 見せもんじゃねぇっての!とまぁ…こんな感じ?男子とかは、上から水かけられたりとか、こんなのって酷いよね。好きでお腹弱いんじゃないって。あ、でもね。こんな私にも春が来たの。ちょっと照れるんだけど…彼ピッピができたの。あ、これからデートなのよ。私のお腹!頑張れ!念の為に今日は使い捨てカイロ10個持ってきてるんだから。


 そんなことを言ってる間に、彼ピが来た。


「テルちゃん、待った?ごめんね遅くなって」


 おとなしそうだけど、爽やかな私の彼ピは、便所びんどころ 郁三いくぞうっていうの。カッコいい名前でしょ?私はイッくんって呼んでる。


「ううん、さっき来たところだよ。今日すっごく楽しみ!」


 今日は、まだ3回目のデートなんだけど、今日は…映画デートなのだぁ〜!わぁ恥ずかしい…暗闇の中で、手を繋いだりとかしちゃって…もう映画よりもイッくんのことばかり気にしたりしちゃって…やだ〜!あ、でね。やっぱりお腹のこともあるから、ひざ掛けも持ってきたの。もう準備万端だよ。


 ごはんを食べてからの映画はきっとやばい。なので、先に映画観て。それから少し遅めのお昼ごはんにしてもらったよ。待ち合わせの場所から、少し歩いたとこにある、ショッピングモールの最上階にある映画館に行く。もちろん観る映画は「今、出しに行きます」だ。もう今めちゃくちゃ流行ってて、観た友達はみんな泣いちゃった、って言ってたよ。主題歌は確か沖縄出身のオベンキ・ベンキが歌っていたはず。


「テルちゃん、今日の服も可愛いよ」


 きゃあぁぁ〜!!嬉しい〜!そんな衝撃的なこと言われたら、お腹がやばくなっちゃう!やばいやばい、おさめろおさめろ。


「ありがと。イッくんもカッコいいよ」


 私、幸せだ。あとは映画中にお腹だけなんとか耐えてくれたら…。




◇◇◇




 映画が始まって、30分後…う、少しやばいかも。たぶんポップコーンと、一緒に買ったコーラを少し飲んだせいかな。映画は1時間50分だからまだ結構あるし。


「イッくん、ごめんね。ちょ、ちょっとお花畑でダンスしてくるね。10分レッスンくらいだからね」


「ダンス??あ、あ…うんわかったよ…気をつけてね」


 なんとか上手くごまかせた。映画館の場合、出たところにすぐ備え付けのトイレがあるから、まだいい。





 あぁ、せっかくの映画デートなのに〜。早く戻らなきゃ。イッくんは映画に見入っていた。よかった…。私は小さな声でごめんねを言った。




◇◇




 そのまた30分後。う…うぅ…まただ。なんか空調がやけに効きすぎてるのか、体が冷えるぞ。もうなんでなのよ〜。


「い、い、イッくん…ごめん。ちょっと急に…お花畑でブレイクダンスが踊りたくなってきちゃって…す、すぐ戻るね…」


「ぶ、ブレイクダンス?あ、あ…うんわかったよ…」


 かろうじてセーフ。なんとかごまかせたようだ。早く早く!もう映画がラストになっちゃうよ〜。





 あぁ…もうせっかくのデートなのに〜…でも仕方ないよね、私のお腹が悪いんだ。あとはなんとかラスト30分!ここが正念場だぞ、私のお腹!




◇◇




 映画のラストのいいところで…また来た。来てしまった。くそぉ〜、こんちくしょ〜!なんでよ〜!もうダンス踊りすぎで絶対怪しまれてしまうよ…どうしよう、どうしよう。でも…このままじゃ…


「イッ…イッくん、ごめんちょっと…少し呼吸が苦しくなっちゃって…少しだけ、お花畑の空気を…吸いにいってくるね…何度もごめんね」


「テルちゃん。なんか変だよ?どうしたの?」


 怪しまれてる…でも、もうむり…


「ちょっとごめん!」


 私はイッくんにちゃんと答える間もなくスクリーンを出る。すると…イッくんが後を追ってきたのだ!


「テルちゃん!いや、照美!」


 この場で呼び捨て〜!キュンと来ちゃうけど、ここでキュンはまずい…出てしまう…


「イッくん…私…」


「大丈夫だよ、照美。一緒に行こうよ、お花畑」


「えっ…」


 一瞬、私のお腹はなぜかマシになった。


「わかってる。全部わかってるよ。君がお腹弱いことも。友達に聞いたんだ。そんなこと僕が知らないとでも思った?」


「イッくん…」


 あぁ、私が付き合った相手が、イッくんでよかった。もう隠し事はない。この人なら、私なんでも話せる。


「あっ、早く行かないとね、お花畑。ちなみに僕は、大人用おむつしてるから、もういつでも大丈夫!」


えっ、えっ、え〜〜!!




──花びらのようにちりゆく中で


──夢みたいに君に出会えた奇跡




挿絵(By みてみん)


────────────────────────

う◯こ企画の発端者(??)であります、かぐつち・マナぱ様にとってもとっても可愛らしいテルミちゃんのファンアートをいただきました(*^^*)

あぁ、こんなテルミちゃんが、あんなことに〜!と想像を巡らせながら、今後執筆活動に勤しみたいと思います♪


またこういう機会がありましたら、是非とも参加させてください\(^o^)/




こちらの作品は

元々は、かぐつち・マナぱさんの影響で、

あとは笹門 優さんの作品でトドメを刺され、

執筆に至った次第です。


さぁ、つぎはあなたの番です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
主人公の箱池 照美ちゃん、便所 郁三君、映画のタイトル「今、出しに行きます」、主題歌オベンキ・ベンキ(確かに”花”w)などのヒネリを加えられた発想も然ることながら、青春の1ページをハッピーエンド?なオ…
映画館はもう何十年も行ってないな、2時間近くあるからトイレ近い人はどうしてもね(笑) 大画面で観るの良いんだけどな。
便所びんどころ 郁三いくぞうて名前でまず吹きだしました。 (~_~;)。。お花畑ってトイレの事なんでしょうか? 映画館でトイレタイムの大変さはよくありますよ。 先日も某大ヒットアニメを見に行きましたが…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ