【第三章:この宇宙で、最も重要な結論⑥】
これが、僕の贖罪である。
なぜか。
瑛摩から は、未だに身を追われていない。彼女はこの後、静かに姿を消した。彼女が姿を消した瞬間を、僕は覚えていない。
僕に唯一分かるのは、彼女が今、あの家にいるということだ。だけど僕はあのときと違って、彼女を家まで迎えに行くことが出来なかった。
そうすればきっと、また同じことが起こってしまうからだ。
僕の中の何かが制止しているのだ。
僕は今も から の居場所を知っているし、彼女と連絡を取り合うことも出来る。
現に、この文書は彼女に監視されている。
監視とは人聞きの悪い。これは共同作業という話だったはずだよ。
そうだ。僕はこの世界の間違いに一石を投じたい。それは、彼女が許されているという現状である。
この世界で 瑛摩から を裁く者はいない。それがどうしてか、僕には分からない。この世界に存在する大きな力によって、瑛摩から は守られている。だから僕は、この一連の物語に関して、助けを求める以上のことはできない。
そこで僕は事の顛末をここに記録し、これを誰かに託したいと思う。そして、この物語を読んだ誰かが、この物語の善悪を判断し、僕たちを裁いてほしい。
僕たちはどこで間違えたんだろう。それを僕たちは鳥瞰して知ることが出来ない。
僕たちは常に、僕たちよりも大きな何かに支配されている。僕たちがそれに抗うことは出来ない。
だから、託すしかない。僕たち以外の何かに。
ただ、これだけは言わせてほしい。
いかなる主観を度外視したとしても、一つだけ僕が言える事実がある。
僕が、瑛摩から という人間に恋していること。
これが、僕が今主張できる、この宇宙で最も重要な結論である。
あなたは、どう思うだろうか。




