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神様になりたかった  作者: 諏訪絢斗


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9/9

試験

本格的な戦闘シーンを描きました。

たまに前描いたシーンの加筆修正を行っているため投稿が長引いたりするので気長にお待ちください。

 受付で試験番号をうけとりその番号で記された席につく。

(217番か…)

 筆記試験が始まる。試験は簡単なもので国語、数学、魔法学、魔術構築論理学…。

 魔法とは炎を出すなど人体で再現不可能なもので、魔術とは心体強化などの人体で再現可能なものである。

 魔法は詠唱により大体の形を想像してそれをカタチにするものでその人のイメージの世界である。それに対して魔術は簡単な身振りや掛け声などで肉体に強化をかけるもので強化のかけ方は人によって異なる。人によっては急に叫ぶためびっくりする。魔術は消費体力が少なく、最上級魔法の攻撃を人によっては5発は耐える。そんな奴は一握りだが…魔力のないやつは魔法が使えないかわりに(闇魔法と光魔法を例外として)魔術の強さが尋常ではないのだ。故にギルド所属の人間には肉体だけで上位ランカーになっている奴だっている。そんな事を考えながらも問題を解く。学校で深く学ぶのだから受験で受けるのは基本の基本…まともに勉強していれば悩むようなものでもないだろう。


 筆記試験が終わりこれから実戦試験が始まる。

 それぞれ事前に渡された試験番号が呼ばれるまでは自由時間でみな友達と集まって話しながら試験者の見学をしている。

「筆記試験どうだった?」

 セシリアが軽い声で聞いてくる。

「まぁよゆーかなぁ」

 俺はそう答える。流石に貴族の息子が勉強できないってのはない。どれほど勉強させられたと思っている。

 家庭教師兼メイド長から教わっていたのだが、思い出したくもない記憶。逃げようとすれば先程まで後ろにいたのに逃げ道に先回りされている俺の気持ちにもなってもらいたいものだ。

 「私も手応えはありますわ。」

 マリーも答える、自信はあるようだ。

 しかしユダは自信がなさそうに下を向いている。

「そう言えばユダは平民出身だったな。まぁ自信を持つに越したことはないぞ。それに落ちたところで他にも学校はあるんだからな。」

 「どうしてリュートはそんなに冷たいのさ。ねぇ酷いと思わない?」

 セシリアが2人に同意を求める。

「い…いえそういうものなので…」

 ユダが答える。そう…そういうものだ。貴族と平民では学習基盤に大きな違いがあるのだからそういうものなのだ。

 そんな中、空気を読まない大声が響く。

「あ!リュート!ひっさしぶりー!!」

 後ろから突進され地面に熱烈なキッスをさせられる。自分から出た声はなんとも情けないものだった。

「いってぇな!試験会場で大声を出すなアリス!俺のご尊顔が削れたらどうするつもりだ!」

 そう言って俺は軽く頭を小突く。

「ひっどい!そんなに怒んなくてもいいじゃん!」

 なんだかこいつが騒がしいと俺も頭が冷える。

「だったら静かにするか声のトーンを落とせ。」

 アリスはそうだったといった顔をして口をふさぐ。も…すぐに手を離して喋り始めた。

「だって久しぶりに会ったんだもの。3カ月ぶりくらい?」

 俺とコイツでは久しぶりと言う言葉に対する考えにが酷く乖離しているとそう思った。

「あの…この方は?」

 最初に声を出したのはマリーだった。

「あぁコイツは…」

「アリス・ワンダよ。よろしくね。」

 コイツ…俺の言葉に被せて…。

「ワンダってのは俺の父さんの秘書でね。非常に優秀なのだがその娘であるコイツはこんなだ。」

 とストレートに煽ってみるもコイツにはそんなことは通用しないようである。

「えへへ〜私のお父さんが優秀だなんて照れるな〜。」

 こいつはどれほどまでに無敵で明るいのだろうか。正直一緒にいると心が楽になるので居てもらわないと困るムードメーカー的なやつなんだと思う。

「リュート・クラウン」

 突然名前が呼ばれる。

「はい」

「え?なになに〜」

「えっと…アリスさん?お静かにね」

 よくやったマリー。それはそうとこの人は試験監督の先生だろう。

「魔力なしのお前は体術試験なんでな、あっちだ。」

 そう言って親指で先生は後ろを指す。

「え…あぁ言ってましたっけ?」

 記憶にない。説明も聞いたはずなのだが?

「いや、今から魔力なしに一人一人声をかけるつもりだ。魔力ありなら魔法試験監督のあいつが呼ぶし、魔力なしなら俺が声を掛けるっていう訳だ。」

「面倒くさくないですか?」

「そんなにだな、人数が少ないし。」

「それに自分は闇魔法使えますよ。」

「闇魔法の基本は支援だ。攻撃できんことはないだろうがせいぜい鎖で縛り付けるぐらいだと私は認識しているが?」

 もちろんその通りだ。鎖で高速だけでなく、影にものを収納したり、沼のようにして相手の足を止めたり、そのような支援系ばかりである。光魔法と違うところは戦闘だと使いにくいということだ、相手の影に一度触れてリンクしなくちゃいけないし…。それに比べて光魔法は無法だ。攻撃、回復、バフ。デバフ以外なら何でもござれだ。どちらも魔力がなければ体力がごっそり持っていかれるため使う回数は限られるが。

「まぁその通りですけど…」

「ならば決まりだ。あっちに闘技場がある。言っておくが広いぞ、迷うくらいにはな。いくら平等と言っても貴族と平民のいがみ合いがないわけではなく言い争いになることがある。それを決闘で決めるために作られたものでな。」

 それは当時もあったものだ。この学校はいい意味でなにも変わっちゃあいない。守るべきものは守ってきたと言える。

「案内はしてくれないんですか?」

 疑問に思ったことを素直に聞く。迷うほどだと言われれば不安にもなる。

「入り口に人がいる。体術試験監督兼案内人だ。」

 いろんな役割を持った人がいるもんだなぁと思う。魔法試験なんかたくさんの受験生をみるために10個ある的にそれぞれの人がきちんとついているのだから。

 言われた通りに闘技場へと向かう。途中でフラムを見かけた。フラムと目が合い、俺はとっさに手を振って、

「頑張れよ!」

 そう口にした。


「待っていたぞ。」

 大柄な筋肉質の男がそこに立っていた。まじか…と思わず声を漏らす。この男は知っている。王都にある一番大きなギルド、その長であるビーグル・ミラフィアが立っていた。

(冗談だろ?本職を試験監督とかなにを考えているんだここの学園理事長は?)

 そう思ってしまうほどに以外なゲスト。俺の父の次には強い男だと断言できる。

「ついてこい、これより試験を開始するためステージへと向かう!それとこれを手に着けなさい。」

 彼が宝石のついたブレスレットを渡される。身代わりのブレスレットだ。死ぬほどのダメージや後遺症の残るようなダメージを食らった場合、このブレスレットの宝石部分が砕けて使用者は無傷でいられる高価なアイテムだ。

「お高いでしょうに…」

「まぁ…子供の安全が最優先ですからねぇ。」

 後ろから声がする。振り返るとそこに立っていたのは学園理事長だった。

「これはこれは、学園理事長殿がなぜここに?」

 ビーグルは問う。もしや私が信用ならないとでも?といった視線を向けて。

「いいえ、そんなことは有りませんよ。あなたのことはこれ以上になく信用しておりますとも。」

 嘘偽りのない言葉。それを感じ取ったビーグルは殺気を収める。

「では、なぜこのようなところに?」

「それはですねぇ。彼は私のイチオシでしてねぇ。」

 こいつとは()()()()()()()()()()()()()なのだが…。

 すると理事長はあぁといった顔で頭を下げる。

「お初にお目にかかりますリュート・クラウン…私の名はアケディアと申します。」

 白々しいものだ…はじめましてなどと分かっているだろうに

「はじめまして、名は…名乗らなくとも良いようですね。」

 ニコリと返す。この笑顔は早く帰れの意だ。そんな抵抗虚しく。

「ではビーグル卿、見学…よろしいですかな?」

「見学とはあなたほどのお方がなにを見て、学ぶというのです。」

 ハッハッハと笑いながら暗に早く帰れと促している。いいぞビーグル卿負けるな。しかしそんな期待は砕け散った。

「では良いのですかな?私の権力があればギルド管理本部にお話をするだけでそちらのギルドをいつでも解体できるのですがね。」

 これは間違いなく脅し。これにはビーグルも強くは出れず、ため息交じりに、

「分かりました。」

 と頷くしかなかった。

「大丈夫ですとも彼の戦いぶりを見に来ただけですから。」


 ステージへと上がる。ビーグルの持つ武器は鉄の塊のようなもの。昔、漫画で見たことがあるドラゴン殺しみたいな名前のやつ、正しくあれだ。俺の武器はビーグルから手渡されたものだが生憎普通の剣というものを扱ったとこがないもので構えが分からない。それに気づいたビーグルが、

「好きな武器を使うといい。持参も可能なのだからな。」

「お言葉に甘えて…」

 影から刀を取り出す。そして構える。

「いいなぁ刀…何処から貰った?そいつはそこらに出回ってる奴じゃないと思うが?」

 先程までのフレンドリーな様子から急に殺気を放ってくる。

(息苦しくてやんなっちゃうねぇもう。)

 魔王時代に貰ったやつなんだけど…魔法には鍵のようなものがありそれぞれ違っている。そんな鍵が全く同じならばそりゃあ同じ倉庫を空けられるわな。生前のものがそのまんま使えるのは望ましいことだ。

「さぁね、あっこで見学してるやつに聞いたらわかるかもよ?」

 俺の事情を既に察したであろうアケディアがこちらをニコニコと見つめてくる。自分の本来のスタイルの武器を出していたなら今よりももっと面倒なことになるだろうと思っての判断だったが…よく考えればこれも駄目だと分かったはずなのに…。

「その件は今はいいでしょうではあなたの実力を見せてもらいたい。」

 ビーグルがそう言い「開始」と叫ぶ。直後、弾丸のようにビーグルが飛び出し切りかかってくる。魔術で肉体を強化しているのは動きで分かる。

(速いし!それに!食らったら死ぬ!)

 咄嗟に右へ避ける俺の元いた場所にはそれはそれは大きなクレーターができていた。

(バケモンかよ!)

 これにまだ魔法という攻撃手段が残っているのだから驚きだ。

(刀じゃ駄目だな…大きすぎる。あれを避けつつ一太刀浴びせられるとも考えられん。ここは仕方ない。)

 刀を影に収め、影に手を突っ込む。その間にもビーグルは距離を詰めてくる。また鉄の塊を振り下ろしてくる。避けると同時に影から至って普通のナイフを取り出す。対人間ならば間違いなくこいつが一番だ。

「ほぅ…それが貴様のメインウェポンといったところか?」

 姿勢を低くし、構える。右手にナイフを持ち股下にナイフを構える。左手は甘く握り左頬の近くに置く。ナイフは逆手持ち。勝負は一瞬、次で動きがあればそれで決まる。ビーグルもそれを感じ取ったのか攻撃を仕掛けてこない。ならばこちらから仕掛けるまでだ。

(相手は武器を肩に担いでいる。不意打ち気味に距離を詰め、確実に仕留める。狙いは首!)

「その首…もらい受ける!」

 相手は警戒をする。それは分かっていた。腰を落とし一撃で仕留める構え、オレも相手もここで仕留めるつもりでいる。走り出してすぐに相手の懐に入る。ビーグルは驚いた顔をしている。大方、速すぎるって考えてるんだろうが、そりゃあ元魔王の身体強化、普通であるはずがない。が…そこは戦闘のプロ、すぐに切り替え、鉄塊を振り下ろさんとしている。

(このままじゃ相打ちだな。そんなんじゃつまんないだろ!完膚なきまでに勝たなくちゃあな!)

 地面を蹴り、相手の左脇下へと飛びつく。ナイフを左手に持ち替えて右手で相手の振り上げている右腕をつかみ、背後に張り付く。

 勝負はここで終わり。喉元にナイフを突きつけられたビーグルは武器を降ろし…両手を挙げた。

「降参だ。全くこんなやつが受験生だ?教えることなんてねぇだろうに、こいつの担任になるやつは苦労するなぁ。」

「ありがとうございます。」

 そう言い彼の身体から離れる。すると手を叩きアケディアがこちらへと近づいてくる。

「いやぁお疲れさまです。言ったでしょう、私のイチオシだと。」

「んなことよりあの刀もナイフも特別製だ。刀なんてロストテクノロジー、ナイフなんて女神の加護、こりゃあどういうことだ?」

 さてと…どうごまかすべきなのか、必死に考えているとアケディアは語り始める。

「魔王様のご判断によってですね、私が認めた奴にくれてやれと言われましたので…彼に託しました。魔王様はもう戦場には出ないとのことなので、言うなれば彼は魔王様の代理人ということでございますゆえ。」

「納得しといてやる。どおりで強え訳だ、魔王の代理人とはねぇ。試験者はまだ3人いるし、あっこで降参して正解だったってわけか…。」

 魔王の代理人とはこれまた面白い言い訳だと思う、がそれほどの実力があってこその騙しだ。負けていたらどうするつもりだったのかとアケディアをじっとりと見つめる。

「それではリュート様、理事長室でお話よろしいですかな?」

「ええ、かまいません。ビーグルさん、ありがとうございました。」

 そう言ってアケディアの近くへ寄る。ビーグルは頭を掻きながら小さな声で、合格だなこりゃと俺たちを見送った。

キャラの書き分けが難しく苦労している。

自分でも読みにくい文章と句読点の多さには驚きを隠せないでいる。

ついでにノートにメモや別作品の練習などを書いているため投稿が遅くなるのです。

誠に申し訳ないとは思っていますが遅筆なのでどうかお許しください

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