シャルルサイド 反撃開始
シャルルは、アリエルとクロウが学園生活を送っている間、社交をしていた。
王家主催のごく限られた者だけが招待されるお茶会にシャルルは応じた。
国王はドラゴナ神国の王族と縁とつなげたことを非常に喜び、それを国益につなげたいとせっせと交流をし、親交を深めていった。
シャルルは少しずつ交流の範囲を広げ、国王を通じて知り合った高位貴族たちの中でも、自分がこれと認めた貴族の茶会やパーティにも参加していった。
ある程度親しくなると、シャルルは招待を受けた主催者には自分の身分をあかしていき、少しずつ一部の貴族たちに顔と身分が知られるようになっていった。
そしてシャルルは時折、アリエルとクロウも同行させた。
シャルルはいつも慈愛のこもった目でアリエルを見つめ、そんな二人を護衛するクロウの姿は一部の貴族の間では当たり前の光景になっていた。
招待したホストはシャルルがアリエルを慈しみ大切にしていることを知る。
またシャルルがーーーーひいてはドラゴナ神国がアリエルの後ろ盾になることを知ると彼らはアリエルとも親しく交流し、支援することを表明するのだった。
このように社交を広げるシャルルだったが、学院に籍を置く子供を持つ家門が参加する茶会やパーティの招待には応じなかった。
彼らはシャルルの素性を知らなくとも、王族はじめ国の中枢に携わる者達がこぞってシャルルの元へ向かうのを見て、異国の要人なのだろうと自分たちも便乗した。
しかし、一度も諾の返事を貰えない。
そして噂で、その貴族達にもシャルルの素性が伝わっていくと、必死で関係を作ろうとお茶会に誘い、またシャルルが参加する茶会やパーティの招待状を手に入れようと奔走した。
それでも色よい返事をもらえない者達は焦り、なぜ自分が疎外されるのかと不満の声を漏らす。
そしてシャルルが何も言わなくとも、次第に、何かを悟った一部の高位貴族達は彼らに招待状を出さなくなり、学院生を子供に持つ家門は社交界から孤立していった。
それを聞いた家族・・・その子息令嬢たちは顔色を悪くした。
アリエルを大切にしているというシャルルが我が家の招待を受けない理由が察せられるから。
自分のせいで家に迷惑をかけ、不利益を与えてしまうかもしれないと不安に駆られたのだった。




