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我が信条

作者: 泡月響怜

序文


 流れ行くままの時に身を委ね、連られゆく景色を見て、停滞を拒絶すること至高の喜びなり。人間の不安に対する解は恒常である自然の中にのみ存在し、探究する者のみに現れる。

 驕れるものは怒りに触れ、悲嘆する者もまた怠惰であり傲慢であって、常人こそ最も価値のある愛人なれ。

 人道とは群像個々の数だけ創造され、それら全ては思想、人格、人種、年齢、性にかかわらず等しく尊重され、また否定、非難されるものではない。

人道の中でも信条は個人の存在の根幹に座し、無意識に表れる単純にして最大の価値を持つものである。

言語化し固定させた時、更なる存在の強靭さを得、戒めとなって我が身の一助となるだろうことを確信する。

 よって我は我が信条を示し高みへと近づくことで、独我性の獲得を欲するものとす。



一つ、どこまでも主観的で客観的であれ。


主観的に事を進めるのは良い事だ。それは間違いない。しかしそれではまだ足りないのだ。自分ごと化は独りよがりな思考に偏りやすい。よって客観的な視点を持つ、他人ごと化することで不足を補えるのだ。


一つ、感情的かつ冷静であれ。


小説や、詩を書くにあたって感性というものは無視できない。感情は日々に彩りを加える素晴らしいものだ。その一方で短絡的行動に陥り、周りが見えなくなる危険を生む。冷静な思考が正しき行動へと導いてくれるのだ。


一つ、幻想ほど写実的であれ。


夢は良い。希望を与えてくれる。だからこそ、写実的に描写し、現実に落とし込む事で完成度を高めることが求められる。そうすることでより世界に入り込むことができるようになるのだ。


一つ、流れる水のようであれ。


物書きは停滞及び一つのものに固執するのを良しとしない。水のように千変万化しなければならぬ。岩のようになってしまえば途端に思考が固定され脆くなってしまうだろう。


一つ、己を見失うこと勿れ。


前述のように物書きは変化し続ける。その過程で己がキャラに取り込まれることがある。それに耐えうるために自分の本質を理解し、自我を強く保つ努力を欠かすことは出来ない。


一つ、万物に興味を持つべし。


情熱の無い人生は酷くつまらない。ぽっかりと空虚な人生になんの意味があるのか、いやなんの意味もない。価値もない。好奇心はいつまでも若く生きるための手段の一つだ。人間は日々の研鑽によって死ぬまで成長を続けるのだ。


一つ、欲望に忠実であれ。


人間は動物とは違うと何処かで必ず考えている。だが違うのだ。人間も所詮動物で、本能に従って生きている。理性という名の驕り昂ったものは存在しない。ただ一つ人間だけに有るのは「心」というあらゆるものに影響する感覚器官である。欲望とは心の発信した自分にとって必要なものであるからして、我慢はするべきでない。


一つ、自然に敬意を持つべし。


全ての原点は自然である。我々を生み出し、成長させ、受け入れたのも自然である。母なる海、父なる大地に親しみ孝行することこそ我々の努力義務である。そうすることにより祖は道をお示しになるのだ。


一つ、何事にも愛を持つべし。


自然愛、恋愛、友愛、この世にはあらゆる愛が溢れている。愛とは純粋たる善意であって、そこに許容量は存在すれども優劣はなく、皆等しく高潔であって、貴ぶものである。

愛に境界は機能せず、浄化の力を持った心の表れが人生を豊かにする。不可視で不可知であろうと意識一つで世界は変わるのである。


以て上記九条を我が信条とし厳粛に守られるべきであり、我が真を示す確固たるものなり。

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