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本当の姿

「やっぱりショックですよね…あんな死に方は望んでいなかったと思いますし…。」


と、雨伊都は続けた。


「いや、いま!目の前に!あなたがいることが嬉しすぎるから!あまり気にしてません!」


春風は今にもとろけそうな顔で笑った。


「そんなにこの人が好きなんですか?」


と、雨伊都が放った言葉は、会話が始まってから初めて春風の耳にしっかりと伝わった。


(え?今なんか第三者目線みたいな口調だったよね?ていうか、なんで今生きてるはずの雨伊都がここに居るの?私が死んでからすごく時間が経って雨伊都もあの世に行ったからとかかな?…しかも私、裸なのに全然気にもしてなさそうだし…。)


雨伊都が現れた事に疑問ばかりが溢れていた。


「あの…なんで雨伊都くんはここにいるんですか?」


と聞くと、


「それは僕が貴方の案内人だからです。」


と雨伊都は答えた。


「雨伊都くんって天使とかなの?」


「いいえ、天の使いです。僕は幽霊や妖怪など、実在するようで実在していない者達から悪行を受け、苦労した死者に対し、次の世界への案内をする仕事をしています。」


春風は唾を飲み、意を決して聞いた。


「なるほど…。じゃぁ、あなたは雨伊都くんじゃない?」


「ええ、違いますよ。ただの案内人です。やはり気になられますよね…。この話の前にこちらにお着替えください。」


と下着と白いワンピースを渡された。


(いや、違うんかい。中身が違うってことだよね多分…。)


春風が着替え終わると、案内人は手を叩き、風呂場を、高さと幅が同じくらいの白い部屋に変えた。


(魔法使い?…悪魔だったりして…案内人なのに流石にそれはないか…。)


「それではこちらをご覧下さい。」


春風は案内人に映像を見せられる。


「これは、雨伊都?」


「はい、これは貴方が元いた世界に存在する雨伊都様です。」


と見せられたのは女の子を両手に抱えた雨伊都の姿であった。


「貴方はもう死後の世界にいらっしゃいますので、こちらをお見せ致しました。雨伊都様はこのように女遊びが激しめのお方でございます。今までも多くのお付き合いをされた方々とも、浮気が原因でお別れをされていらっしゃいます。」


「そっか…。」


春風は困った様な顔をした。


「今は現実を受け止めて頂くことが必要ですので、春風様にこちらをお見せしたこと、ご理解いただきたいです。……春風様、大丈夫でございますか…?」


案内人は心配している様子であった。


「うーん…。浮気された子が情報を出版社に売って話題になった事もあったから、遊び人なのは何となく知ってたよ。でもこうやってちゃんと見ちゃうと複雑な気持ちだよね。」


(別に推したからって彼女になれる訳ではないし、彼自身を知る勇気は少しもなかったから、ちょっと落ち込むかも…。私死んでるし落ち込んでても仕方ないけど)


春風はあれだけオタ活をしていたのに、吹っ切れている様子であった。


「そうでございますよね。僕がこの姿なのは、春風様が元いた世界で心より想っていた生き物の姿を表しています。春風様が雨伊都様を応援する気持ちがこの姿に現れたのでしょう。」


(なるほどな…そういう事だったんだ…。ん?待てよ、じゃぁこの人誰だよ(笑))


春風は案内人が雨伊都ではない事を知り、頭の中で突っ込んでいた。


「そしたらさ、貴方は誰になるの?」


と春風は聞いた。


「僕は元々原型がない魂です。魂だけではやはり案内人としての仕事をこなすのは難しいので、代わりに案内する方の想う人の姿を借りているのです。」


「なるほど!じゃあさ、なんで呼べばいい?違う魂ならあなたは雨伊都じゃないんだから違う名前で呼びたいよ!」


「名前ですか、天界ではユラと呼ばれていましたが…春風様にお付け頂いても構いませんか?」


「ユラ!可愛いぃ!!いい名前じゃない!ユラで良くない?」


「僕も元々は前世がある魂なので、ユラはその時の名前です…これからは春風様と共に歩む身ですので、出来れば春風様にお付け頂きたいのですが…。」


案内人は照れたようにそう言った。

皆様初めまして(՞ . .՞)"

有菜晴希(ありな はるき)と申します。


この度は『風呂から転生しちゃったんだけど』を見つけて頂きまして、誠にありがとうございます!


初心者ですが、皆様が読みやすく楽しいお話を書けるよう努力していくつもりでございます。何卒よろしくお願い致します!

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