Q
Qよ、見知らぬ場所で相棒だと手渡されたのが
わたしのジラの遠いきょうだいだったことが
どれだけわたしを安心させてくれたことか
別れが決まってから名前をつけた
のろまなわたしを許しておくれ
きみを開く鍵にQの字が入っていたことが
わたしはなんだかとても好きだったんだ
無機質なオフィスの中でもボンドの気分になれたから
Qよ、見知った場所を今日わたしが去ったあと
きみは初期化されてQではなくなってしまうんだろうな
それでもきっとあたらしいボンドのために
きみはまた大きすぎる起動音を鳴らすんだろう
元気で