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奴隷の無双  作者: みにトマトん
剣舞祭編
7/14

第7話 手合わせ

 朝が来た。

今日から訓練が始まるというのもあり、興奮してあまり眠れなかった。

なので俺は、誰も起きていない早朝に、屋敷の外に出て日課の筋トレをすることにした。


(外での筋トレ!、、、涼しい風に澄んだ空気!いやぁ最高だ!)


いつもに増して張り切って筋トレをしていると、屋敷内から声が聞こえた。


「レイさーん!おきてますのー?返事をしてくださーい!」


 アクアだ。寝起きのせいかいつも特徴が違う。


「アクアさん、外です。」

「え?あ、あの?、、、すみません、大きな声を出してしまって、、、」


 アクアが顔を真っ赤にして照れている。かわいい。


「こちらこそ勝手に出てすいません。いつもの日課をしていました。」

「日課?ってなんですの?」

「筋トレです。」

「筋トレ?」

「はい、筋トレです。」

「5年前からやっていると言っていたあの?」

「はい、それです。」

「何をやっているのか教えてもらってもいいですか?」

「構いませんが、なぜですか?」

「レイさんのステータスはおそらくその筋トレをしたことによってここまで高くなったと思いますの。」

「そういうことでしたら、分かりました。では、訓練前に早めに来ていただけますか?」

「分かりました。ありがとうございます、レイさん!」


 全員が集まり朝食をとった。


「それではレイさん、早めに行きますわ、しっかりと教えてくださいね?」


 そして、訓練の30分ほど前に俺は訓練場に来た。

5分ほどすると、アクアが来た。


「お待たせしましたレイさん、待たせてしまいました?」


(ここで待ったと言ったら俺は人としてだめだよな?、、、よし)


「は、はい、全然待ってませんよ、俺も今来たところです。」

「よかったぁ、待たせていたらどうしようかと思っていましたよ。

 それではレイさん、筋トレの内容、教えてください!」

「分かりました。といっても、あまり面白くないので、そこは目を瞑ってください。」

「大丈夫ですわ!それでは始めましょう!」


「まず、腹筋、背筋、スクワットをそれぞれ100回やります。」

「ふむふむ。」


「え?いきなりですの!?ヒエムスとの訓練でもそこまできつくないですわよ?)


「で、それが終わったら逆立ち10分間です。これは、一回でも足がついたらもう一回最初からやります。」

「ほうほう。」


(えぇっぇえ!?逆立ち10分!馬鹿ですの?1分でも血が頭に行ってくらくらするのにそれを10分!しかも転んだら最初から!レイさんは一体何者なのですか?、、、)


「これで終わりですか?」

「いえいえ、まだ次があります。まぁ、次で最後なんですけど。」


(えぇぇぇぇぇぇぇ!?まだ終わってないんですの!普通なら今ので限界ですのに、、、)


「そのトレーニングとは何ですの?」

「それは、20キロメートルのランニングです。これも走り続けることが条件ですね、少しでも歩いたら最初からやり直しです。

いやぁ奴隷だったころは労働の空き時間の大体10分位の間にやってましたね、きつかったなぁ、、、」

「、、、」

「アクアさん?どうしました?何かわからないところがありましたか?」


(どうしたじゃないですわぁぁぁゎあああぁ!?20キロランニングまでならわかりますの。そこまでなら、、、今レイさん何と言いましたの?10分?20キロを10分!?冗談じゃないですわよ!この人のンとに人間ですの?もう訓練いらないんじゃないですの?)


「い、いえぇ!なんでもありませんわ!」

「そうですか、ところでアクアさん、これからランニングをするんですけど、敷地内なら走っても構いませんか?」

「え、えぇ、構いませんわ。」

「ありがとうございます。では行ってきます。」


そうして彼は走り始めた。


(、、、あれは何ですの?わたくしの全力疾走よりもはるかに早くないですか?)


 そう、レイは気付いていないが、この5年間でレイは一般人の常識を超えていた。

当の本人はというと、、、


(いやぁ素晴らしい!何といっても地面がしっかりしている。鉱山や畑は地面が緩かったりごつごつしてたからなぁ。これなら明日から距離倍にするか!、、、それにしても、ここは距離の感覚が分かりやすいなぁ、昨日案内してもらってるとき、距離は買ってたけど、南北300メートル、東西400メートル、周1400メートル、大体14~15週で20キロだな。)


走りながらそんなことを考えていた。


「ふぅ、終わった~。あれ?アクアさんどうかしましたか?」

「どうしましたか?じゃないですよこれはどういうことですの説明してください!」

「え?何をですか?」

「何をって、、、あなたどうやって身体強化魔法を使えるようになったんですの?」

「え?魔法なんて使ってないですよ?」

「え?」

「え?」

「「え?」」

「魔法を使ってない?あなた今そう言いましたの?」

「はぃ、そうですが、、、」

「じゃあ今のスピードは生身の素の力ということですの?」

「まぁ、その通りですが、、、」

「、、、レイさん、あなたまずは常識を覚えないといけませんはね。普通の思考の人は、20キロを2分で走るなんて常識は無いですの。分かります?」

「え?そんなに早かった?まぁ、今日は地面がしっかりしてたから早いとは思ってたけど、、、」

「それに、なんで息が切れていないんですの?」

「切れてますよ?ただ、走り終わってから5秒以内に息を整えるようにしています。」

「そ、そうですか。、、、」

「それとですね?走るときは息を止めていますね、、、毎日やると出来るようになりますよ?今は15分位息を止められるようになりましたし。」

「す、すごいですわね。」


(、、、はぁっぁぁぁぁぁあぁぁっぁあぁ!?息止めてあの早さだったのですか!、、、)


アクアは考えることをやめた。


~~~~


「おやおや、アクア様、レイ様、まだ訓練前だというのに早いですね?何をしていらしたので?」

「ヒエムスですか、実は、かくかくしかじかで、これこれあれあれというわけなのよ。」

「なんと!そんなことが!?ふむ、、、少し確かめさせてもらいますか。」


「レイ殿、少し手合わせをお願いできますかな?」

「分かりました、けど、俺は権を握ったことなんてありませんよ?」

「大丈夫です、けがはしないように致しますので。」

「分かりました。」


(これは、、、西洋剣か?困ったなぁ、子供のころは剣道をやっていたけど、これは日本刀じゃないから使い勝手が分からない。、、、仕方ない、剣道のイメージでやってみるか。)


俺は権を構えた。


「ヒエムスさん、お願いします。」


(ほぉ、隙が無い、それに重心がぶれていない。構えが様になっておる、これは鍛えがいがありそうじゃ。)


「レイ様はまず攻めに徹するように、私が受けますので。」

「分かりました。では、、、スゥーーーーーー、、、シッ!!」


 剣道において重要なのは、『一眼二足三胆四力』

精神統一で感覚を鋭くする。そのことにより、俺は魔法なしの人間の動きをはるかに凌駕した速さでヒエムスさんの間合いに入った。


「え?」

「ッ!!」


俺も驚いたが、ヒエムスさんはそれどころではなかった。


(なんと!?動きが見えなかった!このままでは私がやられてしまう。仕方あるまい、失礼レイ様っ!)


ヒエムスさんの雰囲気が変わった。


(なんだ?何かが変わった、、、このままじゃ不味いな、この体がここまで速く動けるなら、、、八ッ)


ヒエムスさんは俺の攻撃を完璧にいなし、そのままカウンターを仕掛けた。

しかし、カウンターが決まることはなかった。

俺が空中で体を捻り、カウンターを受け流したからだ。


(よし!反射神経がだいぶ良くなってる、このまま隙を突かれないように攻め続ける!)


「ハァァァ!!」


俺が反撃をしようとしたら、ヒエムスさんが止めた。


「そこまで!」


「フゥーーー、ありがとうございました。」


「レイさん!すごいですわ!初めて握った剣であそこまで出来るなんて!」

「、、、レイ様、昔剣技を習っていましたか?」

「はい、少し、、、でも、この剣とは形状も長さも違ったので少しやりにくかったです。」

「なるほど道理で、、、レイ様、訓練が終わりましたら、鍛冶屋に行ってみてはいかがです?近くに腕の立つ鍛冶師がいるのです。」

「え?良いのですか?」

「勿論でございます、ローズ様には私のほうから話を通しておきますので。」

「、、、では、お言葉に甘えて、お願いします。」

「うむ、よろしい、」


~~~~


「っと、時間をとって申し訳ありませぬ、それでは、訓練を始めます。」





不定期投稿です。

面白い、また、少しでも先が見たい、と思った方話、ブクマ、感想をよろしくお願いします。

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