第5話 ルーナ家の屋敷案内。
馬車に揺られて30分程経っただろうか、そろそろ空白と酔いが耐えれなくなって来たころだ。
早くついてほしい。
おっと、丁度屋敷に着いたようだ。
「レイ君、着いたわよ?それと、私の家族は奴隷に対しての抵抗はないから心配しなくて良いわよ。」
「はぁ、、、分かりました。」
「フフッ、楽しいわよぉ?」
とは言っていたものの、、、これは、流石に、デカすぎるだろ!
(え?何なの?今時の伯爵家はこんなに広いの?これは楽しむどころか緊張で死んでしまうのではないか)
「お帰りなさいませローズ様。」
「お出迎えご苦労、ヒエムス」
「ところでローズ様、そちらのお坊ちゃまはどなたで?」
「あぁ、ヒエムスには話したわよね?チャッビー公爵とのこと。」
「となるとそのお坊ちゃまは例の奴隷でございますか?」
「その通りよ、本当ならこの子をこんなことに巻き込みたくなかったんだけど。」
「い、いえ!わたs、お、俺は納得していますので気にしないでください。」
「レイ君!、、、ありがとう!」
、、、俺はまた抱き着かれた。
それから10分後、ルーナ家とその執事、そしてメイド、そして俺が揃った。
「みんな揃ったわね?それじゃあ自己紹介をしましょう。まず、私の隣にいるこの人は、、」
「ネプラ」・ルーナ、ここの頭首だ。このようなことに巻き込んですまないと思っている、私たちにできることがあればできる限りのことはすると約束しよう。」
「そして、その横にいるのが、、」
「アクア・ルーナです。ローズ母様とネプラ父様の娘よ。宜しくね!」
「そして、後ろに立っている二人が、執事とメイドの、、」
「執事のヒエムスでございます。」
「メイドのレイエルでございます。」
「それで、最後に私、ローズ・ルーナよ、これから宜しくね。」
「レ、レイです!期待に応えられるよう頑張ります!」
「そんなに緊張しなくても良いのに~、、、」
そして、ネプラさんが言った。
「すまないがレイ君、ステータスを見せてもらうことは出来るかね?」
(え?ステータスって他人に見せることで来たんだ。となると、見せようと思った人には見せることが出来るのか、、、)
「はい。分かりました」
そして、俺はみんなにステータスを見せた。
「こっ、これは!?」
「どうしたの?あなた、、、ッ!?」
「どうしたの?お父様、お母様。、、、すっごーい!」
「失礼、不肖このヒエムスも拝見させていただき、、、何と!?」
「失礼します、不肖レイエルも拝見させて、、、え!?」
(ん?みんなどうしたんだ?急に焦りだして、、、まさか!俺のステータスが低すぎたのか!)
「あ、あのぉ、どうされました?」
「すごいわよレイ君!この若さでこのステータスは異常な位高いわ!これなら勝てる!」
「そんなに高いんですか?」
「あぁ、レイ君、一つ聞くが奴隷商のところにいた頃何をしていたんだ?」
「農作業と鉱山で働いていました。部屋に戻った後は基本寝る以外は鍛えてました。」
「それはいつからだ?」
「確か5歳の時からです。」
「そ、そうか、、、レイ君は精神力が相当強いようだ。」
「ご、5歳ですか、、、どうやら我々はとんでもない子を連れてきてしまったようですな。」
「それじゃあ俺は強くなれるんですか?」
「勿論よレイ君!これで強くなかったら世の中の全員が強くなくなるわよ!」
「すごいですレイさん!」
アクアさんが踊るように笑っている。・・・可愛い。
「それじゃあレイ君、今日の夜は歓迎会よぉ!それまでは自由時間だからぁ、、、ヒエムス、レイ君
にこの屋敷を案内して頂戴。」
「承知いたしました。」
「お母様!私がレイ君に案内します!」
「、、、分かったわ、お願いできる?」
『ヒエムス、アクアとレイ君に何かあった時のために気付かれないように見ておきなさい』
『承知いたしました。』
「はいっ!」
「そっ、そんな!悪いですよ。」
「そんなことないわレイ君、今日は体を休めなさい、それでも悪いというのなら、、、そうね、これは命令よ。今日は体を休めて、そして自分が奴隷ということを忘れなさい。」
「うっ!、、、分かりました。」
(痛いところを突かれたな。奴隷が主人の命令に逆らえないことを逆手に取られた。
仕方ない、立場が違いすぎて緊張が解けないが、極力緊張しないように見せなければ、、、)
「レイさん!行きましょう!」
「はい、お願いします。」
改めて声が出ないほどに驚いた、入る前にチラッと見た庭だけでも野球が出来るほどに広かったのに、屋敷内はそれ以上に驚いた。
さっきは緊張してたから見えていなかったが天井画高いのなんの、5メートル位あるんじゃないかと思える程だ。
そしてずっと上を見ていたので、アクアさんが留まっているにに気付かず、ぶつかりかけてしまった。
「すっ、すいません!」
「ふふっ!天井高いでしょ?」
「はい、感覚がずれているような感じです。」
「そのうち慣れるわ。」
「まずここがホールよ、開放感があっていいでしょ?」
「はいっ、凄いです。」
ホールは2階まで吹き抜けになっている。
ざっと10メートルくらいはあるのではないかと思う。そして天井ぬは巨大なシャンデリア、数千万はするだろう。
(マジか、、、これはもし壊したりなんかしたら殺されるな。気を付けよう。)
「で、ここの左の部屋は、みんなでご飯食べるとこ!ヒエムスさんとレイエルさんの料理とってもおいしいよ!」
「ひ、広いですね、、、」
少ない人数には大きすぎる机がドンっと構えている、しかし椅子はヒエムスさんたちの分を入れて5脚しかない。
(俺の知識では執事とかメイドって食事の時後ろで立っているイメージがあったけど、ここはそんなことないのか。仲、良いんだな。)
「この会は他に美術品?を置いてある部屋があるけど、私は良く分かんないから今度ヒエムスさんに教えてもらってね。」
「へぇ、どんなのがあるのか楽しみだなぁ。」
「それじゃ、二階に行きましょ!」
「二階は特に紹介するものは無いわね、私たちの部屋と、客間があるわ。ちなみに、さっきいた部屋は応接間ね。」
じゃあ次!外に行きましょう。」
アクアはテンポが良くて助かる。おかげで飽きない。
ところで、こんなに広い屋敷なのにヒエムスさんとレイエルさんの二人で整備してるのか?だとしたらとんでもない負担なのでは?
後で手伝えることがないか聞いてみよう。
「門を通って左は、噴水があるわ、それと花壇。いろんな花があってきれいでしょ!
そして右側には訓練所があるわ。ここで私は学園に入るために剣技とか魔法の練習をしているわ。」
「広いですねぇこれだけ広ければ回り絵の迷惑を考えなくても大丈夫ですね。」
「でしょ!やっぱひろいっていいわよねぇ。
まぁその話はまた今度するとして、訓練所のさらに東側には、小さいけど果樹園を育ててるわ。今がはるだから、もう半年もすれば食べられるようになると思うわよ。」
(半年後となると、、、リンゴのようなものかな?この世界にそんなものがあるのかわからないけど、、、)
「で、その北にあるのがぁ、、、今じゃだれも使ってないけど、小屋があるわ、前に見たの結構前だから、もう崩れちゃってるかもしれないけど、、、」
「その小屋、もしよかったら俺が使ってもいいですかね?」
「いいと思うけどぉ、、、お母様に聞いてみないとわからないわね。
ところで、何に使うつもりなの?」
「修行です。アクアさんが学園に入るために特訓しているんす。俺もやるべきことをしなければ!」
「それってやっぱり、、、剣舞祭に向けて?」
「はい。ローズさんに救ってもらった分、俺も恩返しをしなければ。」
「その、、、剣舞祭なんだけどね?私は出たことないから詳しくは分からないけど、毎年何人も死傷者が出てるのよ、、、。」
「そうなんですか?」
「えぇ、だから、できれば出ないでほしいの。」
「大丈夫です。そんな簡単に死ぬようでは、奴隷なんてやってられませんよ!」
(えぇぇぇぇぇ!!!、、まじかぁ、死人が出るのか、、、しかしここで俺が出ないなんて選択肢はないな。
もしでなかったりしたら、ローズさんだけでなく、アクアさんも奴隷になるって話だ、アクアさん可愛いからどんな奴が買うかなんて考えたくもないっ!覚悟を決めて勝ちにいくしかないな。)
「本当に?」
「はい、それに、約束しましたし、、、」
「何か言いましたの?」
「いいえ、何も言ってませんよ。」
「怪しいですねぇ、、、」
「いえいえ、きっと空耳ですよ。」
「、、、まぁ、そういうことにしておきますわ。」
「それじゃあレイさん!中に戻りましょう。そろそろご飯が出来る時間ですわ。
、、、それに、少し肌寒いですので、、、」
「分かりました、戻りましょう。案内ありがとうございました。」
そうして俺とアクアさん、後ろからついてきているヒエムスさんは屋敷内へ戻った。
俺がヒエムスさんを見てさりげなくお辞儀をすると、あの人は驚いていた様子だった。
(驚きましたぞレイ殿、まさかスキルを使っている私に気付いておられてとは。もしかしたらあの子ならば本当に剣舞祭で優勝を狙える才能があるのやもしれませんな。
早くローズ様に報告しなければ、、、)