第3話 ステータス!
少し長く書きました。
2020 5月24日日曜日、書き足しました。
あれから5年がたち、俺は10歳になった。
それまで俺は、農場に駆り出されていた。
しかし、多田農場に駆り出されていたわけではない。毎日毎日筋トレに勤しんだ。
筋トレを始めて半年後、あることに気づいた。
(あれ?なんか以前より体が軽すぎる。これは筋力が上がったなんてレベルじゃないぞ?どうなってるんだ?)
筋トレを始めて1年後、いくら何でもおかしいと思い、いろいろと心の中で念じた。
(ステータス!・・・ステータス!!・・・ピロン!)
(まじか!まさかほんとにレベル制が存在するとは、、、ふむ、どうやらこれは自分以外の人には見えていないようだ。)
そして俺は、ステータスを確認した。
《ステータス》
姓:無し 筋力:10
名:レイ 体力:8
職業:奴隷 素早さ:5
レベル:6 魔力:1
加護:無し 知力:1
《スキル》
・無し
《魔法》
・無し
《耐性》
・苦痛耐性Lv2、、、肉体的、精神的苦痛に対する耐性が上がる。
(、、ふむ、筋力と体力は畑仕事と筋トレのおかげでそこそこ高いな。そして知力は1と、、、まぁ、この世界のことは奴隷制度があること以外はほぼ何も知らないからな、それは仕方がない。)
そうして俺は自分のステータスを確認していった。
そして、遅れて気づいた。
(ん?魔力だと?この世界には《魔法》があるのか!?やはりここは異世界なのだな、、、っと思い出に更けている場合ではない。少しでも現状を理解しておかなければ、、、)
今ある情報の中で、知っておきたいことがいくつかある。
1つ目は、レベルだ、どうやったら上がるのかが分からない。
ただ筋トレをすれば上がるのか、自分に不利な状況で何かを達成しないと上がらないのか。
2つ目は、加護だ。
神様でもいるのか?
3つ目は魔力だ。
筋力、体力、素早さ、知力についてはどうすれば上がるのか何となくだが理解できる。
しかし、魔力に関してはどうやって鍛えればいいのか見当もつかない。
(ふむ、今ある情報をまとめるとこんなものか。わからないことは今は置いておくとして、やるべきことはハッキリしたな、筋トレをすればある程度ステータスは上がることが分かったから、続けてみよう。)
・・・そして今
(ステータス!)
《ステータス》
姓:無し 筋力:35
名・:イ 体力:30
職業:奴隷 素早さ:27
レベル:15 魔力:1
加護:無し 知力:2
《スキル》
・暗視:暗いところでも目がよく見える。
《魔法》
・無し
《耐性》
・苦痛耐性Lv4
(ふむ、あれから四年間、能力値を意識して鍛えたから結構上がったな。スキル《暗視》もゲット出来たな、やっぱ個々の独房めっちゃ暗いからなぁ、当然といえば当然か。 それに苦痛耐性もレベル上がったし、ちょっとやそっとのことで値を上げることはなくなりそうだな。)
(それにしても、最近はいくら筋トレをしてもレベルが上がらなくなってきた。外の世界にはやっぱり《魔物》とかいるんだろうか?だとしたら倒してみたいなぁ、実践のほうがレベルも上がりやすいだろうし。)
そんなことを考えていると、遠くから声が聞こえてきたので、ステータス確認をやめて、静かに座って目立たないように声のするほうを見た。
「いいのはあるんでしょうねぇ?」
「もちろんでございます!今日も良いのが揃っていますよ。」
会話をしているのは、奴隷商人(後から知ったが、あいつの名前は《ガロン》と言うらしい)と、いかにも立場が高そうな婦人だった。
その会話をしている2人が、何やら俺のほうに近づいてきて、俺の独房の格子の前で止まった。
「、、、決めた、この子にするわ。」
「はい!毎度あり!では早速ですが手続きをぉ、、、」
(ふむ、どうやら俺は買われたらしい。奴隷という立場とは言え、外の世界に出ることが出ジキルというのはテンションが上がるなぁ!、、、しかし、俺は何をさせられるのだろうか、、、荷物持ち?庭の整備?洗濯?それとも鉱山で働かされたりするのだろうか?)
などと考えていると、2人が戻ってきた。
「では、小金貨3枚になります。」
「はい。」
「毎度あり!」
そしてガロンが俺のほうに歩いてきた。
「おい小僧、あのお方がこれからお前の主人だ。」
「はい、分かりました。」
「よし、それとお前には魔法で命令に逆らえないようになっている。これからその権利はお前の主人のものになる。」
「はい。」
そしてガロンはあの婦人のところへ行った。
「それではこれからあの奴隷の所有権を移しますので手をだしていただけますかな?」
ガロンは奴隷たちに対する対応とはまるで違う、敬語を使っていて、とても違和感があった。
婦人が手を出し、その手を刃物で傷つけ、出てきた血を採った。
その地を何かの魔法陣に垂らすと、それに反応して魔法陣が光った。
同時に、俺の右腕に同じ魔法陣が出てきて、そして、きえた、。
「はい、これにて契約は完了いたしましたので、あの奴隷はあなたのものでございます。本日はありがとうございました!」
そう言ってガロンはどこかへ行った。そして、婦人がこちらへやってきて、話しかけてきた。
「あなた、名前は何というの?」
「えっと、なのk、、レイです。」
「そう、レイ、、、姓は無いのかしら、?」
「ありました。けど、なくしました。」
「っ!、、、分かったわ、これからは私があなたの主人の《ローズ・ルーナ》。よろしくね?」
「はい、よろしく、お願いします。」
思っていたよりずっと優しそうな人で少し安心した。
(ローズ・ルーナかぁ、ルーナは確かラテン語で月という意味だったはず、、、いい名前だなぁ。)
そんなことを考えていると、ルーナさんは独房のカギを開けて、俺の手を握り、外に連れ出してくれた。
(いくら今の俺が10歳とは言え、精神年齢はもう35歳だからなぁ、、、少し恥ずかしいな。)
そうして俺は、この世界にきて5年目にして初めて外の世界に出た。
婦人の名前、ルーナはラテン語で月が由来です。
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