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土龍と呼ばれた男  作者: アナホーリ三世
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さて早めの晩飯をしたものの、現在の状況ではいきなり就寝するには、危険すぎる。

周りの状況を確認する為、一旦周囲の状況を確認。

結跏趺坐をとり、鼻から息と共に気を取り入れ、練り上げながら丹田に降ろして行く。

背骨をスパイラル状に降ろして行く感じだ。

その後口からゆっくりと吐き出して行く。その時練り上げられた気を逆スパイラルで

延髄の近辺に持ち上げる。これを繰り返していく。これを何回か繰り返すと感覚が研ぎ澄まされ、

周囲の気の流れが感じるようになる。

何点か他の生き物の鼓動が感じられるが、敵意は感じられ無いようなので、自分の周囲に結界術を

組み気配を消す。

ポンチョをかぶり、マタギ刀を抜き身のまま地面に置き棒手裏剣を懐に、

壁に寄り掛かって目を瞑る事とする。


■◇■◇■


翌朝、未だ日が山陰から昇っていない状態の時間に目がさめる。

前方の景色を見てみると、昨日の景色とはがらりと変わっていた。深山幽谷とも言える程、山深かった

景色が、森があって平野があるなんだか長閑な光景に変わっている。

昨日昇ってきた渓流は高低差のない、普通の川に変わっている。

岩棚の高さは5m程度だったのが倍くらいの高さになっているが、傾斜は緩くなっている為、そんなに

苦労せずに降りて行けるだろう。


■◇■◇■


周囲の確認を簡単におこなったら、今度は何故ココにいるかを考えてみる。

多分神隠しにあったと言うのがホントの所なのかも知れない。

まぁ違う世界に移って来たとしても、自分一人で生きて行くすべは、それこそガキのころから師僧に

仕込まれてきたので問題はなかろう。

34年の人生を語ってみると(誰にだよ!)

実際戸籍上34歳なのだが、もしかしたら35歳なのかも知れない。

なぜなら自分は捨て子だったからだ。(捨てられてから数えている)

師僧が山篭りの修行をしている際に、拾ったとの事。その後色々あって師僧の寺に引き取られ

3歳から修行?をして来た。修行と言っても小僧さんがやる庭掃除だとか、お堂の掃除だけではない。

勿論読経、座禅、山歩き、薬草の採集、砂金採集、手裏剣投げ、格闘術、刀術、槍術、結界術、狩猟術

(鉄砲は使用しない)

まるで忍者じゃないかとある程度大きくなった頃に師僧に聞いた処、曰く鎌倉時代に一派を立ち上げた

高僧を護衛していた山人が祖であるとの事。たしかに忍びの術と言われるが、明治の終わり位までは、

その宗派の護衛をして暮していたと言われた。(他宗を論破するので敵が多かった)

その後、軍との繋がりが出来るようになった際に、中野学校で教員になったりしたそうだ。

戦後も細々ながら繋がっており、毎年幹部自衛官が何人か師僧に教えを乞いに来ており、その伝で

陸上自衛隊生徒として入隊したのだ。

学校はどうしたって?(相変わらず誰に行っているのだろう?)

学校は里に降りればあったが、小学校・中学校まで一人だけという限界集落超過疎地域。

非常に狭い中で14年間生きてきた。

生徒を卒業後、陸曹になりレンジャー過程を終了。部内幹部になろうかと言う頃、師僧の訃報を聞き

除隊した。

その後、寺に戻り跡を継いだという訳。檀家も無いし、何で糊口をしのいでいるかというと所謂、

拝み屋みたいな事をして細々と暮しています。ほら旧軍の駐屯地って結構出るでしょ?ちょくちょく成仏させてたんだよ!

まぁ米と調味料以外は山で採れるしね。

とりあえず朝飯の準備をしよう!




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