君が進むは一本道
庭に生えた花の花弁を風が吹き揺らす。
それにのってくる名前の分からない花の匂いが優しく鼻をくすぐる。
『ーー先生っ!』
僕をの名前を呼んでそうはしゃいだように小走りで駆け寄ってきたのは、教え子であるーーーだ。
『嗚呼、ーーーどうしたんだい?』
『あっあの、ク、クッキーを焼いて、みたんです…良かったら、食べてみて、下さぃ…』
頬を赤らめ目線を逸らしながら、手に持った天板を差し出す。差し出された天板には、まだ焼きたてのホカホカの少し焦げたクッキーが綺麗に並べられていた。
『美味しそうだね、有り難く頂くよ』
そういうと彼女は嬉しそうに此方を見る。
クッキーを一つ手に取り、口に運ぶ。口の中に広がるバターと砂糖の甘さ、そして焦げた苦い味。
『…ふふっ』
『!』
『美味しいよ、ありがとう』
『あっ、え!?…うぅ』
僕が微笑むと彼女は顔を真っ赤にして地面にしゃがみ込む。
『えっ!?大丈夫!?どうしたの?また体調が悪いの?』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこで目が覚める。
背中から硬く冷たい床の温度が伝わってくる。
「…ここは?」
大理石でできいる天井が目に入る。
身体を起こして周囲を見渡してみると、近くにランタンがあり、その中に蝋燭があり碧い火をゆらゆらと揺らし、周囲を薄暗く照らしながら静かに佇んでいた。
「…綺麗」
蝋燭の碧い火は海や空の色のように飲み込まれてしまいそうな程美しい碧で揺らめいていた。
ランタンのガラスの部分に触れようとして、ガシャンと何かが倒れる音がした。
「っ!?」
ハッとしてランタンを手に取って立ち上がり、警戒しながら周囲を改めて散策する。
步を進めて行くと、僕の居るこの部屋はどうやら出入りする扉が一つしかない事が分かった。
「…この先に進むしか」
扉のドアノブに手をかけ、ゆっくりと開いていく。
はじめまして、結です。
タイトルが変わる可能性があります。
投稿頻度は少ないですが、次も見て下されば幸いです!




