日本の漫画が海外で読まれることの異常性について。
思えば、とんでもないことかもしれない。
今、韓国の漫画の日本語版をウェブで読んでいて、気付いたこと。
それは日本の漫画の異質さである。
日本の漫画が、右から左にコマを読み進めるのに対し、韓国の漫画は左から右にコマを読み、ページをめくる。慣れないうちは、非常に面倒くさく、ずっと半分ブレーキを踏まれたような感覚で読むこととなる。
しかし、「世界標準」で考えれば、韓国の方がノーマル。
英語の教科書でも経験のあることだが、海外では、どういった本も左から右にページを読み進めていくことが一般。だとすれば、日本の漫画が海外で受け入れられているのは、この大きなひとつのハードルを越えてでも、海外の人間が読みたい気持ちになるということなのだろう。
例えば、「英語版の日本の漫画」を考える。
すると文字は横書きで左から右に読むのに、コマは右から左という性質の悪さ。ちょうど我々が韓国版の漫画のコマ割りに違和感を覚えるのと同じだが、世界的には日本の方が異端ということになる(中国の漫画は、ひょっとしたら日本と同じ方向か?)。
これらを踏まえると、日本の漫画が海外で受け入れられること自体が、いかにやばいかが分かる。ひょっとしたら、こどもの内から読み慣れていれば、そうではないのかもしれないが、オッサンになってからのアジャストには、まだまだ時間がかかりそうである。―― と朝から韓国の漫画を読みながら、ふと。
調べたら、中国漫画も左から右読みらしい。
日本の漫画は、ページの画像を反転した方が、ひょっとしたら海外のひとには読みやすいのかもしれない。
ちなみに横長い西洋絵画では、時間は右から左へと流れるように描かれる。たとえば、春夏秋冬を描くのなら、「右から」春→夏→秋→冬へとなる。こういった素地もあるから、日本の漫画も意外にすんなり受け入れられたと考えるべきか。