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第42話◇

 高見さんをはじめとした4人の新たな探索者をダンジョンに招いた翌日。

 時間は学校の放課後くらいである。


 再び彼女たちをダンジョンに招いてる、一応そこまで広いわけではないダンジョンなのでその内部について探索して理解してもらおうというわけだ。


 と言っても女子高生の3人はほとんどお散歩気分でいることの方が多いけど、私は以前高見さんと話したとおりハルカとアヤメに今度来るモンスターたちについて話を聞いていた。


「それではやっぱり次に来るモンスターもスケルトンなのかい?」


「そうよ、ただ今まで以上にスケルトンシップの数が多いから当然現れるスケルトンも多いわ」


「あのスケルトンサモナーみたいなヤツもかなり乗ってるんじゃないかしら~つまり離れた海上からでもこちらにいきなり乗り込んでくる可能性が高いってわけよ」


 スケルトンサモナーの魔法は反則もいいところだからな、可能ならそいつらが乗ってる船を真っ先に沈めたいがそこまではハルカとアヤメでもわからないらしい。


「可能なら先制攻撃で大半を沈めないところだけどな、そうすれば危険も減るし」


「どうかしらね、もしかしたら今のヒロキ君と私たちなら可能かもしれないわよ?」


「えっそうなの?」


 ハルカもアヤメも戦闘においては負けない自信が何故か常にあった。

 それは一体どこからくるものなのか前々から不思議に思っていた私だ。

 ここは一つ聞いてみよう。


「ハルカ、アヤメ。2人が言う今まで以上の規模でのモンスターの襲撃なんだろう? どうしてそこまで勝てるという自信があるんだ?」


 2人は顔を一瞬見合わせるそしてハルカの方が説明をしだした。


「そういえば話してませんでしたね、なぜ戦闘で問題なく勝てるはずなのに新たな探索者たちをこのダンジョンに招いたのかを」


「そうだよ、ノートパソコンを渡した時にネットについて理解したハルカは、やはりあまり多くの人間をこのダンジョンと関わらせるべきじゃないと以前言ってただろう?」


 人間の善悪は一目では判断できないしネットというのはほんの一瞬であらゆる情報を世界に広げてしまう。

 もちろん大半は他の情報に埋もれ見向きもされないのだがそれでも万が一ということがある。


 このダンジョンでの平穏な日々が私は好きだ。

 それが脅かされる可能性というな可能な限り排除しておきたい。

 それはハルカも同じ気持ちなのだろう。

 それでは何故その危険を犯してでも探索者達を新たに招く必要があったのかという話だが…。


「まず我々ダンジョンコアという存在はこのダンジョンに足を踏み入れた人間の人数に応じて自分たちの能力を拡張することができるの」


「能力の拡張?」


 ちょっと意味が分かんないぞ、もっと分かりやすくお願いしたい。

 あっアヤメが前に出て来た。


「ダンジョンに入る時に渡した黒いバッジがあったでしょ? あの若い子たちにダサいって言われていたやつね」


「あのバッジが何か?」


「あのバッジはねこのダンジョンに 入ってもいいって言う入場許可証みたいものだって以前ハルカが話してたわよね。あれがない者はこのダンジョンに侵入出来ない、余計な人間が入り込めなくする為の措置ね」


「それは助かる措置だと思ってるよ?」


 今度はハルカが前に出て説明を引き継いだ。


「しかしこれにはもう一つ目的がありますあのバッジをつけた人間が増えることによって我々ダンジョンコアの魔力やスキル…もっと単純に言えば戦闘能力等が上がるのよ」


 なるほどハルカの話を要約するとあれだ。

 ネトゲに出てくる参加するプレイヤーの数に応じてHPとか攻撃力が倍増するレイドボスみたいな感じである。


 ……何でそんなボスキャラの仕様がハルカとアヤメに適用されてるのかわからないが、いやダンジョンコアってダンジョンの大ボスみたいなもんだし存外間違った能力でもないのか?


「つまりあのバッチをつけてもらってここに来てもらう時点でハルカとアヤメからすれば襲撃してくるモンスターたちへと対処するのに必要な力というのが既に手に入ってしまったってことなのか?」


「その通りなのよ。だからあの子たちにはモンスターが襲撃する時にこのダンジョンにいてもらえればどこで何をしていても自由なの」


「何だったら私の集めた釣り道具とキャンプギアでも見せてあげようかしら、暇つぶしにはちょうどいいのよああいうのただ見てるのって…」


 二人の話を理解すると危険は確かにないのだろう。

 だが部活動とはいえ探索者としてきてる彼女たちに果たしてこの話をしてもいいのだろうか?

 いやっ良くないな。


「………とりあえずモンスターが襲撃してきたらそこには来てもらうおうか、目を届かないところに行かれる方がむしろ危険な感じがする…」


「それもそうね、私たちはモンスターを掃除するので彼女たちにはその間はその場所で待機でもしてもらいましょう」


「私たちのスケルトン無双見せてやろうじゃないの!」


「スケルトンは無双される側だと思うわ、かなり一方的な蹂躙になると思うのだけど…」


 モンスターが相手でも一方的に蹂躙される場面というのも大人である私的にはあんまり見せたくはないのだけどね。


「あっちなみにあの子たちがダンジョンにきて強くなるってのはヒロキ君も同じだからね?」


「………ハァッ!?」


 ちょっと待ってくれ、そんな人外な能力をいつの間に私は付与されたというんだよ。

 2人に話を聞く、どうやらそれも『ダンジョン』と言うスキルの能力の1つらしい。


 ダンジョン……お前は私を何者にする気なのですかな?

 心の中で質問すれど誰も答えなんて教えてくれないのである。

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