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第40話◇

 そしてこちらの依頼についていくつかやり取りをする、 と言っても主にやり取りをするのはダンジョン部の顧問という高見ルイシュさんとだ。


 まずこちらは依頼者、つまりお金を出す出資者であること、そしてこちらの依頼には条件がありそれはこれから向かうダンジョンで知り得た情報の一切の口外の禁止、スマホとかの撮影や動画で配信するとかもダメと言うのを伝えた。


 最近の特に若い探索者たちの間ではダンジョンでの活動してる動画を投稿することが増えている。

 と言うか私もその手の動画をいくつか見たことがあるのだ。


 口外禁止にしてもあんなもんやられたら情報が世界に拡散してしまう、恐るべきはネットの力である。


 少なくともまだまだ育成途中である我がダンジョン、世の中にその存在を知られると何かしらの迷惑が被るのは間違いないので辞めて欲しい。


 人間社会とはどうしても出る杭は打たれる、何も悪い事をしてないのにどこからか邪魔くさい人間と言うのは湧いてくる可能性は常にあるのである。


 ハルカとアヤメにもノートパソコンを与え、人間のネット社会に触れさせてみた結果やはり我がダンジョンについての情報をばらまくのは危険だというにふうに話はまとまっている。


 そのことを踏まえた上で高見さんとやり取りをした、そして結果としては彼女たちは問題なしという結論に至る。


 契約についても高見さんと工藤さんの2人と話をする。向こうの女子高生3人の方もこちらのを出す条件には特に問題はないようだ。


「それじゃあまずはこちらから、周囲に口外してない欲しくない情報の一つを話すとしましょう。それは私自身が持つスキルについてです…」


 私の言葉に4人は視線が集中する。


「それはこれから行くダンジョンについてで、ぶっちゃけると私のスキルはダンジョンを所有しそのダンジョンを育成するというスキルなんです。あとそのダンジョンに出入りできる唯一のダンジョンゲートを自由に出現させることができるしその出口を消すこともできる」


「「「「…………は?」」」」


  4人が同じような顔であ然とした声をあげた。

 まっ当たり前だろうね。


「ちなみにそんな感じのスキルだから戦闘能力とか期待しないでくれると助かります」


「………はい?」


 こちら工藤さんだ、お前は何を言っているんだという感じの目でこちら見てくる。

 だからあの時はハルカとアヤメの支援があったからであって本当に私個人はマジで弱いんだってば。


「…まずは論より証拠、ダンジョンに行く入り口を出します……ダンジョンゲート」


 スキルを発動させる。

 何も何もなかった普通の部屋にダンジョンゲートが出現した、工藤さん以外の女子が一瞬ビックリし過ぎて悲鳴をあげそうになって押しとどまる。


 さすがに4人の女性に悲鳴をあげられればダンジョンセンターの職員が入ってくるだろうから助かった。

 しかし事前に説明していてもこの反応か、工藤さんはそこまでの反応はしなかったのだけどむしろこっちの方が普通なのかもしれないな。


「あっそれと私のダンジョンに入るにはこのバッジをつけてもらう必要があるから、身につけといてくれるかな?」


 以前工藤さんにも渡した黒い円形のバッジを彼女たちにも渡す。

 この時に竹刀を持ってる赤城って子が「……えっ何これダサっ」とボソッとつぶやいた、その時私の手にしてるハルカブレスレットが独りでに震えていたりする。


 きっと何か言いたいことがあったんだろうな、まあダンジョンコアである2人の話はまだするつもりはないので無視である。


 見た目はダサくてもこのバッジを持ってないと我がダンジョンには入れないのでつけてもらう。


 つけないとダンジョンがある世界の何処とも知れない場所に放り出されてのたれ死ぬことになると説明するとみんなちゃんとつけてくれた。


 そしてダンジョンゲートへと入る。

 ゲートの先は白い砂浜と青い空と青い海そんな南国に近い雰囲気の場所である。


 女子がそれぞれ感嘆の声を上げる。

 何しろ今の日本は冬だから普通に寒い、そこから気温が一気に上がるのだ私も最初にダンジョンに来た時はこの温暖さにテンションが上がったもんである。


 本当に冬の寒さはきついからな、夏場の暑さも嫌なのだがここの気温は夏に比べるとそこまでじゃなくまさに春過ぎあたりの一番ちょうどいい気温なのである。


 我がダンジョンながらナイスな仕事をしていると自負をする私だ。

 テンションの上がった女子校生たちがやたらと和気あいあいとした姿を見せる。

 いやあの紺野って子は冷静だな。


 しかし内心はテンションが上がっているような感じである。

 そして反応が分かりやすいのは赤城って子だ、高見さんに注意されている。

 そんな様子を見かねて工藤さんがこちらに一言謝ってきた。


「すいませんダンジョンには慣れているのですがまだ高校生なので大目に見てください」


「構いませんよ、まだモンスターの襲撃まで時間もあります、まずはこのダンジョンに慣れてもらうところから始めましょう」


 少なくともダンジョンに来ていきなりスマホ出して自撮とか始めたりしてないし、まだちゃんと理性があるのだろうさ。

 そう思うことにしとこ。

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