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第127話◇

 更に青い通路を進む。

 すると今度は左右の水路から四体の半魚人が現れた、いきなりこちらより数を増やしてきたな。


「速攻で倒して数を減らします!」


「分かった、東雲さん私たちも出ますよ!」


「もう分かってますよ!」


 我々もゴーレムアームを手に半魚人に戦いを挑む。

 半魚人が槍で攻撃してきたのだその槍を躱してゴーレムアームでぶん殴る。

 半魚人は槍で攻撃を防ごうとしたが槍が破壊され、半魚人もぶっ飛ばしてしまった。


 あ~東雲さんのゴーレムの時にはいまいち悪かった調子が出て来たかも、黒山を相手にした時程ではないけど身体が動けるようになってる。


 多分私は目の前の相手に怒れば怒る程に戦闘力が上がるタイプなんだろうね、今はアラサーの年長者として響と東雲さんを守らなければという責任感から身体が動くようになってきていると思われる。


 速攻で倒してしまったので他の半魚人の相手も私がしようかな。

 東雲さんが一体の半魚人の相手をしていたらそろ~りとその背後に回ろうとする二体目の半魚人がいた。


 東雲さんはその事に気づいている。

 しかし目の前の半魚人の相手で手一杯なので顔色を悪くしてどうしょうと焦っている感じだった。


 流石に見てられないのでヘルプにイン!

 ゴーレムアームをぶん投げてそろ~り半魚人を叩きつける、そして一気にダッシュして接近してゴーレムアームをぶち当てられてツラそうな半魚人に跳び蹴りをかます。


 ぶっ飛んで壁に叩きつけられた半魚人、そのまま水路に落下して上がっては来なかった。

 その一部始終を見ていた東雲さんがあんぐりと口を開けている。


「いっ一河さんって本当に強かったんですね」


「だから工藤さんも散々言ってたじゃないですか!」


 いつの間にか半魚人を斬り伏せていた響が東雲さんのフォローに入り戦っている半魚人を切った。

 戦闘終了、今回も無傷で勝利する事が出来た。


 しかし二人の様子を見ると響は普通にしてるけど東雲さんは肩で息をしている。

 これはよろしくないな。


「東雲さん……大丈夫ですか?」


「くっ現役を引退して体力が落ちてさえなければ……」


 いや、いくら引退したからって東雲さんの若さなら殆ど誤差の範囲内でしょうに、ちょっと体力がなさ過ぎないかな?

 私は響と目があった、お互いにため息が出る。


 取り敢えずは東雲さんの体力が回復するまで待ってから再び探索を再開した。

 相変わらず一本道の青い通路、しかし途中で曲がったり階段になってたりと結構入り組んでた。


「この通路って半魚人しか出ないんですかね?」


「どうだろうね、普通ならもっとバリエーションがあるかもだけど……」


「バリエーションって……サマダン島って出て来るモンスターがあの黒い蟹が殆どでしたよね」


「いやっ東雲さん、実は他にもモンスターはいるみたいなんだけどあのバーサーカークラブから姿を隠してるみたいなんだ」


「そうなんですか?」


 この辺りはハルカに聞いた内容だからね、つまりあのバーサーカークラブは私たちが拠点としてるダンジョン島に現れるスケルトンと同じ存在。つまりはダンジョンの外敵だ。


 そんなのが我が物顔でこのダンジョンを練り歩いている、つまりはこのダンジョンはヤツらに支配されている訳だ。

 しかしこのサマダン島にはダンジョンコアであるハルカもアヤメもいなかった、だからダンジョンが消滅していないと思われる。


「……と、私は考えているだ。もちろん大半が予想なんだけどね」


「なんとダンジョンを保有してるなんて最初に聞いた時は眉唾物だと思ってましたけど、話を聞くと本当に一河さんがダンジョンマスターって感じに見えてきましたよ、それに強かったですし、なんで私のゴーレムの時は……」


「流石に東雲さんが作ったゴーレムを壊すような真似は出来ないですから」


「成る程~本当にありさにはこの思慮深さを持って欲しいもんですね~」


「……東雲さん、一つ良いですか?」


「なに? 響ちゃん」


「まゆつばものって……なんです?」


「っ!?」


 本当は単に力を発揮出来なかっただけだけどね、どうやら私の人間離れした身体能力って自身のモチベーションに左右される所がある。

 まあテキトー人間の私らしいと言えば私らしいからいいけどね。


 そして女子高生の間ではまゆつばが死語になっている事実に東雲さんが固まっている。

 本当に彼女はお笑いの才能とかあるかもしれないね一々リアクションが笑えるんだ。


 そうこうしていると再び左右の水路から半魚人が現れた、しかも今度は身体の大きさが違う個体が存在する。

 一般の成人男性くらいのは相変わらずの槍装備、さかし小型な半魚人はボウガンを持っていた。そんなの水中で持ち歩いててダメになったりしないのかと疑問に思う。


 更に外人並みに大きな個体もいる、ソイツらはマッスルで大剣とか装備していた。あの半魚人の一撃とか食らえば人間くらい真っ二つに出来そうだな、要注意である。

 それぞれ二体ずつの計六体か……これは油断出来ない戦いになりそうだ。


「流石に数が不利過ぎます! 私がゴーレムを出すので援護をお願いします一河さん!」


「分かりました、響も突撃し過ぎないようにね」


「え~~分かりました」


 まあ接近しないとまともに戦えないのは私もなので気持ちは分かるけどね。

 半魚人はやはり槍と大剣を装備したヤツらが前に出て来た、ボウガン装備の半魚人は後方で構えている。


 本当はあのボウガン装備を瞬殺したい、だって戦ってる最中に矢が飛んで来るとか冗談じゃないかだ。

 早く東雲さんがゴーレムを出してくれてそれを盾にしながら上手いこと戦いたい。


「ギィイイーーーーーッ!」


 半魚人が奇怪な声を上げて槍を振るってくる。

 それを躱していると足元に矢が飛んできた、危なかった、そしてやっぱり二体以上の敵に同時狙われるのって対処が大変過ぎるって!


 仕方ない、少し位置取りを意識して立ち回ろうか。

 ボウガン装備の半魚人と私との間に槍装備の半魚人を挟むように移動する。向こうが動けば私はその逆に動く、結構幅があるとは言え通路で左右には水路もあるので動くにも限界があるのは助かった。


 あっボウガン装備が水路に片足を突っ込んでバランスを崩して落ちた、今がチャンスだね!

 私は一気に槍装備の半魚人に接近するそしてゴーレムアームを振るい重い一撃をお見舞いした、ダメージを受けた半魚人のお腹に思いっきり蹴りをかます。


 蹴り飛ばした半魚人は水路から上がった半魚人とぶつかる。更に追い打ちをかけようとしたらもう一体のボウガン装備の半魚人と大剣装備の半魚人の一体が現れた。


 見ると響は大剣装備の半魚人と一対一で戦っていた、ならここは私がなんとかするしかないか?

 そう思っていたら水路付近の半魚人二体が謎の雷撃を食らった、こんがり焼けて倒される半魚人二体。


 雷撃が来た方向を見るとニンマリしてる東雲さんと片腕が大砲みたいになってるゴーレムがいた。

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