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第118話◇

 東雲さんが我がダンジョンに住む事になってから数日が経過した。

 彼女は直ぐに古民家を引き払った、ダンジョンに住むなら家賃が無駄になるだけだからだそうだ。


 本気でここに住む気なんだね。

 一応は東雲さん専用のテントを新しく用意して彼女の家の荷物は我が家の居間とかに置いている。


 この頃、ネシアの所のドラゴンメイドたちが出入りしているのだがとりあえず放置している。


 何をするのか分からないが下手に目にすると考え事が増えそうだから距離を置いているのだ。

 そして現在の私はキャンプ用のイスに腰掛けてテーブルの上に置いてあるコーヒーを飲んでいる。


 ゆっくりとした時間が流れる。

 本当はサマダン島の事とか色々あるのだが少し休んでいる私だ。

 あっ響がアズサとさゆりと高見さんを連れてまたサマダン島に行くようだね。


「それじゃあ今日も探索範囲を広げるわよ!」

「やる気満々だね、響」


「……私も強い装備とか欲しいわ」

「紺野さん、あの刀は借り物らしいわよ?」


 近頃はネシアに強力な刀を貸し出された響のダンジョン探索のモチベーションが高く連日でサマダン島に出掛けている。


 もちろんハルカに危険があれば直ぐに知らせるか、緊急なら助っ人に入ってくれるように頼んでもいるので安心して送り出せる。


 あのバーサーカークラブなんて今の響なら余裕で倒せているらしい。

 さゆりは初見からスキルで殲滅していたらしいけどね。


 元気に駆けだしていく響とアズサ、その後ろから歩いてついて行くさゆりと高見さんである。


 さてっそれじゃあ私も昼寝でもしようかな。


「あっ一河さ~ん」


「東雲さん?」


 みると東雲さんと何故かアヤメがこちらに向かって来ていた。

 最近気が合ったのかちょくちょく二人でいる所を見かけたけど、何かあったのかな?


「二人ともどうかしたのかい?」


「ええっ実はですね……」


「すこ~しだけヒロキ君に協力して欲しい事があるのよ~」


 何だろう、この二人がニマニマしていると理由もなく嫌な予感がするのだけど。


「……まあ別に構わないけど」


「よしっそれじゃあ拠点から少し離れるわよ!」

「おいさーーー!」


 なんか東雲さんがアヤメの子分みたいになってる。

 本当にこの数日で二人の間に何があったんだ?


 そして場所を拠点から少し離れた草原地帯に移す、モフリンベアーたちや野菜の精霊たちが住んでいる森林と拠点の中間くらいの場所だ。


「それで、アヤメ、東雲さん、私は何をすればいいんのかな?」


「はいっ何でも一河さん、実は結構強いですよね? ありさやアンジェがよく話してましたよ?」


 強いかね……正直体力面は東雲さんより多少マシってレベルだしモンスター相手に無双出来るのもハルカとアヤメの強力な攻撃スキルがあるからだと思う。


 私自身となるとそんなに強くなんてないのではないかな……。


「私の戦い方って離れた所から銃で攻撃するだけなんですけど…」


「も~ヒロキ君は謙虚すぎなのよ! ヒロキ君が本気になればあのサマダン島だって真っ二つに出来るのに!」


 私がどんな力に覚醒すればそんな真似が出来ると?

 アヤメって本気にテキトーな事を言うときって考えなしで言うよね。


「……それで私が仮に強かったとしたらどうしたんですか?」


「ええっ実はこれの能力を試したくて…」


 そう言って東雲さんが見せてくれたのは手の平に乗るキューブだった。

 その中には人型の…ブリキ人形?

 そんな感じのが中に納められていた。


「それは?」


「実はこれ、私の『錬金術』で作った自動戦闘が可能なゴーレムなんですよ」


「ゴーレム……東雲さんのスキルはそんなものまで作れるんですね」


「ええっ人型以外にも小型の鳥ゴーレムとか人間が乗れる重機みたいなゴーレムなんてのも作ったんですよ!」


 すごいな『錬金術』!

 何かのゲームの中の錬金術師みたいに何でもかんでも作れてしまってるじゃないか。

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