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第108話◇

「ハアッ!」


 速い、迫るバーサーカークラブの前に突撃したハルカ。

 なんと腕を黒い刃物へと変化させた。

 右腕を手刀みたいに構えたら一瞬で刃になっていた。


 あまりにも一瞬の出来事過ぎて見逃してしまった。

 見逃したのはそれだけじゃない、ハルカがバーサーカークラブのハサミハンマー攻撃を躱したと思ったらその背後に一瞬で移動したのだ。


 そして気が付くとバーサーカークラブは真っ二つになって倒されていた。

 ハルカ……本当に強すぎない?

 アラサー要らない説が再浮上する程に圧倒しておりますね…。


 すると再び地面からバーサーカークラブが現れ、ハルカを脅威と判断したのか数にものをいわせて迫る。


「いくらパワーがあってもスピードが遅すぎるわ……これで終わりよ!」


 再びハルカが殆ど残像みたいなのを残しながらの高速移動。

 バーサーカークラブは構えたハサミをどこに向かって振ればいいのか分からず、なんかわちゃわちゃしていた。


 テキトーに振り下ろしてハサミを切り飛ばされるカニ。

 迷い過ぎて結局動く前に胴体を輪切りにされるカニ。

 手当たり次第に振り回して両方のハサミが切り落とされた事に気付かないでそれに気が付いたタイミングで真っ二つにされるカニ。


 実に様々な死に様を見せてくれたバーサーカークラブたちであった。


「すっすごい! すごすぎますハルカさん!」


「うんっまさかあそこまで出来る人だったなんて驚きです!」


 響は似たような刃物を獲物にしてるからなのかバーサーカークラブの綺麗な断面図を見ながら驚いていた。


 アズサもハルカのスピードと攻撃力を目にして目を見開いている、まあハルカは人じゃなくてダンジョンコアなんだけどね。


「ハルカさんってあんなに強かったんですね一河さん」


「何でもダンジョンが成長したかららしいですよ」


「え? ならダンジョンが更に成長すればもっと強くなるって事ですか?」


「はい恐らくですが、多分間違いなく…」


 私とのやりとりで工藤さんが驚きを超えてあ然としてしまった。

 だってハルカとアヤメは色々な意味で完全に規格外なんだもの、仕方ないですよ工藤さん。


 ……あっそう言えば高見さんの方にもバーサーカークラブが。


「…………」


 そこには誰にも戦いに注目されずに一人佇む高見さんがいた。

 なんか地面から生えた大きく太い光の杭みたいなのがバーサーカークラブを何体も串刺しにしている。


 きっとあちらにも地面に隠れていた個体がいたのか最初に見たときよりも数が多い。


 恐らくその潜んでる敵の存在を見抜いた上であのスキルか何かでバーサーカークラブを全滅させたんだ。


 ただその活躍は全てハルカの超人じみた活躍によって誰の目にも触れる事がなかっただけなのだ。

 ちょっと不憫だな…よしっここは私がフォローに回ろう。


「響さん、アズサさん、高見さんの方のバーサーカークラブも倒されている見たいだよ?」


「あっそうみたいですね」


「あれば『聖光杭ホーリースパイク』てスキルですよ、地面に魔銀製の釘を巻いてそれを触媒にする事で使えるスキルで地面から光の杭を出してモンスターを串刺しにする攻撃スキルです」


 まままさかのあっさり返事とスキルの解説!?

 せめてスキルの説明は高見さん自身から話すのを待つべきだったんじゃ…。


 高見さんがこちらをチラッと見てちょっと信じていた何かに裏切られたかの様な切ない表情をして明後日の方向を向いてしまった。


 あれは拗ねてる、確実に拗ねてるね。


「……工藤さん」


「ははは……ルイシュさんってたまに子供みたいになる時があって…ああなると長いんですよね…」


 顧問の先生が?

 せめてダンジョンの外で拗ねて欲しいです。

 まあ気持ちは何となく分かるけどね。


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