第101話◇
新章、夏島ダンジョン編って所です。
よろしくお願いしますします。
新たなダンジョン島が現れた。
早速私はその島へと足を踏み入れる、このダンジョン島に入る最初の…。
「一番乗り頂きーー!」
「!?」
くっまさか私が進む速度を緩めた隙を狙って追い抜いてくるとは、アヤメめっまさか狙っていたと!?
そもそもこの砂浜が歩き難いのも問題だよ、最初はなんか良い感じだったのに五分も歩くともうちょっとダルってなってたもん私。
やはり人間は歳を取ると先陣を若者に持って行かれる定めだと言うのか?
言っちゃ何だけど今時はアラサーも十分若い部類に……いやっそれを言ってるのはそこそこ歳食ってる人たちだけだったっけ?
まあ何はともあれ新たなダンジョン島が現れるなんてスペシャルなイベントがあったんだ、ここはこのダンジョンのダンジョンマスターらしい私が先ずはこのダンジョン島を探索し、後からくるアンジェさんや工藤さんたちが来てもここは安全なのかを調べねば。
いつもハルカにダンジョンの事は全て知ってますムーブをされているから今回は私もハルカに近い立場でマウントを……いやっ知識を持った上だみんなを案内したいのだ。
と言う訳で早速件のダンジョン島へと到着した訳だ。
アヤメに到着したヤツ第一号の称号は取られてしまったが二号にはなれた。
ハルカは大人なので悠々と三号として到着している、私ももう少し大人な性格にならないとね。
まっ無理な事は仕方がない。
早速探索開始である。
先ずは砂浜からの景色を見てみる。
「おおっこっちの島も壮大な自然があるねー」
砂浜から向こうは直ぐに大きく好き勝手に伸びている木々の森がある。
イメージとしてはマングローブに近い、歩けはするがかなり動きが制限されそうな密林って感じだ。
その向こうには大きな崖を形成する岩山の類が軒を連ねるかのように現れている、あそこから下を見たら私の息子さんがヒュッてなると思う。
そしてその先には温泉火山に勝るとも劣らない大きな山があった、先が尖っていない、火口的なへこみが見てとれる。
もしかしたらネシアみたいにあの辺りを根城にしてるドデカイモンスターとかいるかも知れない。
未知のダンジョン島に様々な想像を膨らませながら一歩を踏み出す。
するとハルカが声をかけてきた。
「ヒロキさん、密林に入る前に空を見てちょうだい」
そら?
不思議と思い改めて空を見る。
そこにはいつもの青空が広がって…。
「あっ」
気付いた、雲が違う。
ダンジョンの外、つまりは日本は今は夏休み手前の季節である。
五月辺りからやたら暑かったり、そうかと思えば寒かったり雨が酷く降ったりとそれはもう自然が好き放題していた。
まあそんな日々も大半をダンジョンに入り浸る日々を過ごしていたのでたまに日本にいくとウワ~となるくらいだった。
何故なら我がダンジョンは青空と太陽の光はあれど気候も気温も春から初夏の丁度良い具合のまま変化する事は無かったからね、ずっと過ごしやすい気温でのんびり生活していましたとも。
思えばそんな我がダンジョンからこちらの島に来た途端、その気温が変化した。
正直に言えば結構暑い。
そうっこの暑さは間違いない。
あの夏の暑さだ!
そして青空にはモクモクと広がる夏の雲、あの入道雲が現れとーる。
これはもう確定だろう。
「ハルカ……このダンジョン島は…」
「ええっここはヒロキさんがいたあの日本で言うところの夏の季節を彷彿とさせるダンジョン島なのよ」