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機会
1週間後、彼に彼女が出来たことを知った。
相手は同じ部活で同じクラス、天然で有名なかわいい子だった。私も相手の子と友達だ。とても面白い子で好きだった。多汗症であることを恥ずかしがっている様子は誰から見ても可愛かった。
実際そこまで、悲しくはなかった。たぶん、まだ恋じゃなかったからだ。数回話したことのある男子に彼女ができただけだった。それだけだった。
その後、彼と話す機会もだんだん減った。と同時に、私のコミュ力もだんだん上がり、違う男子とも仲良くなった。イケメンだけどバカな男子。恋愛対象ではなかったけれど、話すのは楽しかった。そいつと毎日LINEをしてた。夏休みには電話もした。
それはまた彼と話す機会を生む。イケメンと彼は仲が良かった。夏休みもずっと遊んでいたらしい。ある日イケメンから電話がかかってきた。なんだろう、と無言で電話に出た。斉藤さんというアプリに繋げられたらしい。が私は無言であった。イケメンのまわりには複数人の男子がいたらしい。話し声が聞こえた。その中に彼がいた。