笑いキノコ譚
これは私の母のお話…。
母が小五の頃の事だそうです。
母の実家はあんまり豊かではなく、お弁当は日の丸弁当(わかります?ご飯の真ん中に梅干し)が常で、カレーにはお肉ではなく、魚肉の天ぷら―おでんに入ってるあれですね―が入っていて、まぁ、ギリギリだったんですね。家族が多かったものだからな…と本人は語ります。
さて、とある秋の日。
父と兄がキノコ狩りに行ってきた。
鍋にして食べた。
結果…ゲラゲラ、ウフフ。
家族(当時の内訳、父、母、兄、娘たる母)四人(ちなみに他のきょうだい達は独立したり、寮付きのところに勤めてたりした)でおかしくもないのに、涙を流しながら笑い転げる。
「苦しかったぞ…あれは…」
ところが病院に行く、などという発想のない(お金の関係で…)一家は
「いやぁ、参ったなぁ」
「仕方ない、寝るか」
と笑いながら、就寝したそうです!
よくぞまぁ、死ななかったものです…。
以来、母はこと食べ物に関しては神経質になり、少しでもヤバい、と感じたら食べない、食べさせないを徹底しています。
だからね、例えば誤食(ニラと水仙とか)のニュースを観ると「どうして、食べるかな…?」と首を傾げています。
そんな母に育てられた私は、自然、警戒心が育ち、怪しいものは口をつけません。
味覚の秋、食欲の秋ですが、気を付けて楽しんでくださいね。