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お花屋さんの中村さん  作者: あむ
1/1

出会い



好きなお花屋さんがあった


そんなに大きくない

個人でやってるような

こじんまりとしたお店だ



お花が

生き生きして見えたし

見たことない種類のお花があって


わたしにはわくわくする場所だった


何よりそこの店主が感じがいい

正直に言う…



タイプだった



つまり、その素敵なひとが

営んでるから(きっと)

そこで愛でられるお花達も

キラキラ見えたお花を飾る様になったのは

頭痛が止まらない日に

ふと、ベッドサイドに置いたことだった




頭痛薬を飲む程ではない痛みの時に

置いておくと翌朝には良くなる



不思議に思いながらも

私にはすごく有効な「薬」だと知っそれ以来、

スーパーの脇にある

見切り品とか安いお花を買ってきては

家に飾っている

お花は私にとって

元気をくれる欠かせないものになった



それが、今では

この素敵な店主に会いたい為に通う

お花を買うのが口実である




「こんにちは」



「あ、いらっしゃいませ!

こんにちは〜」



ニコッと笑った

はあぁ…

えくぼがすてき…



全身が沸騰するみたい


人間の身体が90%水でできてる

それがわかる瞬間だ




私は恥ずかしくなると

感情を隠す癖があった



だから、すごく照れてるのに

とても無愛想にしてしまう



好きじゃないひとには

自然体で接することができて

好かれる

ほんと

損な性格である



できる限り

お花に絡めて

中村さんのことを知りたい

質問したりする



最近は、この鈍感なわたしでも

気づくぐらい中村さんから

プライベートのことを

沢山質問されることが増えた




…期待してしまう



いやいやそんなはずは

ないし、そう思うんだけど



でも、中村さんから

わたしに対しての視線が

前よりずっと真っ直ぐに向けられてる


そう感じてる




あーこんな時



何と言ったらいいのか?


もっと近づくには?


連絡先を渡す?


慣れてるって思われたらどうしよう


デートしてください?


彼女いたらどうしよう




いやもう何にも知らないし

どうしていいかわからない



友達に聞くと

とにかく遊びましょう!とか

誘ってみよー!とか



わかってる…


わかってるんだけどさ…



あーー

それができたら

相談してないんだよ…



いろんな言葉が

駆け巡りながら




結局、言いたいこと気持ちを


飲み込んで呑み込んで


たわいも無い話だけして


いつもお店を後にするのだった




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