虫歯菌が繁殖中!
ボクの名前は、『虫歯菌』 歯にバイ菌があれば、、、!
強力な力で、増殖できるバイ菌なんだよ。
だから! 歯を磨かない子が大好きだ!
ボクの今の住処は、、、?
湊クンという男の子の口の中なんだ。
湊クンは、いつもママにこう言われているよ。
『ねえねえ、湊! ちゃんと、歯を磨いて寝なさいよ!
昨日は、歯も磨かずに寝ちゃったでしょ!』
『分かってるよ~ママ! 明日からちゃんと磨くから~!』
『いつも、そればっかりじゃない! そのうち、“虫歯になるわよ!”
そうなったら? ママ知らないからね!』
『分かった分かった! もうぼく、学校に遅れるから行くね!』
『もぉ~しょうがない子ねぇ~ あぁ! 忘れ物してないの?』
『してないよ~行ってきまーす!』
『いってらっしゃい! 気を付けて行くのよ~!』
『うん!』
湊クンは、ママの言う事を聞いていないようだ、、、!
まあ~そのおかげで。
ボクの仲間が、湊クンの口の中でただいま増し増しに繁殖中!
仲間が次から次へと増えていってるよ。
最高の住処だな~!
*
湊クンは、気づいていないようだけど、、、。
完全に、キレイな歯だったところに黒ずみがあるんだよ。
そう、それは! 既に【虫歯だ!!!】
そのうち、湊クンの口の中で大変な事になる事を湊クンは知らない、、、!
『ママ! ママ!』
『どうしたの、、、?』
『あのね? 歯が痛いんだよ!』
『どれどれ? 口を大きく開けてみて! あーん!』
『アーン!』
『あら? 虫歯が出来てるじゃない! だから、頬っぺたが少し
腫れているのね?』
『ママ! どうしたらいいの、、、?』
『“歯医者さんに行くしかないわね!”』
『いやだ~! イヤだ~! 歯医者なんか行きたくないよ!』
『仕方がないでしょ! そのまま、ほって置いたら? 歯に大きな
穴があいちゃうわよ! そうなったら、、、? 歯を抜かないとね!』
『・・・もし? そうなったら? どうなるの、、、?』
『麻酔の注射を打ってから、歯を特殊な器具で削ったり割ったりして!
歯を取るんじゃないの、、、?』
『えぇ!?』
『ママだって、分からないわよ~! ママは虫歯になった事が今まで
ないんだもの!』
『・・・そうなの?』
『ママね! 歯磨きするのが好きなのよ! 歯がキレイになるのが好き
だから! 歯磨きをしないなって! 考えられないわ、、、!!!』
『・・・・・・』
『さあさあ~取り敢えず! 歯医者に予約を入れて! 歯医者さんで歯を
診てもらわないとね!』
『・・・ううん。』
▽
その頃、、、。
ボクたちは、湊クンの口の中で湊クンの黒ずんた黒くなった奥歯を
ジリジリと溶かす液をかけたり、歯に詰まったお菓子のカスを食べたり
最高の時間を過ごしていたんだよ~!
『おーい! もっとやれ~』
『歯を溶かす液をもっともっと! かけていいぞ~!』
『ココに! お菓子の残りカスがあるよ~!』
『じゃんじゃん! 食べようぜ~い!』
歯医者に行くまでの間に、、、。
湊クンの右の頬っぺたは、どんどん腫れあがっていったんだ、、、!
『ママ! 歯が痛いよ~どうにかして?』
『もう直ぐ、歯医者さんに着くわよ!』
*
湊クンは、大泣きして右の頬っぺたをずっと手で触っていたんだ!
『先生! この子の右の頬っぺたが腫れてまして。』
『じゃあ~湊クン! お口を大きく開けてくれるかな?』
『うん!』
『あーん!』
『アーン!』
『あぁ~これは! 虫歯ですね!』
『・・・・・・』
『先生!』
『虫歯を退治するスプレーを歯にかけてから、治療していきましょう!』
『歯を抜かないの?』
『抜かないよ! 今は、歯はよっぽどの事じゃないと抜かないんだよ!』
『あぁ~良かった!』
『はい! じゃあ、治療しようか!』
『うん!』
*
その頃、ボクたちは、、、?
『ひょえ_____________________!?』
『なんなんだ! この液は、、、?』
『わーーーーああああ! ボクたち押し流されているよ!』
『助けて____________________!!!』
*
『良かったわねぇ~歯の腫れも引いてきたいみたい!』
『ママ! ぼく、これからはちゃんと歯を磨くね!』
『そうね!』
『うん!』
次の住処を探さないとな、、、!
もう、ココにはいれないよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。