少女の目覚め
この作品を読む前に
基本的には直しや、あとから肉付けをしてないので最初の方は下手だと思います。最新部になれば上手くなってる(はず)です。
短い時間で書いて投稿を繰り返しているので一部一部の量がとても短いです。
また、読んでみてつまらなかったらどこがつまらなかったか感想など書いてくださると嬉しいです。
「ようやく、必要な分だけそろった」
何も無い闇だけの世界で少女の声が響く。
「長い間待った。彼の願いを叶えるために私は存在する」
少女の声にはどこか苛立ちが混じっているようにも聞こえる。少女は待った、待ちに待った、何も無い空間で数えるのが面倒になるほどに待った。ならば苛立ちがまじるのもいたしかたない。
声は聞こえる。だがそこには少女、否、物体すら無い。
ただ闇だけがその世界を支配している。ただただ暗く、怖い。
自分が何者で誰なのか分からなくなるような世界。そこに人が足を踏み入れれば謎の焦燥にかられることだろう。
「そろそろ起きないと」
少女の声がするとどこからか光の粒子が生み出される。一粒一粒は小さい。小さな粒か1つ、またひとつと近くの粒子と合わさっていきいつしかそれは巨大な光の塊となっていた。
光の粒子が辺りを照らす、がやはり何もない。
しかし、先程までとは違いどこからか少女とは別の声が聞こえる。
『もう、絶対に間違えないようにするから。絶対に手からこぼれ落ちることは無いから絶対にお前を生き返らせるからな』
聞こえてきたの少年の声だった。とても若い、否、幼いと言った方が近い少年の声だった。だが、少年の声質とは裏腹に声には怒気と固い、堅い決意を感じる。
「ふふ…………準備は出来たかな」
少女は少年の声を聞くと笑ってしまった。けっして少年の決意の言葉を笑ったのではない。ただ、少年の声を聞けたことが嬉しかったのだ。気づけば少女の声からは苛立ちは消え、上機嫌の声に変わっていた。
いつの間にか光の粒子は全て一箇所に集まっていた。
圧縮したかと思うと膨張したかのように光が爆発する。
辺りを照らしていた光とは比べ物にならないほど光がこの世界全体を照らす。
気がつくと光は消えそこには裸の人間がいた。
綺麗な黒髪が特徴的な幼さ残る少女。
少女は自分の体の調子を確かめるように手を握ったり閉じたりする。その場で跳ねたり首を回したり、しばらく寝ていた人が急に起きたような様子だ。
「今行くよ」
今度の声はしっかりと少女から発せられる。
その声は先程までとは違い辺りに響かない。
しっかりと人間の喉から声が出ている証拠だ。
「待っててね」
少女は地を蹴る。もちろんここには地面など無い。だが少女は地面がある、蹴っていると言っても違和感のない動きでどこかへ向かって走り出す。
光から生まれた少女は少年の願いを叶えるために少年の元へ駆けていく。