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電脳世界と人生ゲーム  作者:
第ニ編
7/10

第二編 第2話 能力

ほんとたまに投稿する感じなので、よろしくです。

ある休日の日。

その日は朝から体の調子がおかしかった。


「ご主人様、、まさか、、」

ゆらが小さく何度か呟き、朝飯を食ったばかりのおれに話しかけてくる。

「ご主人様っ、ついに完全体になられたのですね!」

は?

「ついについに!です。」

は?

「だから、完全体です!」

は?

「だからかんぜんたいです!」

いやだからさ、その怪物の最終形態みたいな呼び方してるやつ何って聞いてんだけど。


「だから、完全体です!」


こいつ、バグってやがる。

どうしたもんかな。そもそも完全体ってなんだよ。

「ご主人様、近くに公園がありますよね?

ちょっとその公園まで行きませんか?」

うぇぇ、めんどクセェな。おれは今日一日アニメを見るって決めてんだけど。

「そんなこと言わずに、さぁさぁ」



「兄さん?なに?独り言?

なんか兄さん最近変だよ?」

うわっと。妹いたのかよ。

「なんでもないって。今日の予定考えてたんだよ。」

「ふぅぅん。」

妹の唯子は今年中学二年生となり、人を疑うということを覚えたらしい。

「まぁ、いいよ。で、兄さん今日はどこに行くの?」

「ちょっとそこの海浜公園に行ってくるよ。」

「ふぅぅん。どうして?」

「まぁ、なんとなく散歩したくなった、からかな?」

「なんで疑問形なの。

それならわたしも一緒に行っていい?」

ふぇ。なんでや。

「いいけどさ、お前今日は留守番するって言ってなかったか?」

「それはそれだよ。とりあえずついて行っていい?」

どれだよ。しゃあねぇな。

「わかったわかった。んじゃあ昼前に出て飯でも食って帰るか。」

「うんっっ!」

おれは別に妹属性があるわけではないが、

唯子の笑顔はとても可愛いと思う。

学校でもさぞかしモテてるんだろうな。

いつか嫁に行く日がくるのか…

はぁ、兄としてはとても辛いぜ、なんてな。


「ご主人様っ?」

妹が丁度いなくなったタイミングでゆらが出てくる。

お前なんでいなくなってたんだ?

「ご主人様が妹さんとでーとの話をしてたからですよぉ?そんな時に冷やかすのはわたしの性格にそぐわないですから。

妹さん連れてってもいいですけど、

怪我させないように気をつけてくださいね?」

デートじゃないし。わかったって。

そもそもあいつだって怪我する年齢じゃないだろ。






そして、昼前。

「唯子〜。そろそろ出るぞ〜」

「はーい。少し待って〜」


しばらくして唯子が自分の部屋から出てくる。

「うおっっ」

思わず見惚れる。

「どう、かな?」

一言で言うと天使。

おれに妹属性があったら3秒でプロポーズしてたな。

「に、兄さん?」

「いやなんでもない。

やっぱり唯子のセンスは抜群だな。」

「えへへ、ありがと。」

唯子はいつもの笑顔でそう言った。

「それじゃ行くか。」

「うんっっ。」





浦野田海浜公園はうちから歩いておよそ40分くらいのところにある。

そこそこ遠いのだが、唯子と色々話しているうちに着いた。

「ついたぁー!!」

唯子が珍しく伸びをしている。

「久しぶりに来たなーここ。」

「いつぶりだっけな。

五年近く来てないんじゃないか?」

「それくらいだったかなぁ〜。」

たわいもない話をしている時に、ふとゆらのことを思い出した。


「それじゃしばし自由行動ってのはどうだ?」

「兄さん何か用があるの?」

「ちょっとな〜」

「むむむ〜。まさか女の人とかじゃないよね?」

は?

「そんなんじゃないって。

ただちょっとな。」

「そんないうなら深くは聞かないけど。

それじゃわたしあの宝石博物館に行ってくるから、

用事が済んだら連絡してね。」

「りょーかい。」



さて、と。

「ご主人様、妹さんと随分仲がよろしいのですね?」

まぁな。反抗期とかもないしな。

これからくるのかもしれないけど。

「ふーん。

それはそれとして、本題に入りましょう、ご主人様。」

朝言ってたやつか?

「そうですね。

ご主人様はついに完全体になったってやつです。」

お前がバグってたやつか。

「なんのことでしょう。」

わざとらしく首を傾ける。

なんか腹立つなこいつ。

「まぁとりあえず。説明しますとですね、

ご主人様はあの事故、研究所での実験失敗により、特殊能力を得たのです。」

いやいやいや、まて。

それは初耳だぞ。そりゃお前みたいなのが見えたら自分の脳がおかしいとは思うけど、

特殊能力ってなんだよ。

「落ち着いてください、ご主人様。

今から詳細な説明をしますから。」

お、おう。



十分後。

「…というわけです。」

なるほどな。

ゆらの話を端的にまとめると、こういうことだ。

おれはあの実験の失敗により、脳を損傷した。

死ぬまでには至らなかったが、体におおきな障害をあることになったそうだ。

そこまでは良かったのだが、一般に知れ渡ることを恐れた研究所の実験員は、おれの脳をコンピュータにより操作させることによって、解決しようとした。

そんな話、今の世の中で実現できたなどと聞いたことはない。

おれの場合も例外ではなく、当初は失敗と思われていたらしい。それで家に強制送還され、なんらかの事故によって死んだと偽装したらしい。


しかし、おれは生きていた。

成功なのかはわからないが、おれの現在の脳はコンピュータによって制御されていることになる。


一言で言うと、かなりショックを受けた。

まさかそんなことになっているなんて、誰が予想しただろうか。


「それによって、ご主人様の体、主に脳にはたくさんの能力が眠っているわけです。」

なるほどな。それでお前はおれのことを魔法使いだとかなんとか言ってやがったのか。


「今回はその能力の大きいものの1つである、

想像したものを現実に創造できる能力が、目覚めたわけです。」

なんだそりゃ。

なんかコンピュータの限界超えてねぇか?

「そりゃそうですよ。

人間の脳と電脳を組み合わせたわけですから、

何が起こったって不思議じゃありません。」

そんなもんなのか。

「そんなもんです。」

お前はいつも軽いな。

「それでは早速能力を試してみましょう。

まずは、作ってみたいものの作り方、原料、分子構造の全てを想像してみてください。」

は?んなことできるか!?

「そこなんですよ!」

は?

「先ほど行ったように、ご主人様の脳はネットワークに繋がっているため、世界中のありとあらゆることを調べることができます。

それも一瞬で、です。」

なんだそりゃ。

ますますわけがわからないことなった。

「とりあえず、論より証拠です。

知りたいと思ったことを考えてみてください。」

はぁ。まぁじゃ最初だしなんか剣でも作ってみるか。電気をまとったやつとかカッコ良さそう。


そう思った瞬間だった。


頭の中に何かがよぎったと思ったと同時に、

右手には電気をまとった銀製の剣が握られていた。


『バチバチバチバチバチ』


「うわっちっちっち!!!!」

痛い。とりあえず痛い!


「ご主人様はバカですか?

そりゃ電気纏っているんですから、

もう少し丁寧に作らなきゃいけませんよ。」

ううう。まだ手がひりひりするぜ。

「死ななかっただけありがたいと思いましょう。」

つめてぇなぁ。

「とりあえず、成功ですね。

これからも色々作っていきましょう!ご主人様!」

やれやれだな。


先ほどの剣を見ると、まだバチバチいってた。

人に見つかったらやばいし消したいなって思ったら、ゲームとかでよくある感じに、光の粒子となって消えていった。

なるほど、こんな感じで消えるんだな。


はっっ。おれはあることは気がついた。

ゆら!ゆらいるか?

「さっきからそこにいますけど、、

何をぶつぶついっているんですか。

言っときますけど、お金とか生物とかは作れませんよ?」

えっ、、。そうなのか?

「当たり前ですよ!

そもそも作り方がネットワークにあげられないですし、ご主人様にも限界ってもんがありますから。」

そうなんだな。

この能力、クソ使えねぇ。





しばらく色々作っては消して、作っては消して、

を繰り返していた。


『ぐぅぅぅぅ』


そういや昼飯まだだったな。

唯子と別行動し始めてから2時間か。

そろそろ昼飯食いに行くか。


そう思って、唯子に連絡を取った。


「もしもし?唯子?」

しばらくして、

『おにい、ちゃん?たす、け、て。』

か細い声で、返事が返ってきた。

そしてその後、何も聞こえなくなった。


「おい?唯子?おい!」


なんども呼ぶが、返事が返ってこない。

くそっっ。何があったんだ!


「こんな時こそ、脳を使いましょう。

ご主人様!」

おう!ゆら。了解だ。

この辺りの現在のニュースを調べる。

2秒で見つけた。

唯子が先ほど行った宝石博物館に、大人数の強盗が押しかけてきて、現在数名の人質をとって立てこもっているらしい。

おそらく、おれがものを作る練習をしている最中の出来事だと思われる。

あの時はニュースなんて気にしていなかったから、余計に悔しい。


「ご主人様、どうしますか?」


決まってんだろ?

今すぐ助けにいってやるよ!



この時、おれは知らなかった。

この能力がどれほど恐ろしく、強大なものであったのかを。

そして、おれはそれを身を以て知ることとなる。




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