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電脳世界と人生ゲーム  作者:
第一編
2/10

第一編 第1話 転校生

ジリリリリリリリ!

パンッ!!


けたたましい目覚まし時計の音とともに今日も1日が始まる。

その少年、良太はいつも通り顔を洗い、朝食を取る。そしてすぐに家を出て、学校に向かう。


「おはよ〜〜」


その少年の肩を叩き、通り過ぎて行く少女の名は夕美。少年の幼なじみであり、その地域では名の知れた優等生である。


少年、良太はいつもと変わらぬ日々を送ってい

た。



キーーーンコーーーンカーーーンコーーーン

キーーーンコーーーンカーーーンコーーーン



「 ふぁぁぁ…。今日も1日がはじまってしまうのかぁ」

「 しょうがないだろ。学校ってもんは毎日あるんだからさ。」

「その通りだ。」

「かぁーーっ、つめてぇなぁー二人とも。」

良太には二人ほど仲の良い友達がいる。

ここでは名前を上げる必要はないので、載せはしない。


「 そういえばさ、良太。お前って夕美ちゃんと付き合ってんの?」

「なんだ、いきなり。」

「だってお前っていつも夕美ちゃんと一緒に登校してんじゃん?だからそうなのかなーって。」

「俺もそれきになってた!」

良太は友達二人は男子高校生問い詰められて、少々めんどくさそうである。


「そういうのじゃないって。

あいつとはただの幼なじみだから、そんな風に見たことはないよ。」

「そんなこと言って、じつはもうできてんじゃないの〜〜?」

「お前がそういうんだったら、確かにそうなのかも知れないな。それでも一度は女として見たことがあるんじゃないか?」

友達二人はしつこく問う。


「マジでそんなんじゃないって。

お前らだって俺の性格知ってんだろ?」

「あぁ…」

「そういやそうだったな…」

二人の友達は同時になんともいえぬ顔をする。

この少年、良太は実は大の妹好きなのである。


過去に良太は友達と好きな人の話になり、

うっかり妹が大好きなことをばらしてしまっていたのである。


「だからな、俺が咲良以外のことを好きになることは断じてあり得ないんだ。そこんとこしっかり覚えとけよ。」

「あ、あぁ。良く分かった…。」

「お、おう。良く分かった…。」


勝手に振っといて引いてんじゃねぇーよ!


良太はそう突っ込みたかったが、やめておいた。

彼自身、自分の性格について良く知っており、妹を愛してやまないことはあまり言わないようにしているからだ。



そして朝礼が始まった。


「今日は転校生を紹介するぞー。」

担任がそう伝えると、クラスでざわめきが起こった。

「静かにしてー、ほらー静かにー。」



その転校生が入ってきた途端、クラスのざわめきは一気に増した。

「こちらが転校生の佐倉誠さんだ。」

担任が自己紹介を促す。


「今日からこのクラスでお世話になります、

佐倉誠と申します。どうぞ宜しくお願い致します。」

ざわめきは依然としておさまらない。


良太は目を見張った。


彼女がとても美しかったからである。


腰まで伸びたまっすぐで綺麗な黒髪。


薄い青を帯びたまるく可愛らしい目。


高校生とは思えないほど整った眉。


均整の整った、まるで名画のような顔立ち。


ゆうに170はあるであろう身長。


その全てが美しいという言葉では語れないほど、素晴らしく綺麗であった。



「それじゃぁ、」


担任の言葉で皆が我に帰る。


「そこの席がありているから、そこ座って。」


皆の視線が一斉にそちらへ向かう。

良太も同様にして視線を向けた、その先は、


良太の隣の席であった。

良太の隣の席は初めから誰もおらず、座るのは彼女が初めてであった。


彼女が席に座るまでの間、皆の視線はずっと彼女に注がれていた。


「ほらほら!前向いてー。

朝礼始めるぞーーー。」

またしても担任の声で、皆が我に帰る。

「それじゃぁ今日の連絡します。」


担任が話している間良太は横目で彼女を見ていた。

そんな時彼女と良太の目が、ふと合った。

その時であった。

彼女、誠は不意に不思議なことを口走った。



「あなた、電脳世界の王になりなさい。」と。


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