発覚
遅れに遅れて大変申し訳ございませんでした!!!風邪と胃腸炎がダブルでやってきてしばらく死んでたんです・・・
それから孤児院にホウと一緒に戻ると先生は凄く吃驚していた。いや、吃驚なんてもんじゃなかったかもしれない。どうやらホワイトウルフとゆうのは人の住めない山奥に住んでいるのでその姿すら一生の内に見ないものすらいるほど珍しい魔物らしい。
その後ホウは自分がテイムしたとゆう旨を伝えると更に先生は吃驚してしまった。そりゃそうだろう。何たって一生の内に見ることも無いかもしれないホワイトウルフを子供とはいえテイムしてしまったのだ。そりゃ驚くに決まっている。
すると先生がいきなり、
「テイムモンスターの証は何処にあるんですか?」
などとゆう事を聞いていた。俺はテイムモンスターの証?とゆう感じなので説明してもらうと。
「テイムされたモンスターにはテイムされた証として何処かに刻印の様なものがあるらしいんです…私も初めてテイムされたモンスターを見るので定かでは無いのですが…」
とゆう事らしいので探して見るとホウの右前脚の中程に白い毛に紛れてラ◯ュタの紋章の様な刻印があった。
「これが刻印…。この刻印は持ち主によって違うと聞いま…!?」
んん?どうしたんだろうか…?先生の顔がみるみる内に青くなっていく。
「……セナくんちょっと耳を貸して下さい。」
と言われたので近寄って話を聞く。
「実は…この刻印は…100年ほど昔に降臨した魔王が掲げていた紋章とそっくり…いえほぼ同じものなんです。」
「……え?」
魔王が掲げていた紋章?なにそれ…?
「えっと…それって凄い事なんですか…?」
「凄いなんてもんじゃありませんよ!いいですか!これが出ているとゆう事は…」
とそこで先生が話すのをやめておし黙る。
「この事は誰にも聞かれない場所で話した方がいいですので今から私の部屋に行きましょう。あとホウちゃんも連れてきて下さい。」
「わかりました。……ってホウちゃん…?」
「えっ…この子はメスじゃないんですか?」
…そうなのか…?
「ホウ、そうなのか?」
『はい。私はれっきとしたメスですよ?』
……知らなかった…。
どうやらホウはメスのようだ。
「取り敢えず!今から私の部屋まで行きますから!ついてきて下さい!」
とそうだった今は別の話の最中だった。
しかし、そこまでやばい話なのだろうか…?まぁ大丈夫だろ。
この時はそんな事を考えていたが、この後それはひどい間違いだったと気付かされるのだった。
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俺たちは孤児院の中にあるミーナ先生の部屋に入る。中は装飾品などはなく簡素な机と椅子とベットが置かれているだけの部屋だった。
先生は椅子に座ると
「そこに腰掛けて下さい。」
とゆうので椅子に座らしてもらう。
「それで…聞かれたらまずい話とは…?」
「その前にセナくんは100年ほど昔に降臨した魔王について知っていますか?」
「えーと…すみませんよく知りません。」
「分かりました。なら、魔王の事から話しましょう。100年前に降臨してきた魔王の名はグレイシス。降臨してきたと言われていますが、元は私たちと同じ人間族だと言われています。」
ここで人間族と出てきたがこの世界には人間族の他に魔族や獣人族などがいるらしい。
先生が話を続ける。
「そしてそのあと魔王グレイシスは人々を殺し始めたのですが、殺した人達は盗みを働いたり、人を脅したりしていた罪人や王宮の腹黒い大臣達で後に不正が発覚したりしました。しかし、そんな悪人を殺していましたが魔王は魔王です。王国は直ぐに討伐隊を編成しましたが、皆ことごとくやられて帰ってきました。しかも魔王は殺さずそのまま生かして近くの町に引き渡したのです。」
魔王と言っても善人な魔王なようだ。
「そんな事が何回か続いた時、勇者と呼ばれるもの達が現れました。その人達は魔王を滅ぼしたのです。その後王国は兵士を送り魔王が居た城や魔族が住んでいた町にはある紋章があちこちにあったと言われています。その紋章が今ホウちゃんの右の前足にある紋章と……セナくんの背中にある紋章とほぼ同じなのです。」
………はい?
今何て先生は言ったんだ…?背中の紋章…?
「…僕には背中に紋章があるんですか?しかも魔王の紋章とほぼ同じのものが…?」
「……これは黙っていたんですが、セナくんの背中には私が魔術で隠していますが、紋章のようなアザがあるんです。これがあるとゆうことはつまり…その…セナくんは魔王の生まれ変わりとゆう可能性があります。」
……
「魔王の生まれ変わりだったらどうなるんですか…?」
「良くて牢屋悪くて処刑ですね。それほど魔王とゆうものは恐れられていたのです。」
…マジかよ…。
「じゃあ僕はこの紋章がある事がバレたら殺されるとゆうことですか?」
「そうなってしまいます。しかし、私が魔術で隠しているので暫くは大丈夫だと思いますよ。」
ならいいんだが…。しかしバレることもあるのでは…?
「暫くは…?って事は魔術が解けてバレるとかあるんですか?」
「魔術が魔術解除のスキルがない限り大丈夫ですよ。あとこの魔術は好きな時に解除出来たりもします。ただ、解除したらセナくんでは魔術を再度かけられないので私の所に来てくださいね。」
ふむふむ。取り敢えず今の所は魔術を解除する事も無いだろうから大丈夫だろう。
「セナくんの背中の方は大丈夫ですが、ホウちゃんの方は毛に隠れてほぼ見えませんが、なるべく見られないようにして下さいね。ホワイトウルフの子供とあって奪おうとしてくる人も多いはずですから。」
「えっ!?奪われる事とかあるんですか!?」
「ええ残念ながら…。モンスターを強制的に従わせるスキルなどもあると言われています。ただそんなスキルなど無くても捕まえて売り飛ばせばかなりの額のお金が手に入ると思いますしね。」
なんとゆう…!もしホウを奪おうとしてくる奴が居たら問答無用で殺してやる…!
「な、なんかセナくんから異様な殺気が…?えーと話は終わりです。もう部屋に戻っても大丈夫ですよ。あ、ホウちゃんは部屋に連れて行っても大丈夫ですよ。」
「分かりました。ありがとうございました。」
俺達は先生の部屋から出ると俺の部屋に向かう。
しかし部屋と言ってもまだ俺は6歳なので男女合同の部屋なのだが…。
部屋に着くと部屋の中にいたリースや他の女子達はすぐにホウに気付き興味深そうにこちらを見ている。
「ねぇ。その子犬セナくんの?」
「うん。まぁ犬じゃなくて狼だけどね。」
「なら触っても良い?」
「うーんと…ちょっと待っててよ。」
とリースに言ってホウに確認を取る。
「ホウー触らせてあげてもいい?」
『良いですよ。』
と許可が下りたので。
「良いってさ。」
っと言った瞬間…。
「可愛いーーー!もふもふしてるーー!」
「こんな可愛い魔物がいたなんて…!!」
「ちょっと!私にも触らせてー!」
一瞬で女子達が群がってきてちょっとした壁が出来てしまった。
『えっ…!ちょ…!まっ…!ご、ご主人様ー!タスケ…!』
「……許せホウ。もうお前を助け出すことは出来ないんだ…。」
『そんな…!って待ってご主人様!お願いだから見捨てないでぇぇぇぇ!』
ホウは瞬く間にもみくちゃにされ悲鳴をあげているが、俺にはどうすることも出来ずただ見なかったふりをするのが精一杯であった。
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この日はホウは夜になるまでずっともみくちゃにされて終わった。
昼にミーナ先生の部屋から出てきたのだがその後は夜の寝る時までモフモフされていた。流石に寝る時には可哀想と思い、ホウは俺の布団で寝てもいいと言うと、もみくちゃにされていたホウはようやくモフモフ地獄から解放されるとホッとした顔をしていた。しかし、布団で一緒に寝る時に、
『さっきご主人様が見捨てた事は忘れませんからね。』
と言って、1ヶ月ほど相手にしてくれなかった。
ホウは怒らせてはダメな奴だと心に誓った瞬間であった。