始まりのプロローグ
これで俺のやるべき事は終わった。
「それでは被告に判決を下す」
俺からあいつを奪った奴には復讐できた。
「被告人、結城 匠は極めて残虐な方法で3名の人間に対して後遺症が残る傷を負わせ、またその事に罪の意識を一切感じておらず、心身喪失状態ではなかったため」
これで心置きなく
「被告人、結城 匠を」
死ねる。
「死刑に処す」
「被告人、最後にいう事はありますか?」
裁判長がこちらに向けて視線を送ってくる。
「では、一つだけ。私はあいつらにしたことを悪いこととは思っていません」
傍聴人や検事などが一気にざわめきだしたが、構わずにそのまま話し続ける。
「ですが、罪は罪です。贖う覚悟は既にできています。死刑なんてまどろっこしいことはしなくて構いませんよ」
ニヤリと笑いながら奥歯を噛み締めると同時に吐血した。捕まる前に奥歯に仕込んでおいた毒がキチンと作動してくれて良かった。
「っ! 裁判所職員は直ぐに救急車を……」
朦朧としてくる意識のなかで裁判長や検事などが慌てて救急車や救急救命の手配している声が聞こえてくるが、もう遅い。
俺__結城 匠は、確かにこの世を去った。
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