要注意人物とチームバトルについて
翌日
俺は夜空さんに呼ばれて拠点へと向かっていた。
優奈達は仕事があり後で来るそうだ。
俺は休みだ。
「そこの、おにいちゃん」
と、声が聞こえてきたので後ろを振り向くと誰も居なかった。
「気のせいか」
と、つぶやきまた歩き出した。
「おにいちゃん!」
俺はまた後ろを振り向いたがやはり誰も居なかった。
「下だよ!」
下をみると水色の髪をした9歳位の女の子が居た。
「えーっと誰かな?」
「私は雫!おにいちゃんは?」
「俺は凛、それでなんのようかな?」
一応フィールドだから警戒はしとくか。
「おにいちゃんは狙撃手だよね?」
「ああ、そうだけど?」
「えっとねー私のチームに入ってくれないかな?」
この子のチーム?こんな小さい子が?
「あーごめんねー俺もうチーム入ってるんだ」
「あ、そうなんだ。どこのチームなの?」
言っていいのか?まあ、名前だけだしまあいいか。
「天使の輪って所」
「天使の輪・・・。わかった!でも・・」
と、雫はニヤリと笑い。
「そのチームもうすぐなくなるからね」
と、言った。
「は?ちょっ」
俺が言い終わる前に雫はまたね。といい消えた。
「どうゆうことだよ・・・」
俺は走って拠点へと向かった。
天使の輪 拠点
「夜空さん!どうゆうことですか!」
「は?なんのことだよ」
「天使の輪が無くなるって!」
ざわざわしていた周りが静まりかえった。
「お前、誰に聞いた」
「雫って子からです」
周りから
「雫だと?」
「1の覇者・・・」
など聞こえた。
「そうか、あいつとあったんだな」
扉が開き優奈と飛鳥が入ってきた。
「ん?なにこの空気ー」
「・・・さあ?」
「ちょうど揃ったなまず飛鳥。自己紹介だ。」
「・・・名前は、飛鳥。・・職業キャスター。・・・レベルは14」
やはり飛鳥の名前は有名な様で周りがざわついた。
「静かに!凛たちには注意することがある。」
俺たちは椅子に座り言葉に耳を傾けた。
「まず、このゲーム内での要注意人物についてだ。」
夜空さんは数枚の写真を机に並べた。
「一番右から紹介するぞ。そいつはチーム【黒刀連合】リーダー正宗。レベルは1000職業は侍。能力は不明。武器は刀が二振り。チームランキング2位。チーム人数5500人」
正宗と呼ばれた男は青色の甲冑で片目に眼帯をつけていた。
「次は、仁。【天幻の誓い】と言うチームのリーダー。レベルは1000.職業は狙撃手
能力は不明、武器はバレットM82、チームランキング3位。チーム人数7000」
軍服に身を包んだガタイのいい男。
バレットM82か、対物ライフルだな。厄介だな。
「次が、REX。チーム【Brad Heart】のリーダー。レベルは1000。職業は巫女。武器は御札。能力は不明。チームランキング4位。チーム人数6800人」
巫女服に身を包んだ白人の外国人の女性だった。ロシア人かな?
職業巫女とは主に味方を支援する職業で回復などはできないが攻撃力を上げたりすることができる。そして、多分能力は呪いをかけることができる。とかだろう。
「そいつが、渚。チーム 【栄光の果てへ】のチームリーダー。レベルは1000.職業は、サマナー。武器は杖。能力は不明。チームランキング5位。チーム人数7500人」
サマナーとはテイマーと違い違う世界のモンスターを呼び出すことができる。
容姿は、茶髪の髪でミディアムヘアーの女の子だった。
「そして、ラスト一番警戒するべきプレイヤー。」
「これは・・・」
「名前は、雫。チーム【ラグナロク】のリーダーでレベルは1000。職業アサシン
武器は短刀二刀。能力は『KILLした相手のレベルを1にする』チーム人数・・」
そこまで言うと夜空さんが下を向いた。
「わずか、10人」
10人!?
「え?たったそれだけでランキング一位なの!?」
「・・・雫・・・あ」
飛鳥が何かを思い出したようだ。
「どうした飛鳥」
俺が飛鳥に目をやると飛鳥は笑っていた。
「凛、雫って名前に心あたり無い?」
この口調は飛鳥が興奮した時になる口調だ。
「雫・・・!?ま、まさか」
「なんだよ言ってみろ」
俺が口を開く前に飛鳥が興奮した口調で説明した。
「私がゆういつゲームで勝てない相手アンダーアサルトって名前のゲーム。そのゲームの世界ランク1位。」
アンダーアサルト。
それは、銃と魔法が合わさったゲーム。モードはPVPしかなく難易度がとても高いと噂のゲーム飛鳥はそのゲームの世界ランク2位。
なぜ、難易度が高いかと言うと、アンダーアサルトは銃はハンドガンとサブマシンガンしか無く、魔法は火の玉と一種類の拘束魔法しかないからだ。
そのゲームは戦略が全てを決めるゲームだ。
飛鳥はそのゲームで魔法しか使わず向かってくるプレイヤーをなぎ倒していった。
しかし、ある対戦で雫に完膚無きまでたたきのめされ2位止まりとなった。
確か、そのあと何回も挑んだが全て敗退雫のHPを1も削れなかった。
そして、雫はラストバトルで飛鳥に「何回挑んでも無駄もうこれ以上雑魚の相手は疲れる」といいゲームを去っていった。
「ようやく、ようやく会えたあの日の屈辱お前を殺して晴らす」
飛鳥は俺のナイフを雫の写真へと突き刺した。
こえー・・
「そ、それで何で雫の能力だけわかるんですか?」
「実体験だからだ」
え?
「て、ことは夜空さん1からそこまでレベル上げたんですか!?」
「俺だけじゃ無いここのメンバーのほとんどが雫にやられて一からレベルを上げた奴らだ」
うそだろ・・・。
「そして、本題、チーム対戦を申し込まれた。俺たちに拒否権はない。」
「チーム対戦?」
優奈があごに指を置き首をかしげた。
周りの男が鼻血を出しているなんて俺は見てない
「チーム対戦とは、チーム同士がたたかうバトルの事まあ、ようするにギルドバトルと一緒だ。ただ、普通のギルドバトルとは違い負けたほうのチームは解散しそこのリーダーは二度とギルドを作ることも入ることもできなくなる。しかも、対戦を吹っかけられた方は拒否できないし、自分のチームランクより下の奴には仕掛けられない。同じランクかそれ以上の相手にしか仕掛けられないって事だ」
なるほど、でもなんで雫はここがつぶれるなんて言ったんだ?
「この、チームのランクはー?」
「上限は50、俺たちは10だ。」
高いのか?
「それとチーム対戦には報酬がでる。同じランクのチームに5連勝すればかけらが一つ手に入って、ランクが上なら3連勝で2個貰える」
でも、それなら簡単にかけらが手に入るんじゃ
「って、思うだろ?」
夜空さんは俺の考えがわかったみたいでニヤリとしながら聞いてきた。
「ランクが一個上なだけで勝率はガクッと落ちる。そうだなーまずメンバーのレベルが違いすぎる。それと、チーム対戦ではレベルは半分にならないが相手はレベルが上がる」
なるほどね。一つレベルが上がると相手メンバーはレベルが10強育ってる訳か。
「現在、俺たちが保有するかけらは2つ、俺たちは4連勝中だこれに勝てばかけらゲットだ」
「・・・相手チームは?」
ようやく興奮が収まった飛鳥がいつもの調子で聞いた。
「今回の相手はデザートウルフ。砂漠地帯を拠点としスピードが速いし連携には穴が無い」
「穴が無い連携なんて無い」
制圧者モードの優奈が目を閉じながら言った。
「なぜ、わかる?」
「私が、穴を開けるから」
と、自身ありげに答えた。
「ひゅー。言うねー」
「まあ、優奈に任せれば大丈夫ですよ。」
「だな。あ、それと拠点はこれじゃないから」
「じゃあ、どれですか?」
「毎回ランダムなんだよ。チームバトルの時間になるとチーム全員が移動する。だから、まだわからん。」
「・・・時刻は?」
「明日の、昼の12時。ステージもランダムだからな。ルールは簡単敵のリーダーを倒せば勝ち。死んだ奴は元居た場所に返される。もちろん何もロストしない。んじゃ今日は解散、各自好きにしていいぞ。レベル上げも良し、落ちるのも良しだ。」
と、だけいい夜空さんは部屋を出て行った。
「どうするー?」
「・・・レベル上げ、凛の・・レベル半分になってる」
「あ、そうだった。じゃあ、お願いしていいか?」
「もちろんー」
「・・・グッ」
そして、俺たちは部屋を出た。
何か、いやな予感がするが大丈夫だろう。