開戦
そして、約束の時間
俺たちはレベルを上げるため約束の時間ちょっと前までクエストに行っていた。
「さて、ここが指定された場所だが」
俺たちは今、公園の噴水の前に待機して雫たちを待っていた。
「みんな結構レベル上がったねー」
「ですね」
今の俺たちのレベルは全員150に上がっていた。
侍の職業にも慣れたしいい感じだな。
と、思っていると上から青色の光線が降り注いだ。
「・・・雫」
全員軽々避け飛鳥が見ている方を見た。
「ひゅー♪しっかり育ってるねー」
「何のつもりだ」
雫を先頭で後ろに9人のプレイヤーがいた。
「ちょーっと力試しをね」
「ふざけるなよ」
と、飛鳥が言った瞬間飛鳥の首に剣が突きつけられた。
「マスターに無礼な口を利くなよ?小娘」
やばい、見えなかった。
「ぜーん。やめなって」
ぜんと呼ばれた男は雫の言葉に舌打ちをして剣をしまった。
「大丈夫か?」
「・・・じょぶ」
ならよかった。
「それで、お前らは何が目的なんだよ」
「なにが?」
なにがって。
「なんで、俺らなのかを聞いてるんだよ」
「んーそれは私たちの拠点についてからね」
雫が指を鳴らすと地面が開き俺たちは下に落ちた。
「いってー!」
「あれ?浮遊魔法使わなかったの?」
浮遊魔法?
「飛鳥?」
「・・・忘れてた」
おい!?
「それで、拠点は何処にー?」
「優奈さん後ろです」
シロの言葉に後ろを見ると
「アパート?」
そこには、なんの変哲もない普通のアパートが建っていた。
「そうだよ。普通のアパート」
「何で地下にー?」
「地上より安全だから」
なるほど。でも、雫ほどのレベルなら安全もくそも無いのになー。
「さてさてさて、なんだっけ?目的だっけ?」
「そうだ。俺たちみたいな出来たばっかりのチームじゃなくても他のチームと組んだほうがレイドはクリアできると思うが?」
雫はニヤリと笑い一言
「面白そうだから」
と、言った。
「そんな理由なのー?」
「うん!」
「ふーん、まあいいや。それで?他のやつらは?」
「他の奴ら?」
雫は頭を傾けてクエスチョンマークを浮かべた。
「いや、俺たち以外のチーム」
「いないよ?今回はここに居る14人でレイドに挑むんだよ?」
は?いやいやいやいや。
「まじで?」
「マジで」
レイド級をたった14人で?無茶だろ。
「そんなに不安なら私たちのステータス見てもいいよ?あ、緑お茶ー」
緑と呼ばれた人はキッチンに入っていった。
「じゃあ、見させて貰う」
まずは雫から
名前 雫
レベル 1000
職業【キャスター】
サブ【観測者】
HP 58000
MP 70000
装備 神・大魔法の法衣
神・破壊と創造の杖
神・MPリング
全ての装備がレア度10か。
早く見ていこう。
名前 禅
レベル 1000
職業【剣士】
サブ【鍛冶屋】
HP 75000
MP 50000
装備 神・黒鬼神
神・禁忌剣アルトルトソード
こいつもレア度10かよ。
「まさか、全員レア度10なのか?」
「当たり前だよ」
まじか。レア度は1-10まで有り10に近いほど入手は難しく性能も桁違いだ。
レア度10の装備には名前に【神】と付く。
名前 緑
レベル 1000
職業【ガードナー】
サブ【トレーナー】
HP 90000
MP 3000
装備 神・武骨の鎧
神・玄武の盾
神・朱雀の剣
神・HPリング
MP少なくねーか?神・HPリングの所為か。
名前 アルマ
レベル 1000
職業【クレリック】
サブ【書士】
HP 55000
MP 65000
装備 神・大賢者のローブ
神・聖天の杖
神・MPリング
名前 楓
レベル 1000
職業【侍】
サブ【技師】
HP 80000
MP 27894
装備 神・聖王
神・村雨
神・時雨
この人は俺と一緒の職業か。勉強させてもらうか。
残りの人たちは見えないな。
「残り5人見えないんだが」
「あーそれはしょうがないね。この人たちあまりステータス見せたくないみたいだから。」
見せたくないならしょうがないか。
「わかった。雫達と組むよ」
「そういうと思ってた」
雫のチームからレイド申請が来て俺は承認ボタンを押した。
「それで、レイドはいつからなんだ?」
「今日からだよ」
きょうから!?
何の準備もしてないぞ!?
「もう、レイドも受けてきたから」
雫は紙を俺たちの前に差し出してきた。
俺たちは紙を受け取り内容を確認するために開くと紙が破けてしまった。
「あーらら」
俺たちの視界がブレ場所がどこかの遺跡に移動した。
「じゃあ、私が説明するね?今回の目的はゼウスの討伐レベルは980だけど強さは1000くらいかな。それと、ゼウスの部屋に辿り着く為には、ロキ・ヘラ・オーディン・アマテラス・ジークフリートを倒してさらにポセイドン・ハデスを倒さないとたどり着けないよ。」
なるほどね、神様との対戦って訳か。
「指揮は誰がとるのー?」
「そりゃ、優奈ちゃんでしょ」
「雫の方の指揮官は?」
「いないよー。私のチームには指揮官なんていないの」
まじか。という事は、全員が好き勝手やるスタイルなのか。
「でもね、そこの5人の職業がわからないんじゃ指揮できないよ?」
おっと・優奈が制圧者モードになったな。
「それもそうだね。じゃあ職業だけ教えてあげなよ」
雫が後ろの5人に言うと5人はため息を付き言葉をはっした。
「俺は、アサシン」
「私は、狙撃手」
「わしは。騎士」
「我は、竜騎士」
「僕はモンク」
優奈はそれぞれの職業を聞くとあごに手を置きぶつぶつ言っていた。
「前衛が少しおおいな。回復がすくな過ぎるし、キャスターの回復はおそらく役には立たない。支援職業も無しか。後二人は回復が居るし、支援系も二人は欲しい」
「あーだったら、シン。クレリックやってくれる?」
さっきのアサシンの人の事らしい。
「しょうがない、雫の頼みだからな」
シンと呼ばれた人がポーチから転職薬を取り出し飲んだ。
「大丈夫なのか?いきなり転職なんて」
「大丈夫だよ。私たち全員全ての職業1000だから」
ま、まじかよ。どんだけやりこんでんだよ!すべての職業っていったら何個あるかわらんぞ?
「これで回復が3人雫ちゃん達のレベルからするとまあ大丈夫かな。後はバフ系の職業か」
「それなら、私が担当できるよ」
そうか!雫のサブは観測者か。
観測者とは今のメイン職業と同じレベルの他の職業の技、魔法をコピーできるんだったな。ただしメインが600レベ以上じゃ無いと効果がでないっていうサブ職業だ。
「よし!作戦決まった。今から3チームに分ける。ちゃんときいといてね」
そして、こうなった。
第一チーム
俺、騎士の人、飛鳥、アルマ
第二チーム
禅、緑、優奈、シン
第三チーム
竜騎士の人、シロ、楓、モンクの人
そして、雫と狙撃手の人は後方で支援。
「まず、凛達第一チームがまっすぐ突っ込む飛鳥を守る形でね。第一チームが敵のタゲをとってる間に第二チームは敵の後方から攻撃ここは火力があまりでないからタゲを取られることはまず無いと思うけど気をつけよう。第三は雫と狙撃手の周りを囲んで防御。味方のHPが5割減ったら回復の人たちで全体回復してね。
雫は開始早々にバフをかけ、敵にデバフお願いね。狙撃手の人は状態異常系の弾で、敵の動きを止める。以上!」
よし、行くか。
俺達は遺跡の扉を開きへと入った。