レイド
拠点へと向かう最中に俺はシロに質問した。
「なあ、シロ」
「なんですか?」
「なんで、ここ最近プレイヤーがこの辺りにいないか知ってるか?」
「え?凛君達知らないんですか?」
シロは驚いたようにこちらを見た。
「・・・あーなるほど」
飛鳥が何かがわかったようにうなずいた。
だいたい察しは付いたぞ。
「え?え?何がなるほどなのー?」
どうやら普段MMORPGをやらない優奈はわかってないようだ。
「優奈さんが分かってないようなので一応説明しますね。近々、イベントが発生するんですよ」
「なんのー?」
「レイドイベント。その名の通りレイドボスが出てくるイベントでそして今回のレイドは特殊でいつものレイド形式じゃなくてチームレイドって言う形式なんですよ」
確かチームレイドって複数のチームが協力してボスを倒すって言う奴だっけか?
「でもさーそれだと人数が多くなってボスなんてあっという間に倒せるんじゃないのー?」
「それがそうでもないんですよ。チームレイド方式のボスは人数によって強さが変わるんです」
「人数が多いだけじゃだめって事か。」
「お、おい。優奈まさか・・」
「もちろん参加するよね?」
優奈は笑顔で言った。
いや、目が笑ってない。
「もももも、もちろん参加するに決まってるだろ」
こわくて逆らえなかったぜ。
「・・・ついた」
「いやーここが俺たちの新しい拠点か」
和風の家あこがれてたんだよなー。
「では、いろいろ中を探検したりしたりして作戦たてましょうか」
「だな」
俺たちは家の中を数十分かけてみて回った。
そして、今は縁側でシロの説明とかを聞いている。
「まず、一緒に協力してくれるチームを探さないといけません」
「私の予想だとそれが一番苦戦するねー」
だよなー。まだレベルは低い、人数も居ない。そして出来たのが今日。
いきなり、一緒に戦ってって言っても無理だよな。
俺たちが考えていると俺にメッセージが届いた。
「誰からだ?」
俺は届いたメッセージを開くと差出人の名前が書いてあった
「・・・どうしたの?」
「し、雫からレイドの誘いが届いた。」
俺が言った瞬間飛鳥が縁側から立ち上がり俺をにらみつけた。
「まさか、受けないよね?」
「まあまあ、飛鳥ちゃん落ち着いてー。それで?なんて書いてあったの?」
「えっと、{ハロー凛君、チーム作ったんだってねー。私の誘いを断ったのにひどいなー。それは、いいとして近々イベントやるのは知ってるよね?それで、提案なんだけど私のチームと同盟組もうよ。もし、組む気が有るなら、明日のお昼12時に地図の所まで来てね。もちろん、チームメンバー全員で。あ、それと凛君にプレゼントもあるからねー}だってさ」
プレゼント?なんだろう。
「で、どうする?」
「私は反対!あんな奴と組むくらいならソロでレイドに挑む」
「私は賛成かなー」
飛鳥はやっぱり反対か。
優奈は以外に賛成か。
「シロは?」
「僕はどっちでもいいですよ?」
だよなー。シロは雫の事しらねーもんな。
「凜は?」
飛鳥が俺を睨みながら聞いてきた。
「そうだなー。賛成かな」
飛鳥が俺の胸倉を掴んだ。
「ちょ、苦しいって。ちゃんと理由あるから!」
「なに・・?」
「ゴホゴホ。えっとな確かに天使の輪が潰れたのは雫の所為だと俺も思う」
「じゃあ!」
俺は飛鳥の言葉を目で遮り言葉を続けた。
「でもな、それは雫だけの所為じゃないだろ?それに、雫達と組むことによっていろいろ学べると思うんだわ。」
「それは、私も思うな向こうのチームにも指揮官はいると思うからどんな戦術をするのかみてみたいんだよねー」
「・・・分かった。」
はあ、よかったー。雫と組むならチーム抜けるとか言われたらやばかった。
「ありがとな。そういえば、今回のレイドはどんな武器が手に入るんだ?」
「公表されてるのは、レア度8の武器とレア度10のアイテム後はいつも通り1%でかけらですね。」
レア度8の武器か・・。今の武器は確かレア度5。ぜひ手に入れたいな。
そういえば
「シロ。ステータス見てもいいか?」
「ご自由にどうぞ」
えーっと
名前 シロ
レベル 110
職業【クレリック】
サブ【料理人】
HP 13000
MP 26000
装備 賢者のローブ
エコーロッド
MPリング
ほお、なかなかいいね。
「しっかし、雫は何が目的なんだろうな」
「さあねー。行ってみたらわかるんじゃないー?」
だよなー。
「・・・私、落ちるね」
とだけいい飛鳥はログアウトしていった。
「やっぱり、まだ納得はしてないか」
「まあ、しょうがないんだけどねー」
「どうするんですか?今日は」
そうだなー。
「一応、飛鳥のレベル位まではあげときたいな」
「なら、クエストいこっか」
俺にリアルからのメッセが届いた。
リアルの携帯をこっちで共有したら以外につながったって言うね。
「あ、わり。俺用事できたから落ちるわ」
俺は、コンタクトを外しログアウトした。
「どうしよっか」
「二人ではきついですね」
「私たちも落ちよっかー」
「ですね。あ、その前にここにログイン場所を変更してっと。これで、このチームのメンバーはここに直接インできます。」
「ありがとねー。じゃあ、また明日」
「では」
そして、私たちはログアウトした。