第五章...神攻略!?恭子の秘策!!
「くっ!!!」
私は防火魔法を唱えて炎の粉を無効にした。
太陽神ラー。
その力は立っているこちらでさえ強力な熱で溶けてしまいそうな圧倒的な支配力である。
遊斗も反撃に出る!!
《プラズマ・ショット》!!!
遊斗の放った雷撃はラーに当たり、跳ね返った。
「炎の鎧が雷の矢ごときで貫けるとでも思ったの?」
「く...」
「さぁ。こちらの反撃....。
焼き尽くせ!!!
《ゴッド・フェニックス》!!!」
遊斗は超巨大な火の鳥の突撃をかわすことができず、シールドを張る。
しかし、シールドすら神には通用しない!!!
「しまった!!!」
「終わりよ!!!」
「遊斗!!!」
私は遊斗の盾になった。
「恭子!!!」
「アブソーブハートで吸収した使い魔は、吸収した魔導士がその能力を使用できる!!!
不死身スライムの能力を発動!!!」
私自身がスライムとなって遊斗を守り、私自身も再生した。
「フッ。
私の使い魔で味な真似をするじゃない。(あそこまでの戦術をとっさに思いつくとは...さすが私が見込んだ魔導士。)」
「大丈夫?遊斗?」
「すごいな。恭子。やっぱりボクのマスターだ。」「だけど甘いわね。
たった一撃を乗り切っただけで浮かれてはダメよ?」
真由美は再び呪文を唱えた。
「現れなさい。
王家の墓に眠る死者、ファラオに仕えし従者よ!!!
新たなるファラオは私だ!
蘇り忠誠を誓いなさい!!!」
なんと大地が割れ、無数の古代エジプトの兵士のミイラが現れた。
「う、嘘...!?」
「本物の動くミイラかよ...
こりゃお化け屋敷に展示したいもんだ。」
「こんな時に冗談言ってる場合!?」
「くそっ!囲まれちまった...!!!」
「行け!
ファラオの従者達!!!」
「この感じ...呼べる!!!
新しい私の使い魔が!!!」
「え!?」
「来て!!!
私の新しい仲間!!
『ティマイオドラゴン』!!!」
そこそこ大きい竜が現れた。
「ティマイオドラゴンの炎は蘇った魂を葬り去る力を持つ!
そして!ティマイオドラゴンは他の使い魔と融合することで新たな力を手にする!!!
遊斗!!!」
「はい!
ボクの魂とティマイオドラゴンの魂を融合!!!」
「いでよ!!!
『竜騎士シャイニング・スパーク』!!!」
「融合だと!?」
光の中から竜の甲冑に身を包み、雷の聖剣を握った遊斗がティマイオドラゴンに跨がり現れた。
「光の力が死者を再び眠らせる!!!」
ティマイオドラゴンの火炎放射でミイラが次々と焼き払われていく!
「嘘よ...!!!」
「あなたが古代エジプトの力を使うなら私は古代アトランタルの力を使う!!」
「(これって...ただコスプレして竜に跨がってるだけだよね...?ボク。)」
「だが!
ラーの存在を忘れてはいないわよね?
行け!!!
《ゴッド・フェニックス》!!!」
「迎え撃て!!!
《ライトニング・パニッシュメント》!!!」
炎と雷...二つの雷が激突する!!!
「ぐぅぅぅぅっ!!!!!」
始めて真由美が顔を歪める。
「はあああああああっ!!!!!!」
「私の力を甘く見るなああああああぁっ!!!」
二つの力は競り合い、そして爆発した。
「うわあああああああああ!!!」
「く...きゃあああああああああ!!!」
私と真由美も吹き飛ばされた。
「バカな...神が...負けた。」
煙の中、生き残っていたのは遊斗だった。
「これが私と遊斗の絆の力!
神によっても破れることのない無敵の鎧よ!!!」
「私を...」
真由美が始めて怒りの感情を表した。
「私をこけにした罪、その体で償わせてもらうわ!!!
蘇れ!!!
不死鳥の魂!!!
ラー!!!」
ラーが今度は黄金の機械的な鳥と竜を融合させた魔物が姿を表した。
「うおおおああああああああああ!!!」
真由美が消滅し...なんと上半身だけになり、ラーの頭部と融合した!!!
「あはははははは!!!
これがラーの最終形態!!!
神と人が一体化し、最強の力を得るのよ!!!」
「な...」
「覚悟なさい!!!
ラーの攻撃でその哀れな生き物を焼き払ってやるわ!!!」
「く.....」
「私が盾になって―」
「無駄よ!!!
この攻撃は神の炎の一撃!!
防ぐことは出来ないわ!
これで終わりよ!!!」
「遊斗!―」
「それは無茶だ!」
「でも...もうこれしかないのよ!!」
「...分かった。
君を信じる!」
「(この瞬間!この瞬間だけが真由美を神ごと葬ることができる唯一のチャンス!)」
私は飛行魔法を唱えて空中歩行を可能にする。
「はああああああああああああああぁっ!!!」
一気に真由美との距離を詰める。
「無駄よ!無駄!
何をしようが無駄なんだよぉぉぉっ!!!
《ゴッド・ブレイズキャノン》!!!」
ラーの口から光の塊が発射される!!!
「マスター!!!」
遊斗がビリヤードのボールを複数、ラーの口目掛けて発射する!
光線がボールから発生した結界により若干動きが鈍る。
「はあああああああぁっ!!!」
「その構え...まさか!!!
合体した私ごとアブソーブハートで吸収しようというのか!!!
させん!!!
させんぞ!!!
《ゴッド・ブレイズキャノン》!!!」
二発目が結界を貫通してくる。
「限界の一撃を放て!!!
ティマイオドラゴン!!!」
ティマイオドラゴンが放った火炎弾が二発目の軌道を反らす。
「はあああああああああああぁっ!!!」
ラーの心臓に手を翳し、手を重ねる。
「きゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
ラーと真由美が吸収されていく...。
「私の魔力となり、吸収されよ!!!
神と人間の魂!!」
そして、吸収が終わった......。




