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第一章...彼の名は遊斗!!!

私の名前は雲雀恭子。

みんなとは違い、なぜかセーラー服。

長い三つ編みが特徴の女の子!

「いやあ~!」

「どうしたの?

千夏ちゃん!?」

「悪い男の人が数人で虐めた~!!」

千夏ちゃんはいじめられっ子だが中々の美人。

男子は彼女を見ると暴力を振るいたくなるらしい...。

「大丈夫よ。

千夏ちゃん。

私がとっちめてあげる!」

私は(袖をめくろうとして制服が半袖なのに気づき少し赤面したが...)千夏ちゃんが被害にあった場所に突撃、男達をまとめてフルボッコにした。

ちなみに私は喧嘩がめちゃくちゃ強い。

兄さんは一流の軍人で軍隊の近距離における戦術の全てを私にたたきこんでくれたおかげである。

「これで許して~!!!」

大量の金貨をほうりなげで男達は逃げ出した...。

「もう悪いことはしないでね!!!!」

私は叫んだ。

そんなある日...

「今日は召喚魔法の授業を始めます。

今日は重要な授業です。

皆さん一人ずつ召喚魔法を唱えて下さい。

みな、召喚魔法を唱え始めた。

千夏ちゃんは可愛らしいハムスターが出てきた。

よし、私も猫とナイチンゲールとか呼ぶぞ~!!!!

魔法陣を描き、召喚魔法を唱えた...が、現れたのは...。

「!!!!!!!」

ただのカーテンだった。

クラス中から爆笑の嵐...。

でも、代わりにサポートサモン(メインに呼ぶ使い魔をサポートするいわゆるサブウェポン)には中世騎士『ズババ』と水晶の人形『クリスタルゴーレム』を召喚できた。

ズババはどうかとしてもクリスタルゴーレムは上級クリーチャーに匹敵するパワーと防御力を誇るゴーレムだ。

収穫はあった。



「やれやれ...」

ため息をつきながら私はふと凍てつくような殺気を感じた。

殺気は近くの森...。

急いでそこに向かうと...泣きじゃくる千夏ちゃんの姿があった。

「やめて!私のハムスターを殺さないで!!!」

対戦相手は...不敵な笑みを浮かべる金髪の女子生徒が立っていた。

彼女の名は『ジャクリーヌ・D・織斑』。

成績優秀者にして『暴鮫』と称される凶悪な戦闘狂である。

「貴様の全力はそれだけか?」

ジャクリーヌが召喚している使い魔は彼女の名の通り鮫。

それも鋼鉄の装甲を纏っている。

無慈悲な目で鮫は怯え、苦しむハムスターを見下ろしていた。

ハムスターは既に全身は牙で切り裂かれ、内臓が剥き出しになっている。

「いやぁ!戦いたくない!なんでこんなこと!」「貴様が戦力になるかどうか知りたいんだよ?」

「戦力...?」

「この時代、大切なのはなんだと思う?」

「...」

「力だ。

いくら口先だけで平和を唱えようが、その本質は闇だ。

闇に打ち勝ちたければ悪魔になれ!」

「...」

「意気地無しめ。

なら、その惨めな醜態を曝す獣を排除してやる!

行け!

アイアンシャーク!

その汚物にトドメを刺してやれ!」


「そうはさせない!」

とっさに召喚したズババの双刀により一撃を防ぐが、鋼鉄の鎧には傷一つついていない。

「いい度胸だな!

だが!!!」

アイアンシャークは双刀を尾で振り払うと、その金剛石のごとく強靭な牙でズババの体を引きちぎる!

「早く逃げて!」

私は傷ついたハムスターを千夏ちゃんに持たせるとクリスタルゴーレムを呼び出した。

「時間稼ぎを頼む!」

クリスタルゴーレムはその強靭な体でアイアンシャークの顎を掴み、動きを封じた。

「ほう、二流の使い魔か。」

「よし...なんとか逃げたか...!」

「無駄だ!

来い!

バッドオクトパス!」

現れた巨大なコウモリダコにクリスタルゴーレムが四肢の自由を奪う。


「今回はこの辺にしてやろう。

中々骨のある女だな。」

「許さない!

私は絶対にお前を許さない!

ジャック!!」

「そうか、やれるもんならやってみな!!!」

ジャックは不敵に笑うと明日の放課後に学園屋上に来いと言い放ち立ち去った...。「大丈夫!?

千夏ちゃん!?」

「私...もう無理!

あんなひどいことされて...耐えられない!!!」

千夏ちゃんは泣きながら走り去った...。




次の日、千夏ちゃんは学園からいなくなった。

過度の心労が響いたらしい...。



「絶対に許さない!!!」

私は大股で屋上への階段を登った...。



「よく逃げずに来たな。

褒めてやろう。」

「お前のせいで...!

千夏ちゃんは学園を去ったのよ!」

「がどうした?」

「!!!」

「そんな気の弱い奴はこの時代、生きていけないぜ?」

「絶対に許さない!」

「許さなくて結構。」

「来い!

双刀騎士ズババ!」

「蹴散らしてやれ!

アイアンシャーク!」

二体の使い魔は戦いを始めた。

ズババ!

あんたの覚悟はそれだけ!?」


私の喝にズババが応え、刀を振るう。

しかし...

「無駄だ!

食らいつけ!

アイアンシャーク!」

強靭な牙によって頭を食いちぎられて力尽きた...。

「どうした?

貴様の覚悟はこれだけか?」

「来い!

クリスタルゴーレム!」

「やはり来たか!

貴様のエースモンスター!」

「いっけえええぇっ!!!」

「無駄だ!

風×水の魔法!

『神の息吹|ゼウスブレス|』!」

「くっ!

何も召喚士が動けねぇとは言ってないぜ!

当然!」

ジャックが距離をつめてくる!

「召喚士同士の戦いも有りって訳だよ!」

速攻の蹴りに対処できずに吹き飛ばされた。

「だから無駄なんだよ!!!」

同じ戦術...

バッドオクトパスを召喚し拘束した。

「これからジワジワいたぶってやるよ!!!」

アイアンシャークが動けないクリスタルゴーレムの心臓目掛けて食らいつく。

強靭なボディであってもそこには歯型がついていた。

「いくら強靭だろうが同じ場所に攻撃を連打されれば無駄だ!」

「!!!」

「どうする?

飼い主さんよ?」

「くっ...」

「そういえば、こいつらはサブウェポンのようだが...?」

「!!!」

「メイン無しでよくここまで戦ったな...。

褒めてやろう。

だが...!!」

ついに牙が心臓を引き裂き、クリスタルゴーレムは機能を停止して倒れた。

「いつまで手を抜くつもりだ?

そんな程度じゃあボクを倒すことはできない!!」

「っ...!

来い!

カーテン!」

やむを得ず召喚した。

弱々しいカーテンを....。「ハハハハハハ!!!

なんだ?

それがメインウェポン?


ふざけるな!!!」

ジャックがマジでキレた。

「ならその布きれを完膚なきまでに焼き尽くしてやる!

覚悟しな!」

「っ...!!」

「ボクは一流の使い魔、アイアンシャークとバッドオクトパスで超過召喚!!!

いでよ!!

『超弩級飛行戦艦エアロマンタ=レイ』!!!」

屋上いっぱいに巨大なイトマキエイを模した巨大戦艦が現れる。

「ついでに召喚士の貴様もまとめて葬ってやる!!

行け!

エアロマンタ=レイ!!!

《ハイドロ・ボンバー》!!!」

「っ...あれ?」

私...無傷?

なんで?

爆撃は確実に屋上全体を狙ったもの。

それで無傷...

「ということは...?」

上を見上げると...

激しい雷....

それを纏ったバリアが私を守っていた。


そして、私は誰かにお姫様抱っこされている。



「やっと出会えましたね...?」

その主は恐ろしいくらいのイケメンだった。

金髪のショートヘア。

アメジストカラーの瞳、腰にはビリヤードのキュー、彼の空中には雷光を纏ったビリヤードの球が浮いている。

「ボクの名前は太陽遊斗。

君がピンチになり初めて君を見つけることができた。

遅れて申し訳ない。」

「な...」

私、緊張のあまり硬直してしまいました。

「さあ、マスター。

座っていて下さい。」

遊斗は貴族がよく身につける手袋を装着するとビリヤードのキューを戦艦に向けた。



「な...あれが奴の...」

「まずは目障りな障害物から撤去だ!!」

空中に浮くボールを勢いよくついた。

球は矢の如く突き進み、戦艦を貫き破壊した...。


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