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エンターテイメント フォー ユー ①
赤い座席に沈み込む。
ジュースとポップコーンを揺らしてはいけない。
G-7、位置決めに悩みたくないならこの番号だ。
ほど良く端から距離があり、文化的な最低限度の映画ライフを営む権利が確保される。
レイトショーには“いつメン”がある。
最大派閥は月の第2週金曜、日付変更線を超えた上映時間帯だ。
内容は関係ない。
何となく席が決まっている。
最前列の中央 ”シマシマ白髪”
(シルバーメッシュ?)
高校生くらいだろうか。背もたれを使わないで前のめりに映画を見てている。
右端か左端のトイレ側 ”頻尿メモパッド”
2回は離籍する、一度トイレで出くわしたときに謝られた。
ど真ん中 ”金曜の翁”
どの金曜日グループにも所属している。不眠症なのだろうか。
他の曜日にも来ているのかもしれない。
最後列 “殺意のOL”と“アイコス女子大生”
姉妹かもしれない。スーツ女は目がいつも赤い、ドライアイか。私腹のほうはアイコスを吸ってはOLに叩かれている。最近は慣れたもので叩かれた音がしても振り返らなくなった。
不特定 “涙目のパウー”
白人のおばさん、とにかく泣く。
エンドロールで感極まると小声でパウーっと泣いていた。
今日は彼ら含めて8人と多い日だ。
さすが松竹と東宝がタッグを組んだ期待作だ
-国宝-
映画泥棒も退場した
幕が上がる




