第4章 6話 導きの羽が照らす先で
集会の間に到着した修一とリリィは、むらおさの元へ歩み寄り、軽く頭を下げた。
「むらおさ殿、これまでの経緯をご報告に……」
リリィが言葉を続ける。
「町の魔石が商会に持ち去られ、魔物に襲われましたが、間一髪で撃退に成功しました。町の防衛のため、ガルドが現在駐留しています」
むらおさはにこやかに目を細め、ほっほっ、と笑った。
「うむ、話に聞いておる、ここまでよくやったのう」
その後、修一が口を開いた。
「今から妖狐族の里に行きたいのですが……」
むらおさの目が細く光る。
「妖狐族?あやつらは……んー、神経質なやつらじゃ。昔いろいろとな。以来会っておらぬ。今里がどこにあるのかも……正直わからぬのう」
その時、修一は光の羽を取り出し、手に掲げた。
「……ふぉ? それは確かに妖狐族の道標じゃの。あやつらが渡すとは……こりゃ珍しい。」
むらおさは遠い昔を思い出すように目を細めて言った
「わしが奴らに最後に会ったのは、人と冒険しておった時以来かの。その時相棒に渡したからもうワシの手元にはないが……それは我らの羽と同じじゃ。指し示す通り行けば、里に辿り着くじゃろうが」
むらおさは少し考え込み、眉間に皺を寄せた。
「だがなあ……うーん、やはり危険じゃ。仕方ないのう、今回はわしが先導しようかのう」
リリィが目を輝かせ、修一も頷く。
こうして三人は、妖狐族の里を目指して歩み始めた。
───
むらおさはふっと笑みを浮かべ、背中を振り返った。
「よい、ワシの背中にのれ。妖狐族の里まで、一気に行くぞ」
リリィは少し驚きつつも、迷わず背中に飛び乗る。
修一も続き、三人は森の中を駆け抜けた。
風が頬を打ち、樹々の間を光の羽が導く。
あっという間に、森の奥に妖狐族の里の気配が漂い始める。
「……着いたかのう?」むらおさが振り返ると、三人の足元には、かすかに光を帯びた妖狐族の里が見えていた。
───
むらおさはふっと笑みを浮かべ、背中を振り返った。
「よい、ワシの背中にのれ。妖狐族の里まで、一気に行くぞ」
リリィは少し驚きつつも、迷わず背中に飛び乗る。
三人は森の中を駆け抜けた。
風が頬を打ち、樹々の間を光の羽が導く。葉擦れの音や鳥の声が一瞬交錯し、森の息吹が感じられる。
崖を飛び越え、落ちた橋を跳び越え、倒木をかわし、急流をかすめて走る。木の枝が飛び、土埃が舞い、まさに命がけの道のりだった。
リリィは肩を揺らして息をつく。
「良かったわ……これ、私たち二人で来てたら、何日かかってたことか……」
修一も顔をしかめる。
「そうだな……迷う迷わない以前の問題だ。俺には刺激が強すぎる……」
むらおさは背中からほっほっと笑った。
「ほっほっほ、わしの背にのれば、これくらいの冒険は朝飯前じゃ」
あっという間に、森の奥に妖狐族の里の気配が漂い始める。
「……着いたかのう?」むらおさが振り返ると、三人の足元には、かすかに光を帯びた妖狐族の里が見えていた。
リリィは思わず肩を揺らして笑う。
「ほっ……助かったわ、迷子にならずに」
修一もほっと息をつき、軽く頭をかく。
「うむ、あのまま二人だけだったら、完全に迷子確定だったな……」
むらおさは小さく笑い、尾をひと振りして森の方向を指す。
「ほっほっ、迷わぬわしの案内に感謝するじゃろうな
───
むらおさが振り返り、背中を揺らす。
「ちょっと待っておれ。」
リリィと修一は少し距離を置き、後を追った。
だが森の奥で、風がぴたりと止み、鳥たちが一斉に飛び立った。光の羽が不穏に揺れる。
すると、茂みの陰から低く唸る声が響いた。
九尾の狐は尾を大きく振り、威嚇するように立ち向かう。
リリィと修一は距離を置きつつ後を追う。
だが森の空気が突如ひんやりと変わり、光の羽が激しく揺れた。
「……?」リリィが身をすくめる。
次の瞬間、茂みの間から閃光が飛び、木々を薙ぎ払った。
「……今の、音がしなかった……?」リリィが小さく息をのむ。
九尾の狐は尾を大きく振り、光の羽を盾にして閃光を受け止める。
「ほっほっ、油断するでないぞ!」
森の奥から、次々と魔法の奔流が飛び出し、まるで森全体が戦場のように揺れ動く。
リリィは息をのむ。
「これは……魔法攻撃ね。手洗い挨拶ね……むらおさ様の先導なしじゃ、私たち二人だけでは確かに危ないわ……」
修一もリリィの背中の籠から顔を出し、青ざめたまま頷いた。
「ああ……迷う迷わない以前の問題だったな。こういうのは刺激が強すぎる……」
森のざわめきが、しん……と嘘のように静まった。
ついさっきまで暴れていた魔力の奔流が、跡形もなく消えている。
修一はごくりと喉を鳴らした。 「……今の、止んだよな?」
しかし返事の代わりに、森の奥から足音も気配もなく、
ただ視線だけがそちらから突き刺さる。
むらおさが尾をゆらりと広げ、前へ一歩出た。
その声は先ほどより低い。
「……来おったか。さて、どんな顔で出てくるかのう」
光の羽がふわりと揺れ、里の方向を示す。
2人は息をのむしかなかった。
構成を大きく見直した結果、
本作は別作品として再構成する判断に至りました。
本編はここで一区切りとします。
お読みいただき、ありがとうございました。




