フォレストウルフを退けた俺と俺に助けられた騎士(?)の対話(肉体言語)の件
いやぁ、フォレストウルフの群れは強敵でしたねぇ。
まさか、俺の華麗な着地を失敗させるために、集団の大爆走でもって、俺の着地点の地面を凸凹にしていき、まさか着地衝撃吸収を狂わされて、骨折させられるとは思わなかったぜ……なんて、あのフォレストウルフの群れの中には知能が突出して高い特殊個体はいなかったから、意図してされたことではないな。
冗談はさておき、フォレストウルフの群れの脅威が去ったことで、姫騎士とその護衛と思われる騎士達は、何故か助けた命の恩人である俺に対して警戒し始めた。
強い魔物達が生息している大魔境であるこの大森林の奥から生きて出てこられる人間、亜人族はそうそういないから、警戒したくなる気持ちはわからなくはない。
しかし、窮地を助けてあげた身としては流石に少し傷つく。
そう内心がっかりしていると、フォレストウルフ達が消えて行った方角から、派手な爆発音と爆発の余波の爆風がここまで届いてきた。
どうやら、『ホネっこ』に真っ先に辿り着いた最初のフォレストウルフが『ホネっこ』に噛みついたみたいだ。
局地限定だが、上位火属性魔術の【インフェルノ】相当の破壊力で、効果範囲を絞った設定の内蔵爆弾が起爆したと思しきこの場に届いた結果の余波の大きさから、哀れなあのフォレストウルフの群れは残らずあの『ホネっこ』のDie爆発に巻き込まれただろう。ホネすら残っておるまい。
「こちらに敵意はないから、剣を納めてもらえないかな?」
両手をあげて、血気に逸る騎士達を下手に刺激しない様に、俺はそう告げて、先ほどのフォレストウルフ達に負傷させられた者達に【極大範囲回復魔術】をかけて、彼等の怪我の治療をしたのだが、
「怪しい奴め! 信じられるかよ、この野郎‼」
俺がかけた回復魔術で重傷だった連中の傷が治ったにも関わらず、一人の恩知らずな若い騎士が無駄に豪華な装飾がされた剣を両手持ちで大きく振りかぶって俺に斬りかかってきた。
まぁ、たしかに、その怪しい奴という意見には反論できない状況ではあるか。
こんな普通のヒトが生きていくのが難しい凶悪な魔物達が蠢めく大森林を自分達は死ぬ思いをして戦っているのに、散歩感覚でふらっと歩いて現れ、苦戦していた魔物を『ホネっこ』という素晴らしい魔導具で簡単に討伐されたら、怪しく思われても仕方ないか。
スカッ
「このッ!」
スカッ、スカッ
俺は襲いかかってきた騎士(笑)のまともな鍛練をしているとは思えないド素人レベルの太刀筋を完全に見切って回避した。
紙一重の回避や首を傾けて避ける、半身ずらす等の最小限の動きでもって、恩知らずな騎士(笑)の斬撃を俺は余裕で回避し続ける。
言わずもがな、俺に襲い掛かっているこの半人前以前の恩知らずな騎士は俺にとって弱過ぎた。
その剣速は俺がこれまで目にした中では抜群に遅く、俺には蝿が止まるレベルに見える上、種族差もあるが、フィジカル面でもミジンコとくじらレベル以上の絶対的な格差があるのは、剣先を向けられた時に発動させた鑑定系スキルの【解析】で確認済み。
今の、この人の姿の状態であっても、騎士(笑)が斬りつけてきているなんの付与もされていない無駄に豪華な装飾がされただけの長剣では、俺にかすり傷すらつけるのも、どうやっても、無理だ。
剣を極めた達人が使っても、剣の方が俺に傷を作る前に、呆気なく見事に折れる未来しか見えない。
「はぁ、はぁ、なんで当たらないんだよぉ⁉」
スタミナが切れたのか、振り回していた剣の切っ先を地面に突き立てて、肩を上下させ、息を荒げつつ不満を漏らす三流騎士。
敵を前にしているときにするべきではない、大きな隙を晒すそのあまりにもドアホウな行動に大きな嘆息しつつ、醜態を晒している目の前の騎士。
否、コイツと正式な騎士を同じ括りにするのは騎士達の方に申し訳ないな。
そう考えながら、俺は疲労困憊の目の前の愚か者にお仕置きをすることにした。
一息に間合いを詰め、無防備なその両脚を体術武技【足払い】で、俺は一気に薙ぎ払った。
無駄に豪華な装飾を施された剣をその手に持った隙だらけの騎士(笑)改め、騎士モドキは、態勢を完全に俺に崩されて、地面へ向かって顔面からの無様な着地を始める。
倒れ込むその最中に、撃ちこんでくれと言わんばかりの完全にガラ空きのボディに、自画自賛できるほど、見事で鮮やかな体術武技【ボディブロウ】が幾星霜ぶりの対人戦であったためか、うっかり綺麗に、完全に入ってしまった。
流石に、全力で撃ったら、推定見習い騎士程度の身体強度および装備強度であれば、土手腹に風穴が空くどころか、ヒットしたその瞬間、胴体から上半分がちぎれ、地平の彼方へとぶっ飛んでいって見えなくなること(過去に同レベルの人型系魔物で実体験済み)になるから、予めパッシブスキルの【手加減】を有効にしていてよかった。
加えて、一撃入った瞬間に自動で【極大回復魔術】で回復する様にしているから、殴った衝撃が体を貫く瞬間に体が負うダメージを発動した魔術が回復するから、死ぬことはない。
もっとも、殴打を受けた際に発生する衝撃はそのままだ。
そう、ダメージはないから、シヌコトハナイノダ。
俺からいい一発をもらった騎士モドキはその手に持っていた長剣を手放して、地面へ既定の華麗な顔面着地を再開し、俺の予想を違えぬ見事な着地音が辺りに響いた。
俺に襲いかかってきた騎士モドキは【ボディブロウ】の衝撃に加えて文句のつけ様のない完璧な顔面着地でも大きなダメージを受けたからか、目を覚まさない。その呼吸は確認している。とりあえず生きてはいるが、こいつは完全に気絶している。
俺への対応に迷って、静観していた姫騎士と騎士モドキの同僚騎士(?)達。
言いがかりをつけて俺に斬りかかってきたものの、完全に返り討ちにされた騎士モドキを助けるべきか、否かの議論で意見がぶつかり続けて、結論がでない。
だが、もう時間切れだ。なぜなら、姫騎士達の前に姿を現す前から、スキル【地図】の便利な機能の一つで捕捉していた魔物を蹴散らしながら、この場に向かって大森林内を移動していた騎馬集団。
姫騎士の父親である辺境伯が率いる辺境伯家の精鋭騎士団がこの場に到着したからだ。
速度を落とし始めた騎士団の中から、一騎だけ、俺と俺の傍で相変わらず無様に気絶している騎士モドキを目にすると、その速度を緩めるどころか、むしろ、更に加速させて接近してきた。
そして、鞘から大剣を抜いて騎乗したまま、俺に向かって抜き身の騎士モドキの握ていた物とは見事に対象的な業物の大剣を無言で振り下ろしてきた。既視感を感じさせられるこの状況に、今日何度目かのため息を吐かされる俺。
もう俺から逃げだす幸せは裸足で逃げ出しちまって、いねえよ。畜生。
これまでに溜まったストレスでムカッ腹が立って、堪忍袋の緒が完全に切れた俺は、俺に向けて振り下ろされてきた大剣の刃を親指と人差し指の二指で挟んで掴み、その動きを完全に受けとめた。
「っ⁉」
「ふんっ!」
そして、そのまま掴んだ大剣を引っ張って、受け止められることを予想していなかった斬りかかってきた相手を馬上から引きずりおろし、地面に強かに叩きつけた。
「ぐはぁっ」
地面に叩きつけた際にも、有効にしているパッシブスキル【手加減】が俺が怒り心頭でも、きちんと丁寧な仕事をしてくれたため、落馬させられて地面に叩きつけられた騎士モドキの関係者と思しき、辺境騎士(?)は瀕死ではあるけれども、ミリ生きてはいるからセーフ。
死んではいないから、セーフ。軽く考えられがちだが、この世界でも、落馬で人間はあっけなく簡単に死ぬ。
盗賊や山賊に落ちぶれた元騎士や元傭兵、元冒険者達が徒党を組んで騎乗して対峙することになった際に、予測会敵地点に森が近ければ連中を森に誘い込んで、通り道の両脇に立つ樹木の間に馬の膝の高さでロープを張って騎手を落馬させ、敵の数を減らすのは対騎馬戦の常套手段。
それに森がなかったときに、何度か魔術で森をわざわざ作ったこともあったのはいい思い出だ。この世界でも対騎馬兵相手での落馬誘発戦術は効果抜群の戦法だ。
「剣を抜いて斬りかかってきたのだから、当然、死ぬ覚悟はできているのだろうな?」
これまで溜まったストレスの所為で、思わずいつもより低い声でもって、辺境騎士(?)に俺は言葉を投げかけた。
さて、無関係なのに襲いかかるフォレストウルフの群れから助けて、怪我も魔術で治療したのに実害がなくとも、二度も明確に殺すつもりで攻撃をされたら、竜族の中で温厚と定評のある俺でも、流石に堪忍袋がブチ切れる。
落馬させたコイツは不運だが、俺はもう見せしめの意味で看過するつもりはない。
クールな見た目に反して、怒りの沸点が低く、気が短くて血の気が過剰に多いルベウスやその転生体であるルビーの二人であったならば、たとえ一度目であっても、即断で相手を竜族、ひいては赤竜を舐めたのだから、当然滅殺案件だと断じて、その場で即座に自らの手で処している。
俺は落馬の衝撃で持ち主が手放した大剣の柄をきちんと握りしめ、軽く一振りしてみた。
使われている素材は量産重視の一般的な鋼鉄製だが、悪いものがまざっていない上に重心バランス等、丁寧に作られた業物だった。
そして、背中から馬から落ちて仰向けになったまま、未だに動かない本来の持ち主の首筋にその剣先を俺は向けた。
「待ってください! その者の無礼は私がお詫びしますから、どうかその手を止めてください‼」
騎兵達を率いてきた、この場で一番身分が高いと思われる、優男様が慌てて下馬し、この場で醜態を晒す無様な相手をぬっ殺す気満々の俺に対して謝罪してきた。
立派な騎馬から降りて謝罪してきた辺境伯と思しきその優男はそのまま、その身分に相応しい綺麗な衣服が汚れるのを、気にせずに、その場で流れる水の様に、極自然な鮮やかな動きで、まさかのDOGEZAを俺に向けてした。
不意に、俺の脳裏に、記憶の奥底深くに眠っていた、とても懐かしく楽しかったが、同時に悲しかった記憶がフラッシュバックした。
※※※
『「本当に、心の底から相手に悪いと思ったときはどんな場所でも、躊躇わず、その場で真剣にDOGEZAをしろ」って、いつも死んだ爺ちゃんに言われていたんだ!』
俺に一方的に突っかかってきて、手も足も出ずに完全な返り討ちにあったのに、屈託のない笑顔で、DOGEZAを俺に披露してそう言い切る、辺境伯と名乗った優男を若くした様な少年。
『先生! 俺に●■◆をください!!』
また違った場面で、俺に土下座をする少し成長し、少年から青年になった★×とその隣で、はにかんだ様子の俺と○■●▲の間にできた愛しい娘である●■◆。
『やっぱり、最期まで先生には敵わなかったか……すまねぇ、先生。●■◆のいる所に…逝…き……』
目の前の光景が再度、大きく変わった。
顔に深い皺を刻んだが、先刻の青年の面影を残したその老人は、俺がその場に辿り着いたときには、既にいくつも、数多の魔物の死体の山を築きあげていて、俺の姿を目にして糸が切れたかの様にゆっくりとその場に倒れた。
そして、最期の力を振り絞って、駆け寄った俺にそう言い残して、彼は俺の腕の中で笑顔に涙を浮かべて事切れた。
※※※
「……はぁ、分かった。君の顔を立ててその謝罪を受け入れよう。この男達の処分は、きちんと事情等を調べてから、君達の中で決められている法や規則に従って下してくれ。もう、土下座はいいから、さあ、立ってくれ」
俺は手に持っていた大剣を地面に突き刺して、土下座している男にそう告げた。
「ありがとうございます。申し遅れました、私はこの地の守護を皇帝陛下より、先祖代々任されておりますカーン辺境伯家の現当主、テオドール・カーンと言います。
見たところ、貴方はかなり高名な魔術師様とお見受けいたします。
よろしければ、お名前をお教えいただけませんでしょうか?」
カーン辺境伯と名乗った優男、テオドールは俺に礼を述べて立ち上がり、そのズボンに付いた土を軽く手で払って、俺の名前を謙って訊いてきた。
「お……私の名はジェイド。家名はありません。この大森林の深層部分に居を構えて、魔術の研究を長年行っていました。研究が一段落したので、久しぶりに世界を巡るため、森を出ようとしていた所です。人と話すのは本当に久しぶりなので、無礼な発言があるかもしれませんが、ご容赦いただきたい」
俺は予め考えていた今後出会う人々に教えて問題のない自身の設定を対貴族用の口調で口にした。
「世界巡りですか、いいですね。
私の部下がご迷惑をおかけしたので、よろしければ、私の居城で休んでいかれませんか?
私の娘とうちの若手の騎士見習い達を助けていただいたお話も詳しく伺いたいこともありまして……それから、無理に敬語を使われなくて結構ですよ。ジェイド殿、貴方を私の賓客として迎えます」
テオドールは笑みを浮かべて、そうこの場にいる全員に聞こえる様に宣言した。
「……そうですか、ありがとうございます。しばらくお世話になります」
テオドールの申し出は渡りに船だったので、正直、俺にとっては助かった。
あの場で俺を賓客として迎えることを宣言し、俺の味方になってくれたので、密かに俺に敵意を向けていた一部の見習い騎士達が俺に手を出せなくなった。
久しぶりの自前ではない、人里の寝床とヒトが作った食事。
とはいえ、辺境という、人の栄えている中央から外れた場所であるのもあるが、墓守して長い時間ヒトの社会から離れていたため、現在の食事事情が全く分からない。
あまり期待はしない方がいいかもしれない。
だが、本当に久しぶりだから、期待せずにはいられない!
そして、俺はテオドールに部下の馬を貸すからと騎乗を勧められたが、やんわりと固辞して、徒歩でテオドールの居城へ彼等と一緒に目指すことにした。
テオドールの娘の姫騎士が使っていた壊れた馬車は、馬達はフォレストウルフの襲撃から辛うじて逃げ出さずにその場に留まってくれていたが、箱馬車の車輪部分等が全て壊れ、直すための資材も戦いの影響で使いものにならなくなっていた。
また、馬車を直せる者がこの場にいるテオドールの部下の中にいないため、テオドール達は馬達を回収して、この場に壊れた箱馬車は放棄しようとしていた。
しかし、壊れた馬車を収納してもなお、容量が有り余る俺の【空間収納】を付与した擬装だが、擬装になっていないと、身内によく言われていた擬装用の魔導具の『アイテムボックス』にその壊れた箱馬車を俺が預かる形で、収納して出発することになった。
テオドールの娘であった姫騎士、マリアは軍馬への騎乗、乗馬はまだ勉強中だったらしく、森のここまでは俺の『アイテムボックス』に収納している壊れた馬車で来ていたため、帰りの足がなくなっていた。
テオドールが自分の馬に同乗する様に言ったが、周囲に迷惑をかけた自身への罰として限界まで徒歩で帰ると言ってマリアは譲らなかった。
しかし、マリアが姫騎士という女性騎士の中でも特別な職であるのと共に、騎士達の護衛対象の辺境伯令嬢であることを父テオドールと彼女のお目付け役と思しき女魔術師がマリアを説得して、体力切れでダウンしたら、俺が貸す馬車に乗車することを約束することを落としどころとして話がまとまった。
フォレストウルフの群れとの戦闘中に非常事態ということで、俺が確認した彼女のステータスから考えると、馬車が通れるきちんと整備された道があるとはいっても、駆け出し姫騎士であるマリアが徒歩でテオドールの居城まで帰るのは厳しいと言わざるを得ない。
また、先輩騎士達に相談せずに先走って、姫騎士であるとはいえ、辺境伯令嬢でもあるマリアを諫めるどころか、連れ出した罰として徒歩で居城まで帰ることが決まっている若手騎士達はご愁傷様である。
病気の母親を助けるためという理由で、今回の無茶をしたマリアに居城に戻った後、罰を与えるべきなのかと結論が出ずに悩んだテオドール達になぜか俺は意見を求められた。
比較的弱い部類の魔物が出る浅層とはいえ、やはり、魔物が活発化する夜の大森林にヒトが長くいるのは危険だ。
俺はマリアへの処分はテオドールの居城まで保留にして、安全なその居城を目指して、早々に移動を始めることを提案した。
それから、慣れない徒歩で、道中でダウンするだろうマリアと騎士見習い達を乗せるための俺謹製の馬型ゴーレムが引く箱馬車の一つを空間収納から出した。
確認したところ、テオドールが率いる辺境伯家の精鋭騎士団の騎馬隊はマリア達が早朝に出立したのに気づいて、すぐに少数精鋭の六名を選抜、部隊を編成して、馬に【早駆け】をさせ続けて、ようやくこの場でマリア達に追いついたらしい。
んん?
多少は休ませられたとはいえ、馬達が再び【早駆け】をする体力は残っていないらしい。少なくとも、森の中で一泊しなければならないことを覚悟して、マリア達も野営できる分の道具をテオドールが持つアイテムボックスに入れてきたとか。
問答無用で、騎乗したまま俺に斬りかかってきた騎士――俺がうっかり【ボディブロウ】をくらわせてKOした騎士モドキの父親らしい――の名はオーランド。
俺が騎士モドキを殺してしまったと勘違いして、逆上して斬りかかってしまったと謝罪され、既に和解済み。彼は彼で今夜の不寝番をすると、テオドールに申告していた。
それを聞いて、俺は自重すべきか、否か思い悩んだ。マリア達は支援役皆無の10名全員が前衛職でひよこ。
それに加えて、テオドール率いる騎馬隊6騎の構成は、野営も見越した前衛3、魔術師2、弓兵1。魔術師2名は攻撃系魔術だけでなく、使えると野営に便利な【生活魔術】も習得済みらしい。
そして、弓兵はマリア達の分を含めた食糧3日分を『アイテムボックス』に入れているそうだ。
また、テオドールに準備してきた野営用のアイテムを見せてもらったのだが、完全にTHE天幕といった、前世の大人数用の雨と風を凌ぐだけのテントといった感じだけでなく、地面にシートの様な物は何も敷かないスタイル。
今朝まで、俺が使っていた家電魔道具付きの持ち運び式住居と比べるまでもなく、不便なものだった。
この時代の魔導具職人達は一体なにをやっているのだ?
里に引き篭もる前から衰退した魔導具技術を目にして、俺は疑問が湧いてきた。
しかし、それらについてはとりあえず後で考えることにして、頭の中から追いやり、俺は魔術の【空間収納】内に冒険者時代に作った、この場にいる全員が寝泊りできる持ち運び式だが、建築住居と遜色ないコテージ型魔導具の状態を確認して、テオドール達に相談することにした。




