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第二話 記憶のカケラ

 お世話になる公爵様に挨拶をしようとした瞬間

突然頭が痛み出した


「っ…!」


あの時の夢のように何かが流れ込んできた

そして、僕は意識を手放した






「◯! この本とっても面白いね」


笑顔で本をこちらに向けてくる彼

けど僕は、、、


「この作品好きじゃない…」


彼の顔は霧がかかっていて見えないが、何となく彼は、悲しそうな表情だったと思う


「何で?」


彼は聞いてくる

まぁそうか

いつもの僕だったらこんなこと言わずに「だよねー」とか言いながら一緒に好きなシーンとかを語り合っただろう


でも、


「だって主人公は、家族は自分の命より大事だと言いながら家に帰らないじゃん」


「それは…」


彼は口篭った

それでも、僕は言う


「本当に大事なら帰ってくるでしょ。何でもう二度と帰らないって言うの…?」


「っ…」


彼は何かを言おうとしたが、結局何も言わなかった


「ごめん、今日もう帰るね」

僕は逃げるように部屋を出た







ゆっくりと目を開ける


「…そうか、アスランの性はアクナイトだった。」


思い出した


なぜ忘れていたのだろう


前世見た小説「翡翠の英雄」の主人公アスランと同じ顔じゃないか、だがそんなことより気になることがある


アスランに弟なんていたか?


物語ではアスランは一人っ子だったはずだ


しかも、アクナイト家の家族は母親以外全員翡翠の瞳だった


それに、アクナイト家は嘘や裏切りが何よりも嫌いだからもし、弟がいて翡翠の瞳を持っていなかったとしてもそれを隠したりはしない


まず、僕とは血が繋がってないのだから


だから、絶対に弟はいなかったはずだ


「もう、何なんだよ」


頭を抱えていたら扉がノックされた


「は、はい」


僕はすぐにいつもの笑顔の仮面を被る


入ってきたのは「アスラン」だった


「起きたんですね。体調はどうですか?」

丁寧な口調と優しい声で聞いてきた


「はい、迷惑かけてすみません。……アクナイト様。」


僕がそう言うとアスランは、

「迷惑じゃありません。それに、家族になったんですからアスランと呼んでください。敬語もなしで。」


「はい。…アスラン様も素で大丈夫です。疲れるだろうから」


アスラン様は何故か驚いた顔をした

だがすぐに笑顔で


「ありがとうクレス。…あと、様じゃなくて兄様って呼んで」


お願い!と僕の目を真っ直ぐに見ながら言う


「ア、アスラン兄様」

何故だろう

か、顔が熱い


「かわいすぎるだろ」


兄様が何かボソッと言ったが聞き取れなかった


「兄様、今何と…?」


「ううん、何でもないよ。これからもそう呼んでね。」


「…うん」




これが僕と兄様の初めての会話だった 




読んで頂きありがとうございます

遠慮せずこうやると読みやすいよなどアドバイスをくれたら嬉しいです

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