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膝から崩れ落ちた神楽
(そう言えば最近、神楽の周りをうろちょろしてる連中がいたな?)
(はぁ?わかってたのになんで言わないのよ!ご主人様のピンチよ!ピンチ!?)
(無論、言ったが、私の追っかけかしら?無視よ!無視!とか言って相手にもされなかったがな?殺気はなかったから我も放置したが)
(あの時か~~~!確か初めてギャンブルに勝って)
(ずいぶんと浮かれていたな?次の日には倍額負けたが)
(聞こえない聞こえない~~~~!)
(まぁ、その後何度も来てはいたが、ここ一ヶ月は見ていないな)
(えっ?そうなの?なんでたろ?むしろ何もしてないから?ま、なんでもいっか!)
(はぁ、仮にもAランクだろう?危機管理があまりにも足りん!それから)
(わかった!もう黙ってて!)
(・・・はぁ)
「神楽ちゃん?大丈夫?でもでも!これは逆にチャンスでは?ダン君は商会のご子息ですよ?仲良くしていれば、商会のおこぼれが貰えるかもしれません!日用品は勿論!ハンター用のあれやこれやが!お安く手に入るかも!」
「でも、油断は禁物よ!一寸先は闇・・・闇魔法のスペシャリストだって扱えない闇!一つミスをしたらと思うと・・・」ブルブル
「大丈夫ですか師匠?自分の話しなにかまずかったですか?」
「ダン君はなにも悪くありません!全て神楽ちゃんの自業自得です!ですよね?」
「・・・はぁ、さっさと依頼済ませて、今日はもう帰りたい」
「すいません師匠、話しが長くなってしまって」
「いいわよ、嫌よくもないけど、とりあえず今はいいわ、はぁ、気をはってたけど落ち着いたら、酔いが・・・」
「えっ?てっきり治ったのかと」
「ハンターの心得その1!ハンターはナメられたら終わり!弱みを見せるのは三流よ!」
「おお!さすがです師匠!心に刻みます!」
(い、いまさら?)
(いまさらだな神楽)ガンッ
意味はないが神楽は自分の影を踏みつけた。
「なに?ハンナ?言いたいことでもある?」
「い、いえいえ何も」
「んじゃ!登録も終わったし気を取り直して東の森に行きますか!」
「了解です!師匠!」
「お気をつけて~」
「っとその前に、話し込んでたら喉渇いたし、ギルド内食堂で飲み物でも」
「お酒は駄目ですよ?」
ビクッ「・・・5%くらいなら、ジュースよね?」
「お酒はお酒です!度数は関係ありません!素直に水でも飲んでなさい!」
ハンナが食堂から水を貰い、ダンに一つ渡し、神楽には無理やり飲ませギルドの外に放り出した。
「お酒ぇ・・・」
「二日酔いならお酒は控えた方が良いのでは?」
「わかってないわね~?まぁ、ガキ
に言っても仕方ないけど」
「そ、そうですよね、お酒のこと何も知らないのに口を出してしまい申し訳ありません師匠!」
「・・・い、いやそこまでの事じゃ」
(お前だって、飲み始めて半年しか経ってないのにな?)
「ン゛ン゛!さぁ!行くわよ!」
歩くこと数分、東の門に到着した二人は門番の衛兵に軽く挨拶しながら帝国首都の外へと踏み出した。
「そういやあんた、外壁の外に出たことある?」
「ないです!歩く事はおろか馬車でもありません!ですので危険とわかってはいるのですが、少しワクワクしています!」
「そうなの?帝国に来て間もない私は、生活の為にハンターになって、あんたと同じように外に出たけど、ワクワクよりは不安だったわ」
「師匠はお一人だったんですか?それなら確かに・・・自分も不安ですね、師匠がいるから安心出来ているんだと思います」
「あぁ、一人ではないわよ?ギルドの方針で12歳以下のG、F、Eランクの子供にはDランク以上が同伴する決まりになってるの、12歳の子はその人達から色々教えて貰えるし、なりより安心できる、同伴した人達はギルドからの印象が良くなるからWin-Winって訳!今回は私がいたから、ハンナは何も言わなかったけどね」
「そうなんですね!」
「当時は10才で記憶も無かったし、初めての外に一緒に来てくれたのはDランクの2人組だったんだけど年齢は13、私の心境的に安心とは程遠かったわ、(クロもいたけど、さすがに出せないしね)その点あんたは幸運ね?」
「はい!・・・でも師匠は怖くなかったですか?その、森には猪や狼とか色々いますしなにより魔核持ち?と言うのもいるんですよね!」
「まぁ、最初は怖かったわよ?自分に何ができるかも曖昧だったし、誰かさんは何も教えてくれないし?(・・・)ただ、いざ戦闘!ってなった時に体が勝手に動いたのよね~、体の記憶ってやつ?今ならわかるけど相手はDランクの2人では絶望する、魔核を持った熊で通称風切り熊って奴だったんだけど、気づいたら逆に切り刻んでたわ」
「おお!かっこいいです師匠!」
「ふふん♪まぁね!それからはトントン拍子で、自分に何ができるかもわかって弱冠15歳にしてAランクになったって訳よ!」
「と言うことは師匠の得意武器は剣なんですか?自分は武器を何にするか迷っていたので師匠が剣なら教えて頂きたいです!」
「あ~、剣とは違うのよ」
と言って闇入れから刀を取り出す神楽
「刀って言ってね?和国の武器らしいんだど知ってる?」
鞘から抜いて掲げて見せる神楽
「知らないです!刀ですか?剣とは何が違うんでしょう?」
「そうね、剣はズドンッブシュッ!て感じで刀はシュパップシャー!て感じね!」
(はぁー)ため息
「???えーと?も、模様が綺麗ですね!」
「わかる~!綺麗よね!帝国ではなかなかお目にかかれない代物よ?他にも3本持ってるんだけど、どれも模様が違っててね?またそれがいいのよ~!」
「また今度見せて欲しいです!でもそんなに刀を持っているって事は師匠は和国の出身と言うことですか?神楽と言う名前も帝国では聞きませんし」
「・・・さぁ?誰かさんが殆ど教えてくれないのよ」
(・・・)
「また誰かさん、ですか?さっきから仰ってますけど、どんな方なのでしょう?」
「まぁ、ここまで離れれば大丈夫かな?ね、クロ?」
「クロ?」
「誰かさんの名前よ、あっ!怖がらなくていいからね?ただちょっとでっかいだけの狼だから!」
「でっかい狼?不穏な要素しかないんですが?誰かさんて人じゃないんですか?」
「人じゃなくて精霊よ、私と契約してる闇の精霊」
「な、なるほど信用してるのは契約をしているから、なんですね?」
「じゃ、出すわよ」
「今ですか!ま、まだ心の準備が!」
神楽の影が蠢き中から縦に大人一人分、横に大人二人分はあろう狼が飛び出して来た。




