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ハンナが準備をしている間に、神楽は今回の目的をダンに話していた。
「今回するのはG級の常設依頼」
「常設依頼ですか?」
「常設依頼ってのは、まぁそうね、いちいちこの依頼受けます!って、報告受けて対処してたら面倒だから、取り敢えず対象の獲物を狩ってきたり、薬草を採取すればその分のお金が貰えるように設定された依頼よ、ギルド職員の負担を減らす為の工夫ね」
「なるほど、その獲物や薬草の種類はなんですか?」
「今回はG級だから一般の少動物だったり、ポーションに使われるヒール草ね」
「へぇ、なんだか楽そうですね?」
・・・・・
ばんっ!!神楽が受付の台を力強く叩く、ダンはえっ?と驚いた顔で神楽を見る。
「何を言ってるの?あんたG級だからって舐めてるの?いい?良く聞きなさい!常設ってことは、他のハンターも常に探してるの!東の森に入ってすぐにあった筈のヒール草は、マナーの悪いバカハンターに、言葉通り根こそぎ取られて、今近場じゃレアよ?最低でも五~十キロは奥に入らないといけないの!でもそこには一般の動物なんて相手にならない・・・魔核持ちがいる!・・・かも知れないの」
最後の言葉は上手く聞き取れなかったダンだが、師匠の熱の入った言葉を聞き、ハンターの大変さが伝わったようだ。
「それに!あんた狩りなんてしたことあるの?」
「ないです師匠!」
「それじゃあ、あんたには小動物だって無理よ?追っかけ回してる間に体力が尽きるのが落ちね」
神楽の容赦のないもの言いにあからさまに表情が暗くなるダン。
「で、では自分はどうすれば?」
「今回はついてくるだけでいいわ」
「へっ?」
「へっ?じゃないわよ、今のあんたに出来る事はない!なら次回出来るように知識は必要、でしょ?だから今回は私が場所や薬草の形状、森の歩き方やらまぁ、色々教えてあげるって言ってんの」
ダンの表情に輝きが戻った。
「ありがとうございます師匠!頑張って覚えます!」
ダンにますますの忠誠心(素直過ぎるが故の勘違い)が宿った。
数分後パタパタと奥からハンナが必要な物を持って来た。
「お待たせ~!はいまずこれ、書類に名前、年齢、種族、性別、あっ!ダン君、文字は書ける?」
「す、少しなら」
「少しでも偉いわ!文字を勉強してる平民の子は少ないから!今回は私が代筆するから質問に答えてね?」
「わかりました!」
簡単な書類を書き終わると、ハンナは書類を精査し、大丈夫ねと言って次に移る。
「次はこれ、仮のハンター証!ダン君は十歳だからまずGランクからスタート!ランクはG~Eが仮でDから正式なハンター証を貰えます!Cランクからは一人前になると同時に力量が細分化される為、CC、CCCランクと三段階になるの!B、BB、BBB、A、AA、AAAって具合にね?」
「昔まではAAAが最高ランクだったらしいけど、最近になってSランクが追加されたわね、AAAが増えて、同じランクでも自分の方が!嫌、俺の方がっ!て奴が出てきてしょうがなくだってさ、くだらないわよね」
「まぁ、今のSランクの方々は我が強いですからね~、でもハンターの皆さんはそのSランクを目指して日々頑張ってるわ!ちなみに神楽ちゃんはどうなの?」
「私はてきとうにやるわよ、まぁ?この私にかかれば?なれちゃうかも知れないけど?」
「師匠ならSランク間違いなしです!」
「じ、自分で言っといてなんだけど、あんたが私の何を知ってるって言うのよ?」
「暴漢から助けて貰いました!」
「あら!素敵ね!師弟の出会いのエピソードかしら?」
「はい!あの時の師匠は強くて、優しくて、かっこ良かったです!」
「やめて!恥ずかしいったらないわ!」
顔を真っ赤にした神楽が話題を変えようとして、先程ハンナが持ってきた書類と仮のハンター証の他に自分の知らない物を見つけたので聞いてみた。
「んっ?ハンナ、その水晶はなに?」
「あっ!気づいちゃいました?ジャジャーン!新作の魔力測定器~!わぁ、パチパチ~」
「一人ではしゃいでんじゃないわよ、で?元来のと何が違うの?」
「もぅ!反応が悪いですよ?新作ですよ?新作!」
「な・に・が・ち・が・う・の!」
「わかりました、わかりました!ごほん!ではご説明いたします!元来の物ですとその名の通り!個々の魔力量を測るだけでしたが、今回の新作はなんと!個々の適正属性までわかってしまうんです!凄いことでしょう!?今までは高いお金を出して魔術書を買っても、適正かどうかもわからずに泣き寝入り!はたまた適正だと信じて修行を繰り返すも大成せず、もしかしたら属性違ったのかなぁ?と思う頃には引退間近!そんな思いはしたくない!そんなあなたに!こちらの商品!どうですか?今なら、ななななんと無料で受けられます!」
ハンナの力説にお~!パチパチとダンが拍手を贈る。
「な、なんか悪かったわね反応薄くて、まさかそこまでの熱量とは思わなかったわ」




