表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

ギルドの中に入り辺りを見渡すと、ざわざわガヤガヤと喧しい声が聞こえ、神楽は入ったのを早速後悔した。

「あ~、毎度うるさいわねここは、さっさと登録済ませて出るわよ」

受付を目指し歩を進める二人、幸い受付は列になっておらず、スムーズにハンター登録を始められそうだった。

「まぁ!忘却の魔女様じゃない!半年ぶりね!」

受付に着くなり、馴染みの受付嬢のハンナさん(22)が驚いた表情で声を上げた。

「久しぶり、でもやめてよハンナ、その二つ名で呼ばれるの色んな意味で嫌なのよ」

二つ名を聞いたとたん、珍しく神楽は少し険しい顔を浮かべた。

少しの沈黙の後、先ほどの会話を聞いていたハンターの男が後ろから声を掛けてきた。

「はははっ、なんたって忘却の魔女(笑)だもんな?」

その声を皮切りに、辺りではクスクスとした笑い声や、何事かとこちらを見るハンター達。

「どういう意味だ?」

最初に声を掛けたハンターの隣の男は意味がわからないようだった。

「知らないのか?最近酒の味を覚えちまった哀れな魔女様の話しさ!その魔女様は酒を飲むとその日の事を忘れちまうんだ、ギャンブルで負けた事や勝った事、人を助けたことやぶん殴ったことも、全部さ!酒の味は覚えてんのによ~なぁ、神楽」

「はぁ、本当最悪、よりにもよってなんであんたがいんのよビルダー」

ビルダー(19)と呼ばれた筋骨隆々な男は笑いながら

「そりゃ、最近のお前さんと違って、俺は真面目だからなぁ?Aランクは依頼も多いし多忙なんだぞ?酒飲んで酔っぱらってる暇なんかあるわけ・・・って目の前にあったな!ぶはははは」

辺りが爆笑の渦にのまれるなか、神楽の顔を見たハンナは青ざめた表情を浮かべ、弟子のダンは先程ビルダーが語った、神楽が人を助けたと言う部分のみを切り取り、尊敬の眼差しを向けていた。

「喧嘩よね?喧嘩売ってんのよねビルダー?上等よ買ってやろうじゃない!」

「か、神楽ちゃん?私が迂闊だったわ!そんな呼ばれかたになってるなんて知らなかったから、あっ、でも喧嘩なら外でお願いね?」

「ハンナは悪くないわ、全部こいつのせい!ビルダー!私が忘却の魔女って呼ばれてる本当の理由を教えてあげる!」

堪忍袋の緒が切れた神楽の周囲には闇の魔力が渦巻き、ギルド内が薄暗くなり始めた。

「おう!かかってきな!半年も遊んでたお前とは違うって教えてやるよ?」

ビルダーも周りのハンターの野次もヒートアップしていき、ギルド内はお祭り状態となり果て、ギルドの職員達の制止は効力を持たず、このままではギルドが~と思ったその時「そこまでだ!」

と、ギルドの二階へと続く階段からギルドマスター(40)の重々しい声がギルド内に響きわたり、ようやくの静寂が訪れ、ギルド職員達は安堵し、ハンター達は解散解散と散っていった。

「何事かと降りて来れば、またお前達か、まったく、何度言えば気が済むんだ?Aランクには、それ相応の態度をして貰わねばならんと言うのに、これでは他のもの達に示しがつかんではないか」

「知らないわよ!こいつが散々私を煽って来たのが悪いんじゃない!一発ぐらい許してくれてもいいでしょ!?それに!まったくって言いたいのはこっちよ!さっさとやること済ませて出てこうと思ってたのに~!」

ギャーギャーわめく神楽を尻目にビルダーはギルマスがきたならこれ以上はやぶ蛇と思ったのか、

「は~あ、俺も白けたし行くか~」

そう言うとビルダーは足早にギルドを去っていった。

「なっ!?何なのよあいつ~!用事がなければ追っかけてボコボコにしてやるのにぃ!」

「はぁ~、取り敢えずこの状況を何とかしろ神楽、見えづらくて仕方がない」

ギルマスにぶーぶー言いつつも神楽は魔力を引っ込める、とたんに辺りがいつもの明かりを取り戻した。


「それで?半年も遊んでいたお前の用事とはなんだ?その子供と関係があるのか?」

ダンを見ながらギルマスは厄介ごとではないだろうな?と問う。

「えっ?嫌、えーと」

神楽は素直に弟子をとったと言うことを躊躇った、周りから見て年齢的にどう思われるかは明白だったし、自分も乗り気ではないからだ。

言い訳を考えていた神楽だが、ダンが空気を読まずに答えてしまう。

「ダンと言います!神楽さんは師匠で自分は弟子です!」


・・・沈黙が神楽とギルマスとハンナを襲う・・・


「神楽、俺の聞き違いならいいんだが、お前の弟子と言ったか?」

「あはは、は・・・そうよ!それがなにか?」

神楽は吹っ切れる事にしたようだ。

「いつからだ?」

「半年前からよ」

「あぁ!半年ギルドに来なかったのはお弟子さんの修行を見ていたからなんですね!」

「そ、そうよ」

「えっ?師匠!実は隠れて見てくれてたんですか!」

「・・・」ニコッ

笑顔で誤魔化す神楽とその笑顔を見て目をキラキラさせるダン・・・勘違いである。

「言いたいことは山程あるが、厄介ごとじゃないならいい、ハンナあとは任せる」

そう言うとギルマスはやれやれと言いながら二階に上がって行ってしまった。

「ふぅ、やっと本来の目的を達成できるわね、依頼でもないのにどっと疲れたわ」

「あはは・・・ごほん!それでは、本日はどのようなご用件でしょうか?」

「取り敢えずこいつのハンター登録、あっ、安心して十歳にはなってるわ」

「かしこまりました!では準備を致しますので少々お待ちください」


当初の予定からはだいぶ遅れたが、目的が果たせるならまぁいいやと、さっきまでの苛立ちを忘れる事にした神楽だった。

経験上ここからは矛盾が生じる恐れあり・・・

ここおかしくない?って思った方はコメントお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ