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12 子爵の横暴2



「アディール子爵、貴方はギルドが発行する候補生証を不正に破棄した為、この場で拘束させて頂きます」


そう言うやいなや、クレスさんは光で出来た蔦のようなもので二人を拘束してしまった。


「なっ!?誰だ貴様は!!!ワシを誰だと思っておる!!!」


暴れるアディール子爵に冷たい目を向けたクレスさん。


お、お・・・怒ってらっしゃる・・・。

子爵が文句言い出したら拘束用の蔦にトゲを生やして地味にチクチク刺してるし。

「いでっ!いだっ!」って言って騒いでいる子爵と護衛さんを見てとっても良い笑顔をしている。

やっぱりこの人は怒らせたらいけない。


「チサさんすみません。相手が貴族である以上、ご両親の殺人容疑では裁けないのであえて証書を破らせました」


クレスさんは申し訳なさそうな顔をしながら小声で私に囁く。

私が無言で首を振ると、今度は安心したように微笑んでくれた。


「貴様!ワシを誰だと思っている!この事はギルド本部に報告させてもらうぞ!そうすればお前は不敬罪で斬首刑だ!」


「はあ、それはそれは大層な権力をお持ちでございますね、ちなみにギルド本部のどなたに報告されるのでしょうか?」


「それはもちろんメリー殿だ!彼はギルド本部長の補佐殿だぞ?お前などひと捻りだ!ふはは、わかったらこの拘束を解け!」


「そうですか・・・貴重な情報ありがとうございます。ギルマス!どうやらメリー副部長は子爵閣下と繋がっているそうですよ~」


そう言って、クレスさんは笑顔のまま後ろを振り返った。

そこにはやっと復活したのかギルマスが凄い目つきで立っている。

若干イライラも入ってる感じがするけど、具合が悪くなった事への八つ当たりとかじゃないよね?多分。


「ほう・・・それは初耳だなあ・・・本部長は聡明で公正な方だからおそらく既に尻尾くらいは掴んでいるとは思うが、これは良い土産話が出来そうだ」


「なななななっ!?何故ここにギルドマスターが!!!」


「いえね、最近閣下のようにギルドを蔑ろにされる方が多ので、こういった場合では私が直接出向く事にしているんです、閣下は子爵ですのでそこまでお咎めは無いでしょうが、数ヶ月の謹慎は免れませんでしょうな」


そう言って悪そうに笑うギルマス。

やっぱりどう見ても盗賊の頭目にしか見えない。

そしてクレスさんもその横で爽やかな笑顔を見せながら毒を吐く。


「ギルドは形こそ王の支配下にありますが、本来は独立した組織なんですよ?だからこそギルマスは厳正な判断が必要とされる、残念ですがその護衛は平民か男爵ってとこでしょうから斬首刑でしょうね」


断定するように言い切るクレスさんに、護衛が死刑と聞いた私が不安そうにしていると、何かを勘違いした彼がギルマスについて説明してくれる。


「サンダルシアのギルドは高レベルの冒険者が多く、マスターになる者はその地位につくのもそれを維持するのも王宮武官になるより遥かに難しいのですよ。王宮武官とは騎士とは違い身分を問わず実力で選ばれる精鋭揃いの組織の長で、その肉体の強さだけでなく、その知識も膨大で、地理に闌け、戦略などのエキスパートです。その競争率は砂漠で小石を探すよりも難しいと言われているのです。それを越えるギルマスと一代限りの子爵位であるアディール子爵の証言、どちらが信用されるかなど分かり切った事です」


え、ギルマスってそんな凄い人だったんだ・・・そんな人がわざわざ来てくれたのに営業妨害とか思ってご

めんなさい。


ちょっと悪そうなオジさんだなあとか思ってたけど実は凄いスペックの持ち主だったらしい。

というかこの街はサンダルシアというらしい。


さすがに教会には地図が無かったので大きな街があるという事くらいしか分からなかったんだよね。


「おいおい、言い過ぎだ。武官殿に失礼だろうが!ったくお前は・・・まあ、一部を除いてクレスの言っている事は正しい。閣下はギルドで数日拘束させて頂いた後、王宮の防衛庁へ報告を出す形になるでしょう。王宮から迎えが来るまで大人しくされるのがよろしいかと」


それを聞いて、最後まで怒鳴っていた子爵。

その横で死刑と聞いた護衛はわかりやすいほど脱力して俯いている。

雇い主の言う事を聞いていただけで死刑になってしまうのだから脱力もするだろう。


私も人の死がここまで簡単に扱われるのを目の当たりにしてどうも気持ちがもやもやする。

するとさっきまで震えていた両親が立ち上がり、祈るように両手を合わせてギルマスに話しかけてきた。


「ギルドマスター!その護衛の方にどうか恩赦を与えては頂けないでしょうか?」












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