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10 隠蔽にもほどがありますかね?

「えっと・・・な、何かおかしいですかね・・・?」


「・・・・・・・おかしいなんてもんじゃねえだろ」


そう言って能力値の用紙を食い入る様に見るギルマスの額はパックリと割れていて、今現在も血がポタポタと床に滴り落ちている。血拭かなくて良いのかな・・・。


「大体レベルからして異常だろ!俺は今まで生きて来て、60以上のレベルなんて見たことがねえ」


「ええ、それに体力も桁が違いますね・・・何より魔力量が普通じゃありません」


「そうなんですか?」


「ああ・・・普通のS級冒険者でもレベルは50~60くらいだ・・・それにしたって体力と魔力の数値が一桁おかしいだろう」


そう言うと、ギルマスは計測用の水晶に異常がないか調べだした。

まずい・・・このままじゃ私、規格外だと思われちゃう・・・・。

あくまで私は普通にお金を稼いである程度たまったら郊外にでも家を買い、旦那様達と暮らすという夢があるのだ。二人の様子を見る限り、隠蔽しないと大変な事になるという事は理解した。


「で、でも!騎士とかにならいるんじゃないですか?」


「あのなぁ、国を守る騎士様だって頑張っても70くらいだ。それに初代王でさえレベルは88だったという文献があるくらいでもはや伝説なんだぞ?この意味わかるか?」


「はい・・・私・・・マズイですかね」


「ああ、大マズだな」


「でもでも!戦争とかにかりだされたりなんかしませんよね?だって今はこのも国平和だし!」


「それは敗戦兵達の屍を食って魔物が大量に繁殖しちまったから戦争する暇がねえだけだ、もしお嬢ちゃんの事が王の耳にでも入れば堂々と軍事利用しようとしてくるだろうな。大陸統一も夢じゃないってな」


ひぇ・・・これは殺人兵器として王宮へドナドナされちゃうパターンかもしれない・・・。


「ま待ってください、それは外に漏れればの話でしょう?」


あわててそう言うと先ほどから考え込んでいたクレスさんが口を開く。


「幸いここには僕達しか居ません、それに人払いもしてありますし防音魔法もかけてある。僕たちが口を閉ざせば問題ありません」


「え・・・でもレベルを見られたら・・・・」


「ですから、魔力で隠蔽すれば良いんですよ、能力値はケタを一つ削って・・・まあ、それでもかなりの数値ですが、そこはS級候補生になるほどですから何とか誤魔化せます。属性魔法も風と雷以外を2つと時空間だけ残せば良いでしょう」


「どうして風と雷以外なんですか?それに時空間も・・・」


「その二つは先ほどテルアが使えるとおっしゃっていたでしょう?それならチサさんがうっかりその二属性を使ってしまっても使役獣が使ったと言えば誤魔化せますし他の2属性を使える事にしておけば4属性は使っても怪しまれません。時空間属性は空間魔法の上位魔法で収納魔法も使えますからあると便利ですし、隠して使っているとバレた時に困るでしょう?少なくはありますが、ギルド職員や商人にも空間持ちはいますから、それならば一文字削って空間魔法にし、最初から使える事にしておいた方が後々楽ではないでしょうか?」


「なるほど」


やっぱりクレスさんは頼りになりそうだ。


「まあ現状そうするしかないわな、それでもかなり規格外だから空間魔法以外は基本隠すのが良いと思うがな、よほどの強敵でも出てこない限り他の属性は使わないこった」


「とにかく!候補生としておかしくない程度に隠蔽したら急いでチサさんのお家へ向かいましょう」


「は!そうでした!急がないとカエル・・・じゃなかった、子爵様がきちゃいます!」


思ったよりも話に時間を取られてしまったせいか窓の外は白み始めている。

慌てた私たちは急いでステータスを隠蔽した後、ギルマスに候補生の証明となる書類を発行してもらい、実家に引き返す事にした。


本当は一人で帰るつもりだったけど、私だけだと丸め込まれるか不敬罪で拘束される可能性があるからと心配してくれたらしい。


「だってお前、貴族の前でカエルとか口走りそうだしよ」


とかギルマスが呟いていたから相当アホの子だと思われたのかもしれない・・・なぜだ・・・。





【職業】 転生者 宿屋の娘 なめし職人 大工職人 食肉加工職人 料理職人 調教師


【レベル】 109


【体力】  899


【魔力量】 530


【魔法属性】 雷 水 風 氷 火 時空間 翻訳  


【スキル】 懐柔




(隠蔽後)⇒ 


【職業】宿屋の娘 調教師 料理職人


【レベル】10


【体力】89


【魔力量】53


【魔法属性】 水 火 時空間  


【スキル】 懐柔


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