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1 異世界転生

なぜハーレムとは女性達の事を指すのだろうか・・・。

ハーレム自体がインドなんかの後宮を意味するハレムから来ているからというのもあると思うのだが・・・・・・あっても良いと思うのだよ男版ハーレムってやつが。


「解せん・・・そう思わない?」


「いや、何の事か分からないし・・・その脳内で俺と会話する癖どうにかしろよ」


「はあ?この溢れ出る色気から読み取ろうよ!」


「どこのオヤジだお前は・・・」


そう言いながら呆れたようにこちらを見ているのは2つ年下の従兄弟のアキだ。

小さい頃によく手を引いて遊んでやったのが功を相したのか、思春期まっさかりの現在でも仲良しさんなのである。


「それにだよ?逆ハーレムって言っても主人公のほとんどが受身じゃん?それって乱交とどう違うんだよ!って感じなわけよ」


そう、異世界転生物って何故かそればっか!

奴隷を集めてハーレムを形成するのは総じて男主人公ばかりなのだ。


「あのさ・・・言っても無駄だと思うけど・・・乱交とか・・・俺が思春期の健康な男子だって分かって言ってんだよな?」


そこには嫌そうに眉間にシワを寄せながら目を細める従兄弟殿が居た。

おぅっふ!乙女にあるまじき発言をしてしまったようだ。


「おっと口が滑った許してくれたまえ可愛い弟よ」


「誰が弟だよ・・・ったく・・・」


そんな事を話ながら自宅への道をのんびりと歩く。

アスファルトに映る二人の影はいつの間にかアキの方が長くなってしまった。

少し前まで小学生だったのになあ・・・。


「で?アキはいつ脱童貞したの?」


「ぶっっ!!!なっ!?」


「いやあ、ねえちゃんこれでも心配してんだよ~?可愛いアキが変な女に騙されないかと」


「はああ・・・・言っても無駄だと思うけど、彼女居ない歴16年の俺の傷をこれ以上抉るなよ!!」


「おお!弟よ!未だに童貞とは情けない!ここはねえちゃんが一肌脱いてやろうではないか!」


そう言うと、スマホを取り出し、親友に筆おろしを頼めないか聞いてみる事にした。


「うわあああ!!!やめろ!!!」


それをすかさず真っ赤になったアキが止めに入る。


「何故だ・・・むう・・・・親友の朱音がこの間アキの事可愛いって言ってたよ?今は彼氏居ないって言ってたしこの際、付き合って見れば良いじゃん」


「何がこの際なのかは知らないが、とりあえずスマホを仕舞ええええ!!!!」


「もう!流石ちぇりぼーいは童貞臭がはんぱないね!?」


「言っても無駄だと思うけど、童貞臭って単語は二度とつかうんじゃねえええええ!!!!」


そうして楽しく下校していた私が、怪我をして道路の真ん中で動けなくなった猫を庇って死んだのはその少し後だった。


そして次に目を開けると、若い夫婦がこちらを除いているところだったのである。


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